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■ 「ヒバクシャ 世界の終わりに」
あったかかったね。秋天好日。
朝っぱらから電車に乗って、出かけていった先は平和公園。 は、素通りして国際会議場へ。 どうでもいいけど国際会議場で国際会議をやってるという話を一度も聞いたことがない。ほんとどうでもいいですが。
「ヒバクシャ 世界の終わりに」っていう自主制作映画、もといドキュメンタリーを見てきた。
まじめぶっちゃってヤナ感じ? でも入場無料だし。映画選びに気を使わないでいいのは一人もんだけの特権でもある。
予想通りというか、同年代の姿など見当たらない。 つーか普通にガラガラ。1500人は入るホールに、せいぜい150人がいいとこか。 JICAとかの国際交流デー(?)と抱き合わせのイベントらしく、ほとんどが国際交流マニアのざーますババア風(偏見失礼)。
映画は、鎌仲さんという女性ジャーナリストが監督。 イラクの劣化ウラン弾汚染地域、アメリカのプルトニウム精製施設、そして広島と長崎の4ヶ所が登場して、「今もまさに進行している放射能汚染」をとりあげている。
それにしても。 あまりにもひどい、なさけない、くやしい、かなしい現実ばかり。 同時に、マスメディアがいかに「本当のこと」を伝えていないかを思い知った。悪意があるとは言わないが、彼らも知らない・知らされない現実が多いのだろう。
ドキュメンタリーといって、身構えてしまうのは僕だけじゃないはず。 どうもあの「正義の押し売り」みたいなノリが苦手なんだな。 でもこの鎌仲さんは、ヒステリックに主張したりせず、淡々と話を進めていて感じがよかった。
この映画で初めて知ったこと。 イラクでは湾岸戦争以来、経済制裁で薬が不足しているけど、中でも放射線障害で治療に必要な抗がん剤はまるで足りない。その理由が、
「抗がん剤の物質は大量破壊兵器に転用できるから」。
・・・なんですとー? ちなみにロケ時期は98年。今年の戦争が「終わって」半年、いまだにそんな兵器なんてカケラも見つかっていないわけだが。
それどころか、「大量破壊兵器」って皮肉でも言ってるつもりか。 今年の戦争で、新たに2000トンの劣化ウラン弾を投下したアメリカさん。
アメリカのハンフォード核施設のことは、たしか中国新聞の連載「負の遺産」でも取り上げてたな。
核兵器用のプルトニウムを造っていることすら40年間機密で、その結果施設から半径1マイル以内(“死のマイル”)の女性は全員流産を経験し、どの家族も半分以上をがんで失っているという事実。 それでも彼らはその土地に生きるしかなく、ジャガイモをつくりリンゴをつくり、できた作物の一番の買い手はわれらが日本。
放射能から来る障害は、症状に「定型がない」ことが唯一の定型なのだという。だから、政府側はいつだって「因果関係は不明」と逃げることができるというわけだ。
そして、最近の研究で、劣性遺伝の要素が強いことがわかってきたらしい。 劣性遺伝、つまり放射能を直接浴びたAさんの曾孫に、濃縮されて放射能障害が出る確率が高まるのだとか。
にわかに他人事ではなくなってきたのでびびる俺。
俺の祖父母は被爆者である(祖父はかなり前に亡くなったが)。 二人とも、あと2分投下の時間がずれていれば即死していただろう、というぐらいのバリバリの原爆体験者だが、幸いうちでは特に体の異常を感じる人間はいない。
でも、曾孫に出る確率が一番高いということは・・・ 俺の子供だよ(その前に結婚しろってツッコミはおいといて)。
もしそんなことになったら、アメリカ人もみんなトモダチなんて相変わらず言っていられるかどうか・・・まったく自信がない。
んなわけねーじゃん、と思う一方で、もしも・・・という気持ちはずっとついてまわるんだろう。 子供の子供にも、その子にも、またその子供にも・・・。
核兵器が悪魔の所業という、その意味はたぶんここらへんにあるのだ。
放射性物質ウラン235、半減期は45億年。 4,500,000,000年。
2003年11月16日(日)
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