幸運はどこに転がっているか、わからない。自分には縁がない場所だと思っていた六本木ヒルズクラブに足を踏み入れる機会を得たのは、友人ナカジ嬢の元上司の石井至氏と食事をすることになり、その石井氏が会員だったから。石井氏は釧路出身で、ナカジ嬢からわたしのことを聞いて、北海道関連の作品が多いことに興味を持ってくださったよう。エレベーター前でナカジと待ち合わせ、51階に上がるとカウンターがあり、「石井様のゲストの方ですね。ご案内します」とレストラン『アンダーカレント』に通される。大きな窓が広がる個室は、東京の夜景ひとり占め感覚。ミモザを飲んでいると、石井氏が到着し、はじめましてとなった。
金融コンサルティングと幼児教育という一見結びつかないものを手がける(会社名は石井兄弟社)石井氏は大学は医学部で罹患率や死亡率の計算をやっていたが、その計算能力を買われて金融の道に進んだ人。垣根を飛び越えるのは大の得意で、点字検定(今までなかったのが不思議)や美容師検定(これもなかったの!?)も立ち上げた。目をつけたものはとことん極めるそうで、点字の打ち方もヘアスタイルも頭に叩き込んだとか。並外れた集中力の持ち主のよう。持ち込まれた話についても、自分で徹底的に検証してから答えを出す。「SMの女王様の養成学校やりませんか」の依頼もかなり前向きに検討したそう。結局実現しなかったそうだが、「それ、映画の題材になりますよ」とわたし。
経営されている小学受験塾の話(今年二年目。一年目の去年、合格率90%を出して生徒が急増)、アキノ大統領が撃たれたときにすぐ後ろにいたという若宮さんの話(最近若宮さんが出した本をプロデュースしたのが石井さん)、UFOの話(三人とも「見たことある!」)、アイドルの話(かなり詳しい。しかもローカルからグローバルまで)、政治の話、ダイエットの話……石井氏の頭の回転に合わせ、話題も高速回転。「UFOに遭遇したとき、頭の中にチップを埋め込まれた」と半分本気で言うのも信じてしまいそう。アンテナを張っている人はたくさん会ってきたけれど、それをビジネスに結びつける力に圧倒される。最初から現在の成功があったわけでなく、ここに至るまでには苦労も失敗もあっただろうけど、自分を信じ抜く強さと何でも面白がる精神がリスクをチャンスを変えてこられたのではと勝手に想像。
手首に赤い毛糸を巻いていた石井氏。ただの糸ではなく、アメリカのセレブで流行っているそうで、日本で売っていない雑誌でいち早く知り、早速取り寄せたとのこと。秋か冬頃には、赤い毛糸を手首に巻いた人が日本で激増するかも。食事もおいしく(左は前菜のクラブケーキ、右はデザートのベリーいっぱいプリン)、感動しっぱなしの夜になった。
2003年08月10日(日) 伊豆 is nice!
2002年08月10日(土) こどもが選んだNO.1