天気が悪いと出不精になり、天気がいいと家の日当たりがいいのをこれ幸いと絨毯のひだまりで一日過ごす。外出する理由がないとついつい引きこもってしまい、二日三日家から一歩も出ないこともある。一才を過ぎて歩きだすようになると散歩をせがむようになるらしいが、五か月のたまは家でゴロゴロしていてもごきげんだ。でも、心地よい刺激は与えてあげたほうがいいんだろうなあと思う。外に出れば風に当たり、野良猫に出くわし、道行く人に声をかけられ、ベビーカーやだっこの赤ちゃんとすれ違う。歩いているだけでも、赤ちゃんにはちょっとした冒険気分を味わえる。
今日は目覚めたときから気持ちいい日射し。こりゃお散歩日和だわとご近所のキョウコちゃんと1才5か月のまゆたんをお誘いし、ベビーカーでお出かけする。せっかくだから小石川植物園に行こうか、と歩きながら話はまとまり、だったらついでにタンタローバでお昼はどう、賛成、となる。植物園へはベビーカーを押しながら歩いて三十分ほど、そこからさらに十分ほど歩いた播磨坂という雰囲気のある坂の上にわたしたちのお気に入りのトラットリアがある。
植物園は趣味の写真撮影にいそしむ中高年の方々やベビーカーを押したママやバアバがちらほら。桜の時期には混みあうが、今は花が咲いていない季節なので、わたしたちが目指した日本庭園の辺りは貸しきり状態になっていた。自分の足で歩くのが楽しくてしょうがないまゆたんは、ベビーカーから下ろしてと訴え、降りるとずんずんと小高い丘を登っていく。カモが泳ぐ池の上をサギ(?)やスズメ(?)が飛び交い、木立ではカラスと猫がのどかに遊んでいる。実に平和。入場料は330円だけど、年間パスポートってないのかな、と言うと、三万円で永久会員になれるらしいよ、とキョウコちゃん。元取るのは難しいかなあ、もっと近所だったらいいよねえ、などとわたしたちの会話ものんびり。(後で調べてみると、「小石川植物園後援会」なるものがあり、その終身会費が3万円らしい。会員になると無料で入園できるということだろうか)
まわりに誰もいないので、ベンチで授乳。人目をはばかる必要がないときも、授乳ケープはあったかいので便利。まゆたんは遊び疲れて、たまはおなかが膨れて、二人の姫たちはすやすや眠ってしまう。母たちがゆっくり食事できるようにという粋なはからい、ありがたく頂戴する。一時過ぎのタンタローバはランチタイムの混雑が一段落し、ベビーカーのスペースを空けてもらえる。味のレベルはかなり高いのだけれど子連れには敷居の低い、ありがたいお店。
出産前に行ったきりだったけれど、ひさしぶりに食べてみて、あらためてその実力に感服。前菜、パスタ、メインを豪快に盛ったひと皿にデザートとコーヒーがついて1500円。メインはあじさい鳥のソテー。パスタは渡り蟹とタコのトマトソース。どっしりしたソーセージ、カプレーぜ、オムレツ、生ハム、魚介のマリネなどなど、あれもこれも欲張りたいわたしを黙らせる品数。火の通し具合といい味付けといい、ひとつひとつが絶妙に仕上げられ、ガツンとおいしいイタリアン。とくに最近は、置くとぐずるたまを脇に抱きかかえながら食事することが多く、ゆっくり味わって食事するひまがなかったので、この時間は貴重だわあとキョウコちゃんとしみじみ感激する。「食事って、舌での滞在時間が大事なんだよね」とキョウコちゃん。舌をするっと通り抜けて胃に流し込むだけでは、味わったことにはならない。滞在時間が短いと何も残らないのは旅行と同じ。
タンタローバから播磨坂を少し下ったところには、マリアージュというパティスリーがある。ここはケーキの見映えも味もパッケージもセンスがよくて、近所にあったら自宅用におつかい用にと毎日でも買いに行きたいお店。お茶請けのシュークリームと明日のパンを買う。
帰り道は大回りして、白山に昨年オープンしたイタリアンのVolo Cosiを見て行く。うまい、すばらしい、最高、とあちこちから絶賛の声を聞き、とても気になるお店。予約を取りにくい店になっているという。ここは子連れは難しいかなあ。住宅街に注ぐ日射しは三時を過ぎてもあたたかく、ベビーカーのほどよい揺れも手伝って、たまは眠り続け、帰宅してからもすやすや。泣き鬼のいぬ間にティータイム。マリアージュのシュークリームはしばらく余韻に浸ってしまうほどおいしかった。
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