2009年02月10日(火)  加湿器で焼き肉 洗面器でエレベーターガール

テーブルの下に置いてある加湿器のペンタ君の前にかがみこみ、娘のたまが突然「おにくぼくじょう」と言い出した。即座には意味がわからなかったけれど、黒いしましまが焼き肉の鉄板に見えたらしい。なるほど似ている。去年の秋に訪れたマザー牧場で見た牛より羊より馬より、焼き肉が印象に残っているたまは、マザー牧場を「おにくぼくじょう」と呼んでいる。

子どもは大人以上によく観察し、記憶している。それが、物を見立てる遊びに現れる。今日はお風呂の中で洗面器をかぶって、「なんかいにいきますか?」と聞いてきた。エレベーターガールのつもりらしい。そういえば、エレベーターガールの帽子って、てっぺんが平らになっているのがときどきある。それをどこかで見て覚えていたのではないだろうか。エレベーターに乗り込んで、たまみたいな女の子がエレベーターガールやってたらおかしいだろうなと想像して、今夜の子守話ができた。大人の真似してお仕事して、失敗もするけど感謝もされるのは、おさるのジョージ風。

子守話42 ちいさなエレベーターガール

てっぺんがたいらな あかいぼうしを 
あたまに ちょこんとかぶって
わたし エレベーターガールみたい

デパートのエレベーターにのりこんで
「いらっしゃいませ なんかいを ごりようですか」

おきゃくさんはびっくり
だって エレベーターのボタンより ひくいところで
エレベーターガールの こえがする

「3かいをおねがいします」とおきゃくさん
「かしこまりました」とエレベーターガール
ぴょんと とびあがって 3のボタンをおした

「5かいをおねがいします」とおきゃくさん
「かしこまりました」とエレベーターガール
だけど とびあがっても 5のボタンにとどかない
しかたがないから おきゃくさんが おしてくれた

8かい おもちゃうりばで とまったままのエレベーター
ひらいたドアのむこうは ちいさなエレベーターガールの すきなものだらけ
おきゃくさんごめんなさい もうすこし みていたいの

くだりはじめた エレベーター
まいごのおとこのこが のってきた
えーんえーんと ないてばかり ことばは まだうまくはなせない
こまったこまった おとなたち だけど 
ちいさなエレベーターガールには おとこのこのいいたいことがわかる

エレベーターをおりて おとこのこのてをひいて
いっしょにおかあさんをさがしにいった
ぶじ おとこのこのおかあさんを はっけん
「ありがとう ちいさなエレベーターガールさん」
さいごにひとつほめられて とってもいいきぶん

でも ほんもののエレベーターガールになるには まだまだ
おうちで おにんぎょうあいてに れんしゅうしましょう 

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