2005年02月10日(木)  「香盤表」の由来

■映画やCMの撮影現場で使われる「何時に誰の何のシーンを撮るか」の段取り表は、香る盤の表と書いて「香盤表」という。「こうばんひょう」と耳で聞いても、なかなかこの漢字を想像しづらい。入社して間もないわたしは「降板表」と書いて、「そんなものがあったら問題だ」と先輩に突っ込まれた。時は流れ、職場の新卒デザイナーのクラタ君が「『香盤表』って、なんでこう書くですか?」と師匠デザイナーのアサノさんに投げかけた質問が「今井わかる?」と回ってきて、気になりつつも棚上げにしていた由来を調べることに。「香盤 由来」でネット検索をかけると、諸説出てくる。オランダ語で「表」は「koban」といい、それに当て字をはめた説。これだと「なぜこの漢字?」の答えにはなっていないが、もともと日本にはお香の減り具合で時間を計る「香盤」というものがあるという。昔、吉原ではこの香盤で客の「持ち時間」を計ったとかで、それが由来ではないかという説は、「飲み屋で使えそうっすねー」と男性社員たちに好評。さらに検索結果を見てみると、「昔は香る板、つまりヒノキの板に撮影予定を書いたことから、香盤って呼ばれるようになったんですよ」という珍説を唱えたコラムを発見。よくよく読んでみると、「かつて広告会社でコピーライターをしていた筆者の口から出まかせ」となっているが、著者はなんと、わたしの会社で働いていた先輩の柳沢有紀夫さんだった。顔と名前がなんとなくわかる程度で口をきいたことは恐らくなかったけれど、「こんな経緯でコラムを見つけました」とメールを送ると、返事が来た。「今井さんのこと、なんとなく思い出してきました。グリーンのシャツ着て、オレンジのパンツをはくという、『補色なんのその』っていうファッションをしていた女の子ですね」。その記憶はたぶん間違いない。「外資系広告代理店でのコピーライターに見切りをつけ、家族と自分の幸せのためにオーストラリアに移住(本人談)」した柳沢さんは、海外暮らしに関する著書多数。コラム豪州発ブリス便は、スペースアルクのサイトに連載されていて、現在第274話。コピーライター時代より書いてます?

2002年02月10日(日)  ペンネーム

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