撮影監督出身の津田豊滋監督に会ったのは、2004年、『丹下左膳 百万両の壺』で監督デビューされる少し前のことだった。前田哲監督の『パローレ』の試写を観終えて、前田さんとお茶をしに入った渋谷のセガフレードで、木下ほうかさんとお茶しているところに加わらせてもらった。大阪弁でよくしゃべる気さくな人柄に好印象を持った。去年、共通の知人の披露宴で再会したとき、ちゃんと覚えていてくれたのは、別な共通の知人がいたからで、その人からお互いのことは何となく耳に入れていた。
その津田監督と、出会ったセガフレードでまたお会いした。津田さんと十年来組んでいる映像技術車の鈴木康公さんを紹介され、三人で二時間ほどお茶したのだけど、これがとても楽しかった。母国語の大阪弁で話すと、言いたいことがちゃんと言葉になって伝わる感覚がある。津田監督とじっくり話してみると、生理的に好きなことと嫌いなことが近いこともわかった。作品の中で人を殺したくないとか血を見せたくないとか、ファンタジーや夢のある話が好きだとか。CMもたくさん手がけられているので、「CM一本の予算で映画作れちゃうんですよねえ」という話で盛り上がった。
『ぼくとママの黄色い自転車』主演の武井証君を『いま会いに行きます』より早く『丹下左膳』で起用した話、今まででいちばん楽しかったのは「世界の車窓から」の撮影、ロスで仕事していた頃もあってマイケル・ジャクソンの『BAD』も撮影したので、ちょっと前は追いかけられて大変だった話……「へー」「ほんまですかー」と身を乗り出しつつ、「そういえば」とわたしもボールを投げる。大阪弁の会話にありがちな、話題があっちゃこっちゃ行っては戻ってくるのが楽しい。鈴木さんも大阪弁だったからすっかり関西人かと思ったら、「つられているだけです」。
「俺は愛のないヤツとは仕事せえへん」という言葉が気に入った。
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