映画『パコダテ人』の衣装製作で協力をお願いしたバンタンキャリアスクールの成田さんの紹介でGREE(グリー)なるサイトに登録して、1か月経った。「成田さんがあなたを招待しています」というメールを受け取ったときは正直怪しい匂いがして、「これは何ぞ?」と思ったのだが、興味をそそられてサイトを訪問し、「グリーについて」の説明を読むと、「世界中の全ての人間は、6つの知人の連鎖で繋がっている」という「Six Degrees of Separations」理論がグリー(gree)の名前の由来であり、「世界中の全ての人は、『友達の友達の友達の友達の友達の友達』以内のどこかにいる」「理論上では、自分に10人の友達がいるとして、それぞれがさらに10人の友達を持つとした時、これを6回繰り返すことで、自分には、間接的には1000万人の友達がいる」「自分に20人の知人がいるとして、それぞれがさらに20人の知人を持つとした時、これを6回繰り返すことで、自分には、間接的には12億8000万人の知人がいる」と考えられると書いてある。以前どこかの記事か何かで読んだ記憶が蘇った。この「6人たどればみんな友達」をネット上で実現する実験プロジェクトだとわかり、登録を決める。
サインアップすると、自分のページが与えられ、そこから「友人を紹介」して「友達の友達」につながったり、「興味のあるグループ」に入ったり、「おすすめの本やDVDを紹介」したりできる。自分が関わった作品の宣伝スペースにしようと思い、早速『ブレーン・ストーミング・ティーン』のレビューを書くと、すでにレビューを書いてくれている人がいた。たどってみると、大学時代の応援団の後輩。そっか、こんな風に楽しむのか。他にも同級生や同じ趣味の人を見つけたり、友人が登録しているかどうか検索したりできる。「この人は入っていそうだ」と目星をつけた人がヒットすると、なんだかうれしい。
自分が登録したときもおっかなびっくりだったので、あまり積極的には広めていないし、「友人に登録」するのも見知った人だけに限定している(「誰でもいいからリンクします」という人もいる)。わたしの本を応援してくれているプロデューサーのニック氏には、まずわたしのグリーのページのプリントアウトを見せ、「入ります?」と確かめてから招待メールを送った。そのニック氏に「これはソーシャル・ネットワーキングですか」と聞かれたので、「そういう怪しいものじゃないと思います」と適当に答えていたのだが、怪しいのは『ソーシャル・ネットワーキング』という言葉を知らなかったわたしの知識だった。タイムリーに今日の読売新聞夕刊に載っていた記事によると、ネット上で会員同士が情報交換しながら人脈を広げる仕組みのことらしい。グリーは「知り合い系サイト」と自称している。
2002年10月30日(水) 2002年10月に書いたもの