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■ 未練でもなく 愛でもなく 親切でもない
彼だった人が
ビルのリフォーム案を図面化してくれることになって
一日たった 昨日の土曜日。
図面化するにあたって詳細部を聞きたいから 夕刻にも電話する
という内容のメールがお昼頃に入りました。
夕刻なら
私は多分 車屋さんで
前から注文していたオプションを取り付けてもらっている はず。
別離してから 二度目の電話になるのです。
一度目は 彼が私のオフィスの近くに来る前日のことでした。
その話題に触れることなく
どう?元気してるか?
みたいな乗りで 一時間弱ほど
以前と変わらぬ
少なくとも私にとっては暖かに感じられる会話を交わしたのでした。
でも多分
彼には別の感情があった だろう電話だったのでした。
後日 その電話の本当の意味を知った私の
例えようのない
悔恨のような
感情。
そういうものが
ひとつづつ 私の中に用心深さを産み
その用心深さが 恐れを増幅してゆく。
彼だった人には 何の罪もないのだけれど、
私の中で勝手に成長してゆく 理不尽な思い。
あの別離の頃に 私が理解できなかった彼の恐怖も
きっとこんなからくりだったのだろうと
思うのです。
彼からの電話は
車屋さんから戻った直後に ありました。
私生活と仕事は 厳しいまでに分離する人でしたから
今回の電話の導入は
私が今まで体験したことのない ビジネスライクなものでした。
でも
この物件には ペイの発生はないのです。
時に混ざる
私の彼だった頃と同じ口調が
だんだんその頻度を増し
すっかり彼だった頃の口調に戻った頃には
電話は 一時間ほども経っていました。
物件は
実生活の上では 全く使われていないものでしたから
とても非合理的に設計されており、
つまり実用に向かない中途半端なゆとりの空間と
時代にそぐわない意匠の部分が邪魔をして
賃貸物件にするには 大幅な改装が必要だということでした。
ペイする金額で安価な改装をするくらいなら
そのままの状態で
ビル丸ごと借り上げてくれる会社を探した方がいいのではないか
というのが彼の率直な意見でしたが、
特殊なビルなので、
そんな借り手が見つかるとも思えません。
それでも彼は
二〜三のパタンを図面化し
それをファクシミリ送信してくれると言ってくれました。
電話の彼の感情を拾えば
私と同じ精神の乱れが おそらく私とは別の所からもたらされる理由で
彼にもあり、
それを私も 多分彼も 感じていて
とても不安定な精神のまま
ビジネスにならない ビジネスの話を 交わしたのでした。
どうしてこんな辛いことを 私達はしているのだろう。
そして
それは いつまで続くのだろう。
私も 馬鹿なのです。
痛みを引きずるようなものを
どうしてわざわざ欲するのか。
でも 理屈ではないのです。
彼にしても
ここ数ヶ月休日返上で働き詰めなのに
ペイすら発生しない余計な仕事を受けてしまった
答えの出ない不条理を
自問したかもしれません。
しかもそれは 未だ心のざわつく相手に対して為す行為。
未練でもなく 愛でもなく 親切でもない
強いて言えば
それは
過去の記憶がさせる 感傷なのかもしれません。
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2003年07月27日(日)
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