朝ドラ「つばさ」の案内メールの返信で、「女が作る映画誌」シネマジャーナルの景山咲子さんからひさしぶりに連絡をいただいた。映画『風の絨毯』の公開のときにプロデューサーの益田祐美子さんに紹介されて、もう5年経つ(>>>2003年5月18日(日)風じゅーの風よ、吹け!)が、先週土曜日に公開された映画『築城せよ!』のインタビューで益田さんに再会し、そのことを日記に書いた際に「今井さんのお名前を出しました」と報告してくださったのだった。
早速、シネマジャーナルのスタッフ日記の2009年6月第2週をを訪ねてみると、「『築城せよ!』の古波津陽監督とプロデューサー益田祐美子さんのインタビューに同席」とあり、益田さんを「脚本家の今井雅子さんが魔女田さんと呼ぶように、魔法のような微笑でお金を生み出す錬金術師」と紹介している。魔女田さんとあだ名をつけたのは『風の絨毯』で益田さんとともにプロデューサーを務めた山下貴裕さんで、せっせと広めているのはわたしだが、日記のこのくだりを読んで、思わず吹き出してしまった。というのも、先日の今井雅子日記(>>>2003年6月19日(金) 報酬系とドーパミンと子守話80話)で『築城せよ!』公開をお知らせしたなかで、わたしは「プロデューサーの魔女田さんこと益田佑美子さんの錬金術にも磨きがかかり」と書いていたから。一卵性双生児のような表現の一致が景山さんと以心伝心のようで、おかしくなった。
思わぬところで、思わぬ形で人と人をつなげてしまう魔女田さん。さらにすごいところは人脈と金脈をつなげてしまうところ。「金持ちより人持ち」になりたいとわたしは思っているけれど、魔女田式錬金術では、「人持ちは金持ち」の法則が成立する。今回の『築城せよ!』では製作費3億5千万円を集めてしまったが、約800社にお金を出させたのもすごいけど、断られたのが一社というのも、これまたすごい。「キスがいい? 寄付がいい? って聞くと、みんなあわてて寄付してくれる」と冗談のようなことを本気で言う。
シネマジャーナルの『築城せよ!』インタビューでもプロデューサーというより魔女的な発言を連発。「映画は作るときはお金がかかるけれど、維持費がかからないんですよ」などと目のつけどころが面白い。自主映画の『築城せよ。』を劇場版にしようと思い立ち、実現するまでの思考回路と決断の早さと行動力も人間離れしている。天然ボケキャラも含めて、天然記念物として保護したい。古波津監督が吸引力バツグンの魔女田パワーにびっくりしながら巻き込まれていった様を想像していたら、こちらも愉快になり、ますます『築城せよ!』を観たくなった。
今日の子守話は、戸田幸四郎さんの『リングカード・どうぶつ』がヒント。表に動物のイラスト、裏に名前が日本語と英語で書いてあるカードで、「いたちはウィーズル(weasel)だって」などと娘のたまと親子でふむふむ見ているうちに、「かば」の英語名が「ヒポパタマス(hippopotamus)」だと知った。「ヒポパタマスの中に、『たま』が入っているね」と言うと、たまがうれしがって「ひぱたます」と舌足らずに繰り返したので、英語を使いたがるカバの話を即興で作って聞かせた。外資系の会社に勤めていたこともあって、やたら英語を混ぜる人はまわりにずいぶんいたけれど、ある日「中途半端に英語ができる人ほど、不用意に英語を使いたがる」と帰国子女の友人に言われて、気をつけて観察してみると、本当にその通りだと納得した記憶がある。言葉はコミュニケーションの道具。使っても使われるな、の教訓を込めて。
子守話82「おバカなカバのヒポパタマス」
たまちゃんが みちばたで カバさんに あいました。 「こんにちは カバさん」と あいさつすると 「わたしは カバではなく ヒポパタマス ですけど」と ヒポパタマスと なのる カバさんは ふんぞりかえって いいました。
「まちがえて ごめんなさい」と たまちゃんが あやまると 「きにしないでください。ネバーマインド」と ヒポパタマスと なのる カバさんは もっと ふんぞりかえって いいました。 ふんぞりかえりすぎて せなかが いたくなって 「あいたたた アウチ!」と いいました。 カバさんの いうことは たまちゃんには はんぶんぐらいしか わかりません。
「えいごを しらないなんて シリーですね。おバカさん」 ヒポパタマスと なのる カバさんは そういって さかだちしました。 「カバさんが さかだちしたら おバカさんだ!」と たまちゃんが いいかえすと 「わたしは ヒポパタマスですから さかだちすると スマタパポヒです」と カバさんは すずしい かおで いいました。
たまちゃんは なんだか つまならなくなって 「バイバイ カバさん」と てを ふって たちさりました。 「なんだ えいごを しゃべれるじゃないですか。またね。シーユー」と ヒポパタマスと なのる カバさんは さいごまで たまちゃんの しらない ことばを つかいたがりました。
ヒポパタマスと たまちゃん。なまえは ちょっと にているけれど ざんねんながら おともだちには なれませんでした。
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