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2012年09月29日(土)
ねず番

ねずみが出た。
我が家と隣(西側)のI家の境に出たのを、父が目撃したらしい。
ねずみは数年前、物置のあたりに出たっきりなので、とてもびっくりした。

「アイツ」は何やってるんだ。最近たるんでんじゃないのか。
とも思ったが、気を取り直し丁寧にお願いしてみることにする。

「どったん」物置の上で大きな音。
キラさんが、飛びおりたのだ。
キラさんは、隣(南側)の家の猫である。
隣のベランダから屋根に出て、我が家の物置に降りてから、
再び隣家のひさし、雨戸の戸袋へと移動してくのがいつものルートだ。
私は、しょっちゅう顔を合わせるため、マメに挨拶をしている。

「キラさん、ねずみが出ました。早急に対策をお願いします。
パトロールは真面目にやってくださらないと困るのです」
そう訴えた。キラさんは黙って聞いていたが、
10分後、ねずみが出たあたりを眺めていると
キラさんが徘徊していた。

さっそく動いてくれた
キラさんの誠実さ、行動の速さに感謝。


参考:キラさんへの声かけ例

「キラ!」
「キラさん」
「キーラーちゃんっ」
「キラやー キラやー」
「キラぽん」
「キラっキラっ」
「でんちゅうでござる」
(一連の会話は隣の家に筒抜けなのはもちろんだが
向こうの家からも「にゃーん」「なあにー」「どーしたのー」という
おじさんの甘々猫なで声がしょっちゅう聞こえるので、おあいこだ。)



2012年09月02日(日)
究極の少女まんが 『ぎゃる侍』

ここんとこ、前から読みたかったマンガ類をアマゾンやらブコフやらで、だかだか買い漁っております。
そのうちのひとつが、コレ。

ぎゃる侍(全7巻)角川春樹事務所

す げ え !

みんなどうしてこの漫画のことを取り上げないんでしょう。
つばさchanもあいくchanも、ギャル雑誌の読モ・読者たちはみんな読んでいたのに、オタクとは棲み分けが違うということなのでしょうか。

わたしは末松正博さんの「右曲がりのダンディー」を、読んでいません。江口寿史さんのパクリと見做されたこともあったらしいです。なるほどオサレなニューウェーブっぽい絵柄だったかなと、当時を思い出します。(ちなみに現在の漫画を見ていても、江口さんの影響は明らかです)

まあ、それは置いておいて。忘れてしまって。

ためしに、Amazonで『ぎゃる侍』6巻の表紙を閲覧してください。

ええ。
りっぱに少女まんがなんですよ……。
主人公・霧島蘭のクールな表情は、わりとスッキリして青年誌っぽく見えなくもないのですが、ふだんはデカ目、頭大きめに絵柄を崩してあって、少女まんがです。

「人の顔がコロコロ変わりすぎ」「線があらい」「センパイがオトコなのに目がでか過ぎ」「あきらかに頭の形やデッサンが崩壊している絵がある」……など、ツッコミどころは多くありますが、やっぱり少女まんがなんです。女の子たちに読ませることを前提に描かれている絵なんです。
雑誌掲載時、たまたま読んだ私は、まんまと騙されましたよ。
「絵柄が一定しないけどデビュー後数年くらいの、新人?」と、20代女性が描いているのだろうと、作者名を見るまでは思い込んでいましたよ!ねえ、満足!?

明らかにひどい絵もあるんだけど、明らかに凄く上手い絵もあるんです。むしろ、少女まんがっぽくする必要のない部分が、やったらと上手い。おっさんとか、ヤンキーとか、モブw。ダメ男の狼狽する描写なんか、最高に上手い(たっぷり江口臭がする)。雑に描きとばしている絵も、粗いけれどデッサンも演技もしっかりしています。

特筆すべきは、アクション。格闘シーンのテンションの高さ、見せ方、緊張感は、さすがベテランの技でございます。他の少女まんが家では、こうは描けないでしょう。

ちょっと持ち上げ過ぎでしょうか?
でも、考えてみてくださいよ。
(多少雑でも)少女漫画の絵で、
ギャルたちの日常や文化を折り込んで描かれた漫画を、
ギャル読者の女の子たちは、毎号楽しみに追いかけて
「わかる〜けっこーリアル」「ウチらも蘭みたくかっこよく生きたい」
などと、まっとうに読んでいたわけですよ。
推定40代の男性が描いた、少女まんがを。
すごいことじゃないですかーーー!


さて、畑違いの少女まんがらしさを出すため、末松先生は、そうとう無理して……いやいや努力してらっしゃるのが、作品のはしばしから伝わってきます。ほんとうに並々ならぬ努力を要しただろうと思います。他の作家さんの絵柄を様々に研究し、取り入れていることもわかります。その試みを読み解いていくのも、ひとつの楽しみ方かも知れません。


 私が眺めて推測できるだけでも、参考にされた作家は、井上雄彦・筑波さくら・上田美和or宮坂果帆・江川達也(敬称略)……他の人が見れば、もっとわかるんだろうな。これは絵柄をパクったのではなく、「影響された」と捉えることにします。各作家の「影響」をキャラクターになじませる手法が、5巻以降は比較的うまくいっており、絵が安定していてきれいに見えます。


ストーリーもぶっ飛んでいまして、ケータイ小説のようなあり得ないヒキもツッコミどころも満載なんですが……面白くて……グイグイ読んでしまいました………あああ

最後のほうはわりとよくまとまっていて、気持ちのいい大団円となりましたが、個人的に好きなのは愛美エピソードの終わり。蘭とベタベタ仲直りするのではない、一歩引いたハッピーエンドでした。