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2003年05月30日(金)
彼と云って 触れもせず

あのとき危なかったよと云われて、そう修行が足りないのよと答えたはずだけども。わたしもあの時は危なかった。

こんな処絶対誰にも見られたくないねと交わしながら、それでも離れるのが厭だったので相手に足留めをしていた。

風が強くて相手の躯がすっと冷えているのが分かって、それでも離れるのが厭だったので相手に足留めをしていた。

不安で哀しくてどうしていいのかわからなかったから笑っていた。

寒さに血の気のひいた相手の躯が途方にくれて、喫茶店に入ってコーヒーであたたまって。めがねがずれているよと笑われて、途方にくれてめがねをはずした。

目の上のクマはシャドウなのに、目の下のクマはなぜ滑稽なのだろう。


影響されやすい自分を嘲っていた。そうすれば、赦されると思ったんだ。