週末に遊びに来た友人のセピー君が「赤ちゃんを確実に泣き止ませる方法知ってる?」と自信満面の笑みで聞いてきた。「え? 何なに?」と答えを求めると、「ドライヤーある?」。洗面所から持ってくると、セパンタ君はスイッチを入れてブーンと音をさせ、「お母さんのおなかの中で聞いた音と似てるんだって」と言った。胎内では、母親の体を流れる血液の音が大きく聞こえるらしく、母親学級では「水を流すジャーという音を聞くと、赤ちゃんは安心する」と教わった。
「それからビニール袋も」とピー君。袋をこすり合わせたときに出る音にも同じ効果があるのだという。娘のたまは生後間もなくの頃からビニールをカサコソいわせると熟睡していてもパチッと目覚めたので、この音が嫌いなのだと思っていた。セピー説ではその逆で、大好きな音だから反応していたことになる。途中でたまが泣き出したので早速ドライヤーとビニール袋の二本立てで試してみると、涙を溜めた目で音の鳴るほうを振り返り、耳を傾ける顔になった。音に安心して泣き止むというより、音に気が紛れて泣き止まるといった感じ。わたしは「一時的な気休めにはなるかな」と見たが、ダンナの目には「効果あり」と映った。
ドライヤーとビニール袋が立てる音が似ているとは思えないけれど、この二つには「音を立てるときに風を立てる」という共通点があることに気づく。ドライヤーの風は熱いので直接かけるのは危険だけれど、一メートルぐらいの距離から前髪を浮かせる感じで風を吹きつけると、音よりも風を喜んでいるように見える。そこで「口で息を吹きかけてみたらどうだろう」と思い立ち、やってみた。たまの顔から三十センチほど離れたところからフーフーと風を送ると、舌を出し、手足を振り回して大喜び。ドライヤーよりビニール袋より受けているではないか。大泣きしたときにも試してみたら、ピタリと泣き止んだ。涙を乾かすには、電気ドライヤーより人間ドライヤー。他の赤ちゃんにも効果あるのかな。
2005年01月15日(土) ノンストップ『Mr.インクレディブル』
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2002年01月15日(火) ノベライズ