ダンナが午後から仕事に出かけ、娘のたまと二人で過ごすことになった。平日は保育園に預けているし、休日はダンナが家にいるし、どこかに出かけたり誰かが遊びに来たりするので、たまと長時間二人きりになることはめったにない。保育園から帰宅してから寝かしつけるまでの3〜4時間の3倍もの時間、さあ何して過ごそうか……。「長いな」と感じた自分を、慣れないお留守番を頼まれて戸惑うお父さんみたいだ、と思った。保育園がはじまる前は朝から晩まで二人きりのことが日常だったのに、ひさしぶりになると、半日でも気合を入れてかからなくてはならなくなっている。
ダンナが出かけたときは昼寝をしていたたまが、2時頃起きた。寝起きはいい。物をやりとりする「どうぞ」遊びをする。昨日お邪魔したトモミさんちで覚えた「どうも」がごっちゃになっているようで、わたしの「どうぞ」に合わせて物を差し出しながらコクンとお辞儀をするのがおかしい。「どうぞ」と「どうも」をセットで言うようにし、受け取ったわたしもお辞儀をすることにした。
「どうぞ」遊びに飽きると、関心はティッシュ箱に移り、ティッシュを延々と取り出し続ける。気が済むまでやらせつつビデオに撮る。一面ティッシュだらけに。薄いひと箱にこんなに入っているのか、と日本の製紙技術の高さに恐れ入る。取り出したティッシュを後で使うために紙袋に詰めたら、それもまた取り出して喜ぶ。
夜から雨の予報が前倒しして、3時過ぎから雷を伴った大雨が降り出す。バリバリ、ガラガラ、昨日の花火よりも音が近いが、雷に負けじと「ゴロゴロバーン」と花火の物まねをして見せ、「これは、たまの好きな花火の仲間ですよ」と教えたら、あまり怖がらずに済んだ。稲妻と音が数秒差の間近の雷にはさすがに身を震わせていたけれど、わたしもびびった。
雷がおさまると、だっこから下ろし、しゃもじを与える。これも昨日トモミさんちで仕入れたネタ。プラスチックのしゃもじの丸い部分をカーブを確かめるようになめて、30分ぐらいは機嫌よく遊んでくれた。
雨が上がったので、ベビーカーで図書館へ出かけることに。大雨の後でいい風が吹いている。図書館にはじゅうたんでゴロリとなれる絵本コーナーがあるけれど、閉館ぎりぎりだったので遊んで行けず。帰りに寄ったドラッグストアで赤ちゃん麦茶と赤ちゃんせんべい「ハイハイン」を買う。はじめて買ったハイハイン、気に入ったようで、2枚入りの2袋をぺロリ。この時点で17時半。あと一時間で保育園から帰ってくる時間になる。たまが寝てくれるまでは4〜5時間。子守すごろくをしているみたいだ。寝付いてくれたら、あがり。
離乳食をあげたら激しく泣き出され、3つもどる。うっかりして、さますのを忘れていた。こりゃ熱い。舌の上で止まっているあつあつのごはんのかたまりを撤去。舌は火傷していない様子だけど、母をなじるように泣き続ける。怒りをさまそうと水風呂で遊ばせると、最初はごきげんななめで泣きじゃくっていたけれど、急に一人であそびはじめる。よし、2つすすんだ。風呂上がりに食べ頃にさめた離乳食を食べさせる。しらすのおかゆを平らげたので、おかわりで納豆とアボカドとかつおぶしのおかゆをあげる。さらに551の蓬莱の豚まんの皮をいくらでも欲しがる。右手を出して「ちょうだい」のポーズ。2センチ平方ほどの塊であげても、モグモグして上手に食べ、豚まん半個分ほどの皮が消えた。551効果で2つすすむ。
満腹になり、ダンボールハウスでしっかり遊んでぐれる。たまを疲れさせようと、わたしもハイハイして追いかけたり追いかけられたり。全身運動なので、たまより先にわたしがばてる。でも、たまも体力消耗したはず。ゴールは近いか。布団を敷くと、シーツに興奮。シーツの中に入ってかくれんぼがはじまる。家具の前に築いたバリケードのダンボールに体当たりして、歓声を上げているうちに22時。まだ寝てくれない。ふと目が覚めると24時。隣でたまがすやすや寝息を立てている。子守すごろく、いつの間にかあがっていた。たまより先にわたしがゴールしてしまったのかもしれない。たった半日でばててしまった子育て体力の低下を思い知り、これが毎日になっているお母さんたちのスタミナと気力に頭が下がる。
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