友人マツエが遊びに来た。最後に会ったときのことも日記に書いたけれど(2004年4月27日 二級建築士マツエ)、そのとき以来ということは、三年半ぶり。広告会社時代に組んで仕事をしていたアートディレクターのミキの美大での同級生で、ミキもまじえてスキーに行ったりミキの実家に泊まりに行ったりしたかと思うと、次に会うのは一年後というような関係だったのだけど、ときどき思い出したように会っても、空いた時間を感じさせない。マイペース同士、波長が合うようだ。
キッチンまわりのインテリアデザイナーとして独立したマツエの事務所にわたしが名前をつけたので、お礼がてらごはん食べようということになり、ひさしぶりの再会が叶った。「子どもいるし、うちでごはん食べられると助かるんだけど、なんか食べるもの適当に持ってきて」。三年半ぶりでもそんなことをお願いできてしまう。タッパーに詰めたおかずと自由が丘のロールケーキを持って現れたマツエに、わたしはカレーをふるまった。「カレーとアボカドが合う」ということを最近知ってはまっているのだけれど、マツエも「うちでもやってみよう」とよろこんでくれた。
ネーミングのお礼にと贈られたのは、輸入雑貨ショップpetitcoquin(プチコキャン)(ここのものはとてもわたし好みでハズレがない)のオレンジ×ハートのちりとり。かなり強烈な存在感だけど、はじめからわが家にあったかのようにしっくりなじむ。マツエはわたしの一人暮らしのアパートには来たことがあったけれど、今の家もたぶんこういう感じだろうと読んだらしい。さすが。
ちなみに、マツエには13案の名前を提案。わたしの一押しは、「マツエトモコ」の名前から連想した「トマト」。
TOMOKO
MATSUE
TOMOKO
という名刺のデザインまで勝手に考えて、真っ白いキッチンに映える真っ赤なトマトのビジュアルも浮かんだのだけど、「色がつきすぎるかなあ」と敬遠された。たしかにインテリアデザインに大切なのは「想像の余地」であり、名前がイメージを語りすぎるのはよくないかもと気づかされる。他に、これも「マツエトモコ」の名前の響きになんとなく似ている「ZIMMER」(ツィンマー 独語で「部屋」)。キッチン周りの単語で「ESSEN」(エッセン 独語で「食べる」)「CUCINA」(クチーナ 伊語で「台所」「料理」)「SPOON」「SOUP」「SPICE」「CUP」。響きのいい名前ってことで「COCOON」(コクーン まゆ)「COTTON」(コットン 綿)「COZY」(コージー ここちよい)「PETAL」(ぺタル 花びら)。毎日使う場所だから「DAYS」「EVERYDAY」。四角い箱を自由にデザインするということで「CUBE」。和風な名前もマツエっぽいかなと思って「それから」(ここから会話とか何かがはじまりそうな感じ)。この中から「最初は通り過ぎてたんだけど、何度か見ているうちにいいなあと思えてきた」とマツエが選んだ名前が「DAYS」。主張しすぎず、さりげなく日常に寄り添う、そんな立ち位置は、マツエがめざすデザインの方向性とも一致するよう。
2006年10月19日(木) マタニティオレンジ22 めぐる命と有機野菜
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2003年10月19日(日) 100年前の日本語を聴く〜江戸東京日和
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