2007年07月04日(水)  肉じゃがと「お〜いお茶」とヘップバーン

『子ぎつねヘレン』が縁で知り合ったSさんから小包が届いた。中身は、レトルトの肉じゃがと「お〜いお茶」のペットボトルと「HEPBURN」と英字ロゴが躍る「月刊ヘップバーン」の2005年8・9月号。肉じゃがは、Sさんが最近神奈川から引っ越された舞鶴が「発祥の地」なのだとパッケージに書いてある。英国のシチューを再現しようとしたのが日本の味付けであの姿となったらしい。肉じゃがのお供にお茶ということだろうか、とペットボトルをよく見ると、「第十七回 伊藤園新俳句大賞」の掲載作品五句の二句目、佳作特別賞の「泣き虫の笑顔を包み山笑ふ」の作者がSさんなのだった。

俳句をたしなまれるSさん、わたしの日記に「ヒップボーンの会」のことを書いてあるのを見つけて、「今はもうやらないのですか」と聞かれたことがあった。20代の一時期、当時流行っていた黛まどかさんの「ヘップバーンの会」の勝手にパロディにした会を作り、「オードリー・ヒップボーン」というふざけた俳号で俳句ごっこに興じていた頃があった。会員は同期のママチャリと二人きりで、ろくに活動しないままに自然解散したのだが、「こんなのできましたあ」と見せていた相手は、俳句界の巨匠にして同じ広告会社に勤めていた中原道夫氏。ママチャリが営業、わたしがコピーライター、中原さんがアートディレクターで某化粧品ブランドの広告を作っていた。

初めて見る本家ヘップバーンの会誌、Sさんがどこからかわざわざ入手してくださったのかと思ったら、ご本人の俳句が掲載されているので驚いた。「B面の夏じやんけんはぱーばかり」「蝉の後ついて地球を歩きをり」「婚約者ホワイトジーンズ腰ではき」。「ヘップバーンママ」のコーナー(ママ会員なるものがある!)には「産毛なでつむじのふたつ聖五月」という句が紹介されている。Sさんは由緒正しきヘップバーン会員だったのだ、とヒップボーン会員は恐れ入る。

Sさんからの三点ギフトは、テレビドラマ『ブレスト〜女子高生、10億円の賭け!』の録画DVDを送ったお礼に送られた。『子ぎつねヘレン』つながりで『ブレーン・ストーミング・ティーン』を読んでくださり、小林涼子ちゃんの『砂時計』も観られていたというので、こちらの今井雅子×小林涼子作品もぜひ観ていただきたい、と押し付けるような形で送らせてもらったら、肉じゃがとお茶と冊子に化けたのだった。作品を世に出した後に生まれる人との出会いややりとりは、著作権料よりもうれしいおまけになる。

2006年07月04日(火)  2年ぶりのお財布交代
2005年07月04日(月)  今井雅之さんの『The Winds of God〜零のかなたへ〜』
2003年07月04日(金)  ピザハット漫才「ハーブリッチと三種のトマト」
2002年07月04日(木)  わたしがオバサンになった日
2000年07月04日(火)  10年後に掘り出したスケジュール帳より(2010/11/28)

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