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2004年08月30日(月) ■ |
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Predator's Gold(Philip Reeve)@26/35章 |
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●読書中:Predator's Gold(Philip Reeve) / US版@26/35章 第二部は、離れ離れになったトムとへスターを交互に追う。ジェニー・ハニヴァー号に乗って移動都市アンカレッジを飛び立ったヘスターは、アークエンジェル(Arkangel)へ向かう。アークエンジェルは他の移動都市を襲って金品を奪い、住人を奴隷に売り飛ばして暮らしている巨大な"Predator City"。ヘスターはアンカレッジの居場所とルートの情報を売るつもりでやってきたのだ。アークエンジェルのMasgardは美しい伝説の都市アンカレッジに興味を示し、アンカレッジを襲う時には報酬を受け取りに来いと言った。"私はPredator's Gold(奪った金品)には興味はない。私はトムが欲しい。Tom Natsworthyこそ私の黄金(Predator's Gold)そのもの、とヘスター。
ところがその頃、トムはまた別のトラブルに巻き込まれていた。 北方の都市には、都市に寄生して金品を奪ってひそかに去っていく"パラサイト"の存在が知られている。アンカレッジには"パラサイト"の首領「アンクル」によって派遣された3人の「ロスト・ボーイ(泥棒のプロの少年たち)」が居た。その中のひとりコール(Caul)は、トムやへスター、アンカレッジの町の人たちを好ましく思っていた。コールは町中に仕掛けた盗撮用カメラを通してへスターとトムの仲違いの次第を知り、トムの元へ駆けつける。見知らぬ少年が突然現れて驚くトム。 首領アンクルからトムを連れて来いという命令を受けて、コールと仲間たちはトムを連れて"パラサイト"の根城・海中都市グリムスビーへ・・・。
自分の頭が整理されるから、(面白く読めてる本なら)あらすじを書くのは結構好きなんだけど、途中でいいところまでくると途端にめんどくさくなるんだよな・・・。(^^; 第二部の途中まで。おもしろい。なんとか今月中に読み終われるかな。トムとへスターは第2部の最後で再会するようだけど、あれだけ大騒ぎしてケンカ別れした割に、よりを戻す時はあっという間! コールの方もグリムスビーへ帰ってから色々あって大変そう。このシリーズは"Hungry City Chronicles"という名前なのだけど、このシリーズの主役は街そのものなのかもしれない。アンカレッジ、グリムスビー、エアヘヴン、アークエンジェル。色んな種類の街があって、自体が生き物みたいに、生き残りをかけて勢力争いをしているみたい。グリムスビーのアンクルってキャラクターの毒気がなかなかスゴイ。こういう嫌なキャラがさりげなく脇役(敵役ではナイ)で出てくるあたり、筆力のある作家だなー、と思った。
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2004年08月29日(日) ■ |
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『Deep Secret』と『花の魔法、白のドラゴン』 |
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●読書中:花の魔法、白のドラゴン(ダイアナ・ウィン・ジョーンズ) 原書≫The Merlin Conspiracy 厚さ3センチ、566ページ! すごい分厚いなぁ。早速読み始めてみる。この作品は原書が新刊で出た頃に読んだけどよく分からなかったので、翻訳が出たら読みなおそうと思ってたのだ。表紙が素敵、原書より好き!
後書きに延々と【Deep Secret】のことが書いてあるのには笑ってしまった。訳者さん、必死!! >本書は英国でも『Deep Secret』とは別の出版社から出版され、シリーズと銘打たれたものではない、独立した作品 >『Deep Secret』はコンピュータ・プログラマーの男性が主人公の、大人向けの作品
だから、"Deep Secret"を飛ばして"The Merlin Conspiracy"の翻訳を出しても問題ないって言いたいのか。だーかーらーあ、そうやって未翻訳の本について延々とフォローせざるを得ないっていうのが、"Deep Secret"の続編だって証拠だと言ってるんでしょうがッ! そんなの全然、理由になってないって言うのよ! ばかやろー! 両方読んだのなら分かりきってるじゃない、『花の魔法、白のドラゴン』は"Deep Secret"の続編なんだってば。原書でそれぞれ出版社が違うのなんて理由にならない。それぞれ独立していて「シリーズではない」なんて、そんなのクレストマンシーだってハウルだって同じだ。"Deep Secret"は主要人物が「大人」で「プログラマー」だから、飛ばしてもいいのか? コンピュータープログラマーだからなんて、そんな本筋に全く関係のないことを理由に"Deep Secret"を抹殺されちゃたまらないよ。「大人向け」って言うけど、私が思うに、この2作は特殊用語や話の雰囲気や文章の特徴に共通点が多い。他の作品とは違う、この2作に共通する特徴がちゃんとある。それが「シリーズ」ってことじゃないのか? 「個別に読んでも面白い=だから後発の作品から出してもOK」ってどういうことよ? それファンをなめてるよ。もう、絶対許せない。 しかも、うわさでは徳間書店のDWJ翻訳ラッシュはこれで終わりだって? 私の大好きな"Deep Secret"を抹殺しやがって、私の恨みは深いッ! ジョーンズさんがいいと言ったのだとしても、私が許せないんだよ! これで"Deep Secret"が創元社から文庫で出て、版型が揃わなかったらどうしてくれるんだ!? 無視かー? 知ったことじゃないってかー? 責任取りやがれ! さっさと『Deep Secret』の翻訳を出して「シリーズ」と認知しろ! 徳間書店が許せない! ええ、翻訳者さんのせいじゃないことはよく分かってるので、悪いのは徳間書店の編集部だ。誰か何とかしろー!
私、本気で怒り狂ってますんで。そういうわけで、私のオススメの読み順はDeep Secret⇒『花の魔法〜』です。 この2作は「ハウル」と「アブダラ」と同じくらいの繋がりがある、シリーズものです。<ブレスト>という世界は『花〜』のオリジナルで、それよりも基本的な部分の設定と、主人公のひとりであるニックについての話が"Deep Secret"からそのまま引き継がれているという関係。なので、それぞれ単体でもストーリーを追うのは問題ないけれど、『花〜』のニックの言動は、すべて"Deep Secret"を踏まえています。そもそも、ニックがブレストにいることそのものが、すでに"Deep Secret"の明らかなネタバレ。引き継がれているものは後書きに書いてある以外にも色々あります。ハウル2作をシリーズものとして売っておいて、こちらは「別々の作品だ」なんて矛盾してます。順番通りに読んだ方が、あちこちピンと来るところがあって絶対に面白いと私は思います。
●アマゾンから到着 和書1冊¥2520 その他1冊¥560 花の魔法、白のドラゴン(ダイアナ・ウィン・ジョーンズ)¥2400 幻月楼奇譚(今市子) コミック¥533
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2004年08月27日(金) ■ |
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Predator's Gold(Philip Reeve)@18/35章 |
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●読書中:Predator's Gold(Philip Reeve) / US版@18/35章 第1部はこの18章までで、以下、第2部(19〜28章)、第3部(29〜35章)と続く。 【8/23】の続き。移動都市「アンカレッジ」に不時着したジェニー・ハニヴァー号。トムとヘスター、ペニーロイヤル教授はアンカレッジを治める女侯爵フレイアと残り少ない町の人たちに歓迎される。歴史家の見習いだったトムはフレイアの創った博物館の管理を依頼され、ペニーロイヤル教授は死の大陸(アメリカ)へ行ったことがあるという経験を買われて、祖国の大陸を目指すアンカレッジの航海士長に任命される。 トムと教授がアンカレッジに馴染んでいく中、ヘスターはひとりアンカレッジを早く離れたいと願っていた。幼い頃からひとりで生きてきたヘスターは移動都市に住んだ経験がなく、贅沢な建物、豊かな食事など居心地が悪いだけ。ヘスターにとってはジェニー・ハニヴァー号こそが家で、トムと二人きりで空を飛ぶ毎日は、生まれて始めて得た幸せだった。トムに色目を使う女侯爵フレイアは大嫌いだし、こんな町は早く離れたい。ヘスターはジリジリしながら飛行場でジェニー・ハニヴァー号の修理を見守る。 そして、何日も過ぎた。ヘスターは飛行場でジェニー・ハニヴァー号の修理を見守り、トムはフレイアと一緒に博物館へ。世界有数の移動都市「ロンドン」で教育を受けたトムを"自分に相応しい"と決めた女侯爵フレイアは、トムを頻繁に自分の館に招き、「ブスなガールフレンド」と引き離そうとしていた。雪嵐の吹き荒れる夜、フレイアはトムひとりを夕食に招く。すすめられるまま酒に酔ったトムは正体を失い、フレイアに迫られて・・・・。それを、その時偶然(!)尋ねてきたヘスターがドアの外から目撃してしてしまう。誤解が積み重なった結果、ヘスターは「トムとはもう終わりなのか」と嘆き悲しんで、そのまま修理が終りかけた状態のジェニー・ハニヴァー号で雪嵐の夜空を飛び立った。 一方、自室のベッドに倒れ込んだトムは、見知らぬ少年に叩き起こされて・・・。 *アンカレッジはアメリカ合衆国アラスカ州の都市名。移動都市アンカレッジは現在グリーンランドのあたりにいて、北米大陸にある「故郷」へ向かって驀進中。
あらら、フレイアってもしかして、ものすごく嫌な奴? まるまると太ってて、ワガママで、自分のために世界が動いていると思ってる女、って。スゴイこと言われてるよ! ヘスターがジェニー・ハニヴァー号でアンカレッジを飛び立った後、トムが嘆く所のフレイアの反応もすごい。おいおい、そんなこと言ったらトムに嫌われるに決まってんでしょ! ヘスターのことを始めから「取るにたりないブス女」と決めてるから、ヘスターが居なくなってトムが嘆くのを理解できないと。うーん。 と、第1部はこういう話なので、実は全然面白くなかった。アンカレッジの町の様子も詳しく描かれていないし、ヘスターとトムがすれ違っていくのを延々と描いただけ。オーケー、つまり第1部全部かかって、ガッチリとカップリングしてたトムとヘスターを引き離したわけね。で、作者の目的は一体・・・。
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2004年08月25日(水) ■ |
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探偵伯爵と僕(森博嗣)読了 |
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●読了:『探偵伯爵と僕』ミステリーランド(森博嗣) ≫感想はこちら 夏休み直前、新太は公園で出会った、夏というのに黒いスーツ姿の探偵伯爵と友達になった。奇矯な言動をとるアールと名のる探偵に新太は興味津々だ。そんな新太の親友ハリィが夏祭りの夜に、その数日後には、さらに新太の親友ガマが行方不明に。彼らは新太とともに秘密基地を作った仲間だった。二つの事件に共通するのは残されたトランプ。そしてついに新太に忍びよる犯人の影!
なかなかおもしろかった。 これは、またもや夏休みの話だ! ミステリーランドでは夏休みによく事件が起こるらしい。「子供の頃の思い出=夏休み」とインプットされてる作家が多いのかな。 主人公の馬場新太(小学生)の友達2人が行方不明になり、新太が探偵伯爵とともに事件の謎を解こうとするミステリー。ミステリーランドの他の作品と違って、本書は本当に「事件」があるのが印象的だった。誘拐や殺人事件が主人公の目の前で実際におきてしまう、この容赦のなさが森博嗣氏らしいとか? 実際に小学生に感想を聞いてみたいな。あと、どこから見ても「児童書」のこの本、森博嗣のファンの方の評価はどうなんでしょう。
≪講談社ミステリーランドの"夏休み本"≫ ★=好きな本 くらのかみ(小野不由美)★ 虹果て村の秘密(有栖川有栖)★ ぼくと未来屋の夏休み(はやみねかおる) 黄金蝶ひとり(太田忠司) 探偵伯爵と僕(森博嗣) ≫感想はこちらから
▲トリビアの泉 今日のMFTは、芝刈り機が芝を刈る音だけのCDがある ≫「Suburbia Volume 1」ジェフ・マースランド(2000年、ニュージーランド)
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2004年08月24日(火) ■ |
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象と耳鳴り(恩田陸)@曜変天目の夜 |
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●読書中:『象と耳鳴り』祥伝社文庫(恩田陸) ミステリ界“奇蹟”の一冊 「あたくし、象を見ると耳鳴りがするんです」退職判事関根多佳雄(せきねたかお)が立ち寄った喫茶店。上品な婦人が語り始めたのは少女時代に英国で遭遇した、象による奇怪な殺人事件だった……。表題作をはじめ、子供たちの会話、一枚の写真、携帯電話など、なにげないテーマに潜む謎を、鮮やかな手さばきで解き明かす論理の芳醇なる結晶。幻惑と恍惚の本格推理コレクション! 目次:曜変天目の夜 新・D坂の殺人事件 給水塔 象と耳鳴り 海にゐるのは人魚ではない ニューメキシコの月 誰かに聞いた話 廃園 待合室の冒険 机上の論理 往復書簡 魔術師
≪曜変天目(ようへんてんもく)の夜≫ ―きょうは、ようてんへんもくのよるだ。 語り手の関根多佳雄が、曜変天目の茶碗を見に美術展へ行ったことから昔の記憶が蘇り、10年前に「病死」した友人・酒寄順一郎の死の真相を推理する話。彼の死は、本当は自殺ではなかったか・・・? * 曜変天目, 窯変
作者が世田谷の美術館へ、曜変天目の茶碗を見に行った経験がベースになっているのだそうな。妻と娘に囲まれた現在の「ごく普通のおじさん」が、死んだ旧友のことを思い出している・・・という、まぁどうってことない短編。昔の記憶と現在が入り交じった文章で、語り手の内面をそのまま文章にしたみたいな感じ。
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2004年08月23日(月) ■ |
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Predator's Gold(Philip Reeve)@9/35章 |
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●読書中:Predator's Gold(Philip Reeve) / US版@9/35章 *表紙はHC、タイトルはPBへ *"Hungry City Chronicles"2巻。1巻は【Mortal Engines】 【8/7】の続き。1章は北方を主な活動場所とする古いTraction City(エンジンで動く可動式の町)のひとつ、アンカレッジの若き女侯爵フレイアちゃん(16歳?)の話だった。2章からは前作の主人公だった2人トムとヘスターの話になり、6章でアンカレッジに合流する。
2章。空に浮かんだ飛行艇乗りと商人たちの町エア・ヘヴンに滞在中のトムとヘスター。 前作からは2年以上の時が流れており、トムとヘスターは恋人同士を通り越して、もうすっかり「夫婦」。2人がエア・ヘヴンを離れようとした時、ねぐらである飛行機ジェニー・ハニヴァー号の前に見知らぬ男が立っているのを見つける。彼は歴史家のペニーロイヤル教授(Pennyroyal)と名乗り、外国へ行きたいのでジェニー・ハニヴァー号に乗せて欲しいと言う。ヘスターは嫌がるが、同じ歴史家であるトムはペニーロイヤル教授に興味を覚え、教授と共に3人でエア・ヘヴンを出発する。 ところが、ペニーロイヤル教授はエア・ヘヴンに来るまでに乗っていた他の飛行機に払うべき運賃を踏み倒していたらしく、さらに教授が乗った次の飛行機が、よりによって(あの有名な)ジェニー・ハニヴァー号だったこともあって、追っ手がかかってしまう。 追っ手に撃墜されて、雪の荒野に落ちてしまったジェニー・ハニヴァー号。ケガをした教授を抱えて、トムとヘスターが困っていた時、ビーコンを発していないTraction Cityに命を救われる。それがアンカレッジ、16歳(?)の女侯爵の治める、50人に満たない住人を抱えたゴースト・タウンだった。
さてさて、面白くなってきたぞ。トムとヘスターがちゃんと成長してて嬉しいな。前巻の終り方から予想はしていたけど、ちゃんと2人で助け合って生きてきたようだし。この時代にも戸籍とか結婚届なんてあるのか? 2巻に入ってからのヘスターは相変わらず容姿について悩んだりしてて、純粋なのは変わらないのだけど、なんだか「いつママになっても大丈夫!」みたいな妙な迫力を感じてしまうんですが(笑) よいよい。 アンカレッジの女侯爵フレイア(Freya)ちゃん。箱入り娘すぎて自分の町の現状が全然見てないみたいだね。でもヘスターとトムと出会ったから、触発されたら面白いことになるかな。ペニーロイヤル教授はねー。とっても胡散臭いけど、能力はあるんじゃないかと思う。話の流れから言って教授の「死の大陸(現・北アメリカ大陸)に緑の大地を見た」という話は本当なんだろうし。
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2004年08月20日(金) ■ |
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MAZE(恩田陸)読了 |
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●読了:MAZE(恩田陸) 内容(「BOOK」データベースより) アジアの西の果て、白い荒野に立つ矩形の建物。いったん中に入ると、戻ってこない人間が数多くいると伝えられている。その「人間消失のルール」とは?謎を解き明かすためにやってきた4人の男たちは、果たして真相を掴むことができるのか?異国の迷宮を舞台に描かれる、幻想的な長編ミステリー。
【puzzle】と同系統のミステリか。少しホラー風味。パズルよりはだいぶおもしろかった。
●買った本@ブックオフ 和書2冊¥550(割引¥100) ドミノ(恩田陸)¥350 ライオンハート(恩田陸)¥350
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2004年08月19日(木) ■ |
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水晶の夜、翡翠の朝(恩田陸)読了 |
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●殺人鬼の放課後 : ミステリ・アンソロジー 2(恩田陸) ≪目次≫ 水晶の夜、翡翠の朝(恩田陸) 攫われて(小林泰三) 還って来た少女(新津きよみ) SEVEN ROOMS(乙一)
恩田陸の「水晶の夜、翡翠の朝」 読了。 【麦の海に沈む果実】の主人公の彼氏、ヨハンを主人公にした短編。理瀬が学園を去った年の夏が舞台で、ヨハンは「この学校にいるのもあと1年くらいだろう」と言いながら、刺激の少ない学園の生活が退屈でしょうがない。そんな夏のある日、学園で『笑いカワセミ』というゲームが流行する。連続して起きる悪質なイタズラ・・・犯人の狙いはどこに?
いいね〜、こういう話好き。ヨハンが、どうも「ツーリング・エクスプレス」のゾフィー・クリスティーネとかぶって見えてしょうがない。同じタイプだ。最後のにっこり笑って、ザックリ刺すところとか、人を使いなれてるところとか・・・。まったく、末恐ろしいガキだ(^^; いつかヨハンの家の跡目争い騒動の話が読みたいな〜。理瀬とうまく行けば、当然結婚式があるんだろうし。うわぁ、ワクワクする。舞台はヨーロッパでお願いします! あ、恩田陸以外の3作には興味がないので、興味がわくまで読まないと思う。
●アマゾンから到着 和書2冊¥2284 黄昏の百合の骨(恩田陸)¥1700 殺人鬼の放課後 : ミステリ・アンソロジー 2(恩田陸)¥476
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2004年08月18日(水) ■ |
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荒野のコーマス屋敷 : メニム一家の物語 2(シルヴィア・ウォー) |
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●読書中:Mennyms in the Wilderness(Sylvia Waugh)@21/50章 翻訳≫『荒野のコーマス屋敷 : メニム一家の物語 2』 内容(「BOOK」データベースより) ケイト伯母さんが縫いあげた等身大の見事な人形たち。屋敷の主として人間同様に暮らす、愛すべきメニム一家の物語『ブロックルハースト・グローブの謎の屋敷』に続く、注目の話題作。ブロックルハースト・グローブが壊される…。メニムー家にまたまた舞いこんだ一通の手紙…。高速道路建設計画が、住みなれた屋敷を直撃する。やむをえずコーマス屋敷に引っ越したメニムたちの目前には、見渡すかぎりの荒野が広がって―。ガーディアン児童文学賞受賞作家の傑作、メニムシリーズ第二弾。 *現在は絶版になっています。
先週あたりから少しずつ読んでいたが、昨日で夏休みが終ったので本腰を入れて。もう少しで半分か。 【メニム一家の物語】2巻目は、1巻で大騒ぎになったあのアルバート・ポンド氏からまた手紙が来た! というシーンから始まる。今度は本物の人間(英国人)。ケイト大伯母の霊がアルバートの夢枕に立ち、ブロックルハースト・グローブの上を通る高速道路の建設計画が持ち上がっているため、メニム一家が危機に瀕していると警告していった。生きた人形というケイト伯母さんの言葉が最初は信じられなかったが、メニム一家の手助けをする約束をしたのだという。 メニム一家は最初「どうせまたアップルビーのイタズラでしょう?」と思うが、アップルビーは「今度は私じゃない!」と主張。アルバートにそれぞれがこっそり返事を書いた結果、「今回は本物」と納得するメニム一家。 高速道路の話は確かにケイトの言った通りに計画された。ブロックルハーストグローブが町中の注目を集める前に、一時的にでもどこかへ避難しなくてはならない。アルバートのすすめに従って、メニム一家は郊外にある田舎屋敷・荒野のコーマス屋敷へ引っ越すことに・・・。コーマス屋敷はアルバートの先祖が住んでいたという古い家で、街中で暮らしてきたメニム一家は、周りが荒野という寂しい環境、屋敷の設備の古さに慣れず、時が立つうちに徐々に家族はバランスを崩していく。
もう、メニム一家って本当の人間と変わらないね。(^^; 何でもできるし、ちゃんと成長するし。「人形である」という秘密を守るために、他の人と親しく交われないとか、事故に遭っても大怪我をしなくてすむとか・・・そういう普通の人と違うところは、彼らの個性になってしまってるのね。ストーリーも普通の家族に置き換えても変じゃないよなぁ、と読みながら思った。私はブルーメニムのSoobieがお気に入りなんで、いつも冷静なSoobieまでバランスを崩していくのがちょっと意外&楽しい。ふーん。作られて40年といっても、メニム一家はみんな究極の「箱入り」なわけだし。そういう意味では、寡黙で主張の弱そうなお父さんJoshuaが、実は一番強いのかもしれない。
●買った本@ブックオフ 和書8冊¥2655(¥50割引) 素晴らしき休日 : 上と外 1(恩田陸)¥105 緑の底 : 上と外 2(恩田陸)¥250 みんなの国 : 上と外 6(恩田陸)¥300 木曜組曲(恩田陸)¥300 MAZE(恩田陸)¥300 図書室の海(恩田陸)¥750
死者の身代金 : 修道士カドフェルシリーズ 9(エリス・ピーターズ)¥350 憎しみの巡礼 : 修道士カドフェルシリーズ 10(エリス・ピーターズ)¥350
下の2冊は家族のもの。恩田陸祭りは続く。
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2004年08月17日(火) ■ |
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puzzle(恩田陸)読了 |
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●読了:『puzzle』祥伝社文庫(恩田陸) ≫感想はこちら 内容(「BOOK」データベースより) 学校の体育館で発見された餓死死体。高層アパートの屋上には、墜落したとしか思えない全身打撲死体。映画館の座席に腰掛けていた感電死体―コンクリートの堤防に囲まれた無機質な廃墟の島で見つかった、奇妙な遺体たち。しかも、死亡時刻も限りなく近い。偶然による事故なのか、殺人か?この謎に挑む二人の検事の、息詰まる攻防を描く驚愕のミステリー。
う〜ん。おもしろくなかったとは言わない。けど、最初に読んだのがこの本だったら、恩田陸にハマることはなかっただろなー、って感じの本(笑) 祥伝社の400円文庫の書き下ろし推理小説。全体が「ピース(piece)」「プレイ(play)」「ピクチャー(picture)」の3つのパートに分かれているという、変わった形をしている。ジグソーパズルの形をした小説を試しに書いてみた習作というか、実験小説のような印象。ミステリーとしてはハッキリ言ってクソだし(失礼!)、作品の完成度も低いと思うけど、形がなかなかおもしろい。
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2004年08月16日(月) ■ |
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麦の海に沈む果実(恩田陸) |
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●読了:『麦の海に沈む果実』講談社文庫(恩田陸) ≫感想はこちら 内容(「BOOK」データベースより) 三月以外の転入生は破滅をもたらすといわれる全寮制の学園。二月最後の日に来た理瀬の心は揺らめく。閉ざされたコンサート会場や湿原から失踪した生徒たち。生徒を集め交霊会を開く校長。図書館から消えたいわくつきの本。理瀬が迷いこんだ「三月の国」の秘密とは?この世の「不思議」でいっぱいの物語。
おもしろかったー! 今のところ恩田陸ではこれがベストかな。【六番目の小夜子】や【球形の季節】でもお馴染みの「学校の中に鬼 / 魔女がいる」「学校そのものが謎を秘めている」というテーマの、一つの極という感じ。【三月は深き紅の淵を】を読んでないとピンと来ないところがあるから、始めての本にもいいかどうかは疑問だけど、「学園もの」と聞いてわくわくする人は読んでみて間違いないです。
読み終わってすぐ『黄昏の百合の骨』と『殺人鬼の放課後 : ミステリ・アンソロジー 2』を注文してしまった。恩田陸の本は今までずーっとブックオフで(100円か定価の半額で)買っていて、定価で買ったことはなかったんだけど・・・。『麦の海に沈む果実』は内容紹介を見た時から「これを読んだら、『黄昏の百合の骨』を即買いしちゃうだろうなー」と思ってたら、本当にその通りになって大笑い。まったくもう!
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2004年08月15日(日) ■ |
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蛇行する川のほとり 1・2・3(恩田陸)読了 |
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●読了:『蛇行する川のほとり 1・2・3』(恩田陸) ≫感想はこちら ひとつの話をしよう。 目を閉じれば、今もあの風景が目に浮かぶ。 ゆるやかに蛇行する川のほとりに、いつもあのぶらんこは揺れていた。 私たちはいつもあそこにいた…。 あの夏、あの川のほとりで、少女達に何が起きたのか? 彼女たちは、何かを隠している。何か大きくて、重く冷たいものを…。運命の歯車が回り始めた。あの遠い夏の日と同じように…。毯子の過去に隠された驚愕の真実とは!? 書き下ろしミステリー3部作。
薄い新書のミステリー3部作。レイ・ブラッドベリの少女版みたいな感じ。 夏休みに始まり、夏の終わりと共に終る話なので、今の時期にピッタリだった。夏休みの開放感、夏の明るい日差しと事件の暗闇の対比がよかった。3冊まとめて繋がった一つの話なので、読むなら3冊揃えてから読み始めたほうがいいかも。奥付によると出版された時は4ヶ月おきに出たらしいけど、リアルタイムで読んでた人は待つのが大変だっただろうな〜。
●買った本@ブックオフ 和書5冊¥1155 蛇行する川のほとり 1(恩田陸)¥105 蛇行する川のほとり 2(恩田陸)¥250 蛇行する川のほとり 3(恩田陸)¥250 puzzle(恩田陸)¥250 不安な童話(恩田陸)¥300
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2004年08月14日(土) ■ |
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ネバーランド(恩田陸)読了 |
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●読了:『ネバーランド』集英社文庫(恩田陸) ≫感想はこちら 内容(「BOOK」データベースより) 舞台は、伝統ある男子校の寮「松籟館」。冬休みを迎え多くが帰省していく中、事情を抱えた4人の少年が居残りを決めた。ひとけのない古い寮で、4人だけの自由で孤独な休暇がはじまる。そしてイブの晩の「告白」ゲームをきっかけに起きる事件。日を追うごとに深まる「謎」。やがて、それぞれが隠していた「秘密」が明らかになってゆく。驚きと感動に満ちた7日間を描く青春グラフィティ。
おもしろかった。恋愛ナシのタクミくんシリーズ(ごとうしのぶ)みたいな話。ってことは『ここはグリーンウッド』(那州雪絵)にも似てるってことだけど、深読みするまでもなくあちこち地雷だらけ。寛司が美国に時々言ってるセリフとか、統の本心はどこにあるんだろうとか、想像すると色々面白くてしょうがない。4人のキャラクターの個性がぶつかり合ったり離れたり、綱引きをしながらバランスを保つ様子が「青春」なカンジ。これも恩田陸なんだなぁ。
▲花の魔法、白のドラゴン(ダイアナ・ウィン・ジョーンズ)の表紙 bk1より。
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2004年08月13日(金) ■ |
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月の裏側(恩田陸)読了 |
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●読了:『月の裏側』幻冬舎文庫(恩田陸) ≫感想はこちら 九州の水郷都市・箭納倉。ここで三件の失踪事件が相次いだ。消えたのはいずれも掘割に面した日本家屋に住む老女だったが、不思議なことに、じきにひょっこり戻ってきたのだ、記憶を喪失したまま。まさか宇宙人による誘拐か、新興宗教による洗脳か、それとも?事件に興味を持った元大学教授・協一郎らは“人間もどき”の存在に気づく・・・。
これはホラーですね、完璧に。夏らしくて大変よろしい! テーマや雰囲気は【屍鬼(小野不由美)】あたりと同系列で、九州の田舎町・箭納倉(やなくら)の町の住人が「何か」に「盗まれて」、そっくり入れ替わっていく話。『盗まれた街』(ジャック・フィニィ)のオマージュとして書かれた作品で、恩田陸のファンにはあまり受けが良くないらしいけど、私はおもしろかった。
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2004年08月12日(木) ■ |
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さかしま砂絵 : なめくじ長屋捕物さわぎ(都筑道夫)読了 |
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●さかしま砂絵 : なめくじ長屋捕物さわぎ(都筑道夫) ≫感想はこちら 内容(「BOOK」データベースより) 雨がそぼ降る日暮れ時、本所を歩いていた若旦那が「おいてけえ」の声とともに消えうせた。これぞまさしく本所七不思議「置いてけ堀」!?とくれば、江戸の怪事件を見事に解決してきた砂絵かきのセンセーの出番だ。その真相は?切れ味鋭い推理、あっと驚く結末、精緻な江戸の風物描写で読者を魅了しつづける傑作シリーズ第11弾。 目次≫白魚なべ 置いてけ堀 はて恐しき 六根清浄 がらがら煎餅 蚊帳ひとはり びいどろ障子
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2004年08月11日(水) ■ |
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箱根 / 星の王子さま(サン=テグジュペリ) |
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8/10、11と一泊で箱根へ行ってまいりました。先週頃、突然決めたにしてはお宿もマトモで、前々日に用意したガイドブックが大活躍の充実した2日間でした。 何度も行ってる場所なのに、知らない所って結構沢山あるもんだなぁ。今回行った場所は、箱根サン=テグジュペリ 星の王子さまミュージアム / 箱根ガラスの森 / 箱根彫刻の森美術館 / 箱根小涌園 ユネッサン ほか。 「箱根サン=テグジュペリ 星の王子さまミュージアム」は、先週の世界ふしぎ発見「空に消えたサン=テグジュペリ 星の王子さまを探して」に刺激されて、絶対行きたい!と思っていたところ。美しい庭と、「星の王子さま」に出てくるもの(砂漠の井戸とか)、敷地内にはパリの町並みやサン=テグジュペリの生家を復元したものなどがあって楽しかった! それで、「ふしぎ発見」の放送中に出て来たサン=テグジュペリの生涯や、星の王子さま誕生にまつわるエピソードは、ほとんど全部、星の王子さまミュージアムの受け売りだということが分かった。あの日の放送には「なかなか詳しいなぁ」って感心したのに、「ふしぎ発見」がやったのは裏付け捜査と砂漠のロケだけだったとは! *星の王子さま公式ホームページ
●読了:星の王子さま(サン=テグジュペリ) そういうわけで、昨日〜今日に読んだ本はこれ。この本は読む度に印象が変わる。 この本を始めて読んだ(?)のは3才か4才頃だそうで、つまり親が読み聞かせてくれたのが最初の出会いなんだが・・・その頃は小さすぎて、そもそも"これは作ったお話(フィクション)だ"という見分けがついていなかった(^^; 小さな王子さまの小さな星が、空のどこかにあるんだと頭から信じていたわけで・・・最初の印象っていうのはかなり強くて、これは今でもちょっと引きずってる気がする。その後も"バオバブって怖い!"だったり、"なんか変な人たちがたくさん出てくる話"だったり・・・中高生になってようやく「かんじんなことは、目に見えないんだよ」に共感したと。
今回は久しぶりに読んで、ずいぶんと哲学的な話だったんだな、と驚いた。王子さまが「ヒツジの絵をかいて!」と言うけど、どうしてヒツジなの?とか。"箱の中のヒツジ""天からやってくる王子さま"とか。最後の"自分の星に帰ってゆく"とは? 日本語でも死ぬことを「星になる」なんて言うけど、全体に死の影が漂っている気が・・・。 それに、次々出てくる動植物や、変な人たちにもそれぞれ象徴するものがあるんだろうなと・・・。星の王子さまミュージアムの展示の終わり近くに書いてあった「バラの花=(仲のよろしくなかったサン=テグジュペリの)奥方=故国フランス」の比喩であろう、という説には共感。最後の方で王子さまが「ぼくは、あのバラの花との約束をまもらなけりゃいけない」と言うけど、サン=テグジュペリはこの本を書いた直後に亡命先のニューヨークから、ナチスドイツ占領下のフランスに帰国するんだよね・・・。色々深いです、この本は。原書で読みたいなぁ・・・。
基本事項:フランス貴族の長男に生まれたアントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ(1900-1944)が、地中海で消息を絶つ前年の1943年に(亡命先の)アメリカで最初に出版された。原題は"Le Petit Prince(小さな王子さま)"で、日本語のタイトルにある「星」という言葉は原タイトルにはない。
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2004年08月10日(火) ■ |
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第六大陸 2(小川一水)読了 |
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●読了:第六大陸 2(小川一水) 内容(「BOOK」データベースより) 天竜ギャラクシートランスが開発した新型エンジンを得て、月面結婚式場「第六大陸」建設計画はついに始動した。2029年、月の南極に達した無人探査機が永久凍土内に水の存在を確認、もはや計画を阻むものは存在しないかに思われた。だが、再起を賭したNASAが月面都市建設を発表、さらには国際法上の障壁により、「第六大陸」は窮地に追いやられる。計画の命運は?そして、妙が秘めた真の目的とは。
1巻に続いて2巻は、徐々に出来上がって一歩ずつ完成に近づいて行く「第六大陸」と、NASAを始めとする各国の宇宙航空関係の公的機関が対立したり、協力していく様子が描かれる。国際法に絡んだ訴訟問題も出てきて、ますますリアルに。 技術的な説明がとーっても多いのに引っかかって「話に入り込む」までは行かなかったけど、客観的に評価すると確かにおもしろい本だった。淡々と技術的な裏付けを描いて行くことで、私も読んでいるうちに「人類が月へ行き、月面結婚式場を建造する」のは不可能ではないと思えてきてしまった。多分この本はそれが主目的なのだろうから、これはこれでいいんだろうな。もちろんフィクションや希望的観測の部分も沢山あったけど、「月に民間施設を建てる」という基本的な所にはウソはないそうだし。
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2004年08月09日(月) ■ |
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第六大陸 1(小川一水)読了 |
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●読了:第六大陸 1(小川一水) *第六大陸 2 内容(「BOOK」データベースより) 西暦2025年。サハラ、南極、ヒマラヤ―極限環境下での建設事業で、類例のない実績を誇る御鳥羽総合建設は、新たな計画を受注した。依頼主は巨大レジャー企業会長・桃園寺閃之助、工期は10年、予算1500億、そして建設地は月。機動建設部の青峰は、桃園寺の孫娘・妙を伴い、月面の中国基地へ現場調査に赴く。だが彼が目にしたのは、想像を絶する苛酷な環境だった―民間企業による月面開発計画「第六大陸」全2巻着工。
漢字が多くて難しかったけど、なかなか面白かった。 日本の民間企業「御鳥羽総合建設」が月面基地を作る話。月だからジャンルはSFってことなんだろうけど、私が知ってる本の中では死都日本(石黒耀)が一番近い。描写が事実に基づいていて具体的で、機械や工事の様子が見てきたように次々と描かれる。さらに主人公が(この場合は建築会社の)専門家なのも同じで、語り手の青峰走也と施工主・桃園寺妙を中心に、たくさんの「夢に燃える人たち」が工事に関わっていく。全2巻なので、そのまま2に続くんだが・・・それならどうして上下巻にしないんだ? それとも3巻以降も続く可能性があるってこと?
▲近刊:The Golem's Eye : Bartimaeus Trilogy 2(Jonathan Stroud) 『サマルカンドの秘宝 : バーティミアス 1』(ジョナサン・ストラウド)の2作目は来月(2004年9月)発売らしい。表紙が凄い。 一番安い版はこれかな。インターナショナル版のペーパーバックかな。
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2004年08月08日(日) ■ |
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3周年 / いつか、ふたりは二匹(西澤保彦)読了 |
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▲おかげさまで 今日でClub Chantは3周年です。明日から淡々と4周目に入ります。これからもどうぞご贔屓に。
●読了:いつか、ふたりは二匹(西澤保彦) ≫感想はこちら 講談社ミステリーランド(第四回配本) 菅野智己は母が再婚した4年生の頃、突然、眠りに就くことで猫の身体に乗り移れるという不思議な能力を持った。身体を借りている猫にジェニイという名前をつけ、巨大なセントバーナード犬のピーターと友達になった智己が6年生のとき、クラスメイトを含め3人の女子児童が襲撃されるという事件が発生し、1人が重態に。昨年秋に、同じく町内で起きた女子児童誘拐未遂事件の犯人と同一人物の仕業のようだ。被害者の共通点は、智己の義理の姉久美子さんが家庭教師だということ! 智己はジェニイになって、ピーターとともに事件を調べることにした。
●買った 和書1冊¥350 その他(雑誌)1冊¥450 『魔法の眼鏡』(ジェイムズ・ブレイロック) ダ・ヴィンチ(9月号) *WEB Davinci
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2004年08月07日(土) ■ |
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Predator's Gold(Philip Reeve)@2/35章 |
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▲日記 Comics and Magazines マンガや雑誌メインの日記を作ってみた。気が向けばBL系のことも書くかも。 以前「気になる本」に使ってたメモライズ日記がライブドアブログに統合されるそうで、IDがあるならせっかくだからライブドアも使ってみようか、という程度の動機なんだけど。要するに、こちら(Days Full of Excitement and Joy)には書いてこなかったことを書けばいいんだよな、と思ったら続けられそうな気がしてきたのだ。続かなかったらやめればいいし。でも、ライブドアって重いねー。エンピツの軽さに慣れ切ってるから、ライブドアの重さにはビックリ仰天。
●読書中:Predator's Gold(Philip Reeve) / US版@2/35章 *表紙はHC版、タイトルはPB版(9/17発売)にリンクしています。 Philip Reeveは1966年、英国のブライトン(Brighton)生まれの英国人作家。翻訳本ナシ。本書はUS版では"Hungry City Chronicles"という名前で出ているシリーズの2作目で、1作目の【Mortal Engines】がものすっごく面白かったので、去年の9月にハードカバーが出たとたんに買って・・・そのまま1年近く放っておいたもの。 このシリーズは「6分間戦争」で文明社会が滅びてから約1千年後、エンジンとタイヤで動く町に住む移動生活者と、地面の上に定住する人々が対立し合っている未来が舞台。1作目はロンドン(という名前の可動式の町)から始まったが、今回の2作目はアンカレッジ(Anchorage)。 アンカレッジといえば米国アラスカ州南部の町の名前だが、この可動式の町「アンカレッジ」は、現在グリーンランドあたりにいる。第1章の語り手はアンカレッジの女侯爵(町の長、総督)。まだ10代らしく、ごく最近まで何不自由なく暮らしていたところへ、突然町が盗賊に襲われて両親や召使たち、そして町の評議員のほとんどを失ってしまった。この先どうすれば良いかと途方に暮れるが、彼女にはアンカレッジの長として、町と人々を守る義務があった。彼女が下した決断は「『死の大陸』へ向かいましょう。私たちの故郷へ」
1、Mortal Engines / US版 ≫Chapter Excerpt ≫Mortal Enginesのレビュー
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2004年08月06日(金) ■ |
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Johnny and the Bomb(テリー・プラチェット)読了 / 今昔続百鬼 : 雲(京極夏彦) |
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●読了:Johnny and the Bomb(Terry Pratchett) ≫感想はこちら おもしろかった。3部作の3作目にふさわしい力作だったと思う。
●読書中:今昔続百鬼 : 雲(京極夏彦) Amazon.co.jp 京極堂こと中禅寺秋彦が活躍する妖怪シリーズに脇役として登場した在野の民俗学者、多々良勝五郎。本書は、相棒の沼上と共に伝説蒐集の旅をする多々良先生の活躍を描いた冒険ミステリー。「寸詰まりの菊池寛」ような風体の多々良先生の傍若無人な振る舞いと、それにいつも腹を立てている沼上とのでこぼこコンビぶりが笑えるコメディータッチの短編集だ。書斎派の京極堂の物語と一味違うのは、フィールドワークを専門とする多々良先生だけに、日本各地の妖怪スポットが多数登場する点。・・・(後略)・・・ 収録作品:「岸涯小僧」「泥田坊」「手の目」「古庫裏婆」
1話目「岸涯小僧(がんぎこぞう)」読了。 【妖怪シリーズ】にも脇役として出てきた妖怪研究家の多々良五郎先生と、その相棒の沼上をメインにした妖怪短編集。最初の話は山梨県の山奥で遭遇した岸涯小僧(がんぎこぞう)、河童の一種の妖怪にまつわる事件。最初はしばらく語り手・沼上の口から多々良センセイとの出会いが語られ、続いて山梨へ行くことになったのかの経緯へと続く。
話はおもしろい。妖怪に絡めて奇怪な事件が語られるのは、京極師匠のお得意だ。けど、これキャラクターがイヤだ! もう、最初の行から「俺はその時、相当頭に来ていた」なんて言ってくれて、最後まで延々怒りっぱなしの沼上には驚き呆れるばかり。その上、この多々良センセイ! もう、何とかしてくれ! なんなんだこの変人は。メチャクチャ押しが強くて、迷惑すぎ!
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2004年08月05日(木) ■ |
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Johnny and the Bomb(テリー・プラチェット)@7/13章 |
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●読書中:Johnny and the Bomb(Terry Pratchett)@7/13章 半分くらいまで。 ジョニー・マックスウェルシリーズ3作目、ストーリーはプラチェット版バック・トゥ・ザ・フューチャーで、少年少女の冒険もの。つまり、悪ガキどもが過去から現在を飛び回って引っ掻き回す話だ。ジョニーとおなじみの友人たち、Wobbler、Yo-less、Bigmacに加えて、今回はKirstyという女の子が仲間に加わる。これがまたスゴイ子なんだが・・・。(^^; ジョニーたち4人組はある日、昔からジョニーたちの街に出没するミセス・タキオンと呼ばれる浮浪者の女性が、路地裏に倒れているのを見つける。急いで救急車を呼んだジョニーたちだったが、ミセス・タキオンの荷物を載せたカート(ショッピングカートを補強したようなもの?)が道端に投げ出されているのを見て途方に暮れる、しかたなくジョニーが自宅の倉庫に保管しておこう、ということになる。
▲メモ Diana Wynne Jones Search / 石猫文書館 こんなサイトがあったとは知らなかった。DWJ考察系?情報系? クレストマンシー人名辞典がすごい。
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2004年08月04日(水) ■ |
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お母さんは「赤毛のアン」が大好き(吉野朔実) / 花の魔法、白のドラゴン |
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●読了:お母さんは「赤毛のアン」が大好き(吉野朔実)角川文庫 アンテナリンク先のどこか数ヶ所で見かけて、面白そうなので図書館で借りてみた。かる〜く読める、本についてのエッセイマンガ。 吉野朔実氏とはあまり本の趣味が合いそうもないけど、本に対する軽妙かつ貪欲な姿勢は好き。エンターテイメント、ミステリーからバリバリの文学書まで、わりと名の通った本をネタにしている。知らない本でも内容紹介がちゃんとあって、その上で笑わせてくれるので「読んだ人にだけわかる」という風でもない。 カフカの『変身』の話なんて鋭い! そうそうそう、あの話も謎が多いんだよね。主人公が変身した虫がどんな姿形をしてるか、これと同じことをドイツ文学史の授業で聞いたことがあるのを思い出した。原文を読みながらドーム型だの、足が沢山あってどうのと解読したなぁ。標題作の「お母さんは『赤毛のアン』が大好き」は面白かった。興味を持った人は、まずこれだけ本屋さんで立ち読みしてみるといいかも。角川文庫だからありそうだし。しかし「アン子」はないだろう(^^; ・・・せめて「杏(アン)」とか、「杏子」とかさ。 「"読みきった"自慢」は、私なら何だろうか。ちょっと前まで「『指輪物語』を原書で完読した」だったけど、こんなの今時珍しくないし・・・。『お父さんは時代小説(チャンバラ)が大好き』と『弟の家には本棚がない』も読んでみよう。
内容(「BOOK」データベースより) カフカの『変身』で主人公が変身する虫はどんな虫?本の解説は本文の前に読む、それとも後?『大菩薩峠』全巻と安吾の問題長編『吹雪物語』、どちらを読みきったら自慢になる?リアリストの母の愛読書は『赤毛のアン』。その理由は?こよなく読書を愛する本の虫たちの仲むつまじい会話が、かわいいエッセイ漫画になりました。読み終えた後、もっと本が読みたくなる一冊です。柴田元幸とのオースター談議付。
▲近刊:花の魔法、白のドラゴン(ダイアナ・ウィン・ジョーンズ) (今月下旬発売)アマゾンで予約できます。¥2,520 徳間書店。 徳間の本はいつも1600円前後なのにこれだけやたらと高いのは、この本が長いから。The Merlin Conspiracyはジョーンズさんの著作の中では一番長い。『ヘックスウッド』もかなりだけど、マーリンほどではないね。The Merlin Conspiracyのハードカバーは厚さが4.5センチあるんだぞ。
<『子どもの本だより2004年7/8月号』より内容紹介を引用> ブレスト諸島の王室づき魔法使いの娘ロディは、国中の魔法を司る〈マーリン〉が、恐ろしい陰謀をくわだてていることに気付いてしまう。だが無論、大人たちはそんな話は信じてくれない。ロディの味方は、やはり王室づき魔法使いの子で「どんな魔法もひっくり返してかけてしまう」少年グランド、異世界から来た魔法修行中の年上の少年ニック、おびえて燃えあがるサラマンダーの群れ、気の良いゾウに、わがまま放題の双子の従姉妹と、おかしな連中ばかり。頼れるのは、古の魔女から〈花の魔法〉を譲られた自分自身だけ・・・? 一方、長年魔法を習いたいと願っていたニックは、ある日ロンドンのホテルから異世界に足を踏み入れ、事情がわからぬままロディを助けようとするうちに、ブレストの大地に眠っていた〈白のドラゴン〉を目覚めさせることに・・・! 平行世界を舞台に(ニックとロディ)二つの視点から描かれた、著者渾身の最長編! 英国での最新作。 で、何度も書くけどこれは【Deep Secret】の後日譚、続編です。この2作は「ハウル」と「アブダラ」みたいな関係だと思えばOK。本来なら『花の魔法〜』はDeep Secretの後に来る話なのに、どうしてDeep Secretが無視されてるんだろう。一話完結ではあるけど、直結したシリーズものだから明らかに前作のネタバレしてるし、普通の地球人の少年であるニックがどうして「長年魔法を習いたいと願っていた」のか、また「ホテルから異世界へ」がシリーズ共通の"別世界へ行く方法"だというのも"Deep Secret"を読んでないと分からない。 後書きにも何も書いてなかったら暴れてやる。Deep Secretを抹殺するなんて許せん!「児童書ではない」「徳間には向かない」という言い訳も認めないぞ。『花の魔法〜』はよくて、Deep Secretはダメってことがあるかばかやろう。
●アマゾンから到着 洋書1冊¥1616 和書1冊¥1785 The Spook's Apprentice(Joe Delaney) 呪われた首環の物語(ダイアナ・ウィン・ジョーンズ)
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2004年08月03日(火) ■ |
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水にたゆたふ乙女 : 英国妖異譚 8(篠原美季) |
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●読了:水にたゆたふ乙女 : 英国妖異譚 8(篠原美季) 【先日書いた】英国シリーズ新刊が売ってたので、早速読んでしまった。うーむ、いいねぇ。シモンは独占欲もますます強く・・・60〜67ページの会話は、こういう会話をするのってもう「友達」じゃない気が・・・いやいやいや。「水も滴るいい男」なシモン、ユウリの「僕はシモンにぞっこんだけど」発言に、人工呼吸。いやぁ、なるほど、水難。人工呼吸なんて古典的な方法、よくも上手く使ってくれたわね!って感じ。笑いが止まらん。あ、でもまって。この流れだと、ユウリはどういう状況で助けられたか知らないわけか! 「命の恩人」っていい響きだよねぇ・・・。207ページの挿絵の左手がいい感じ。 口ではかなりヤバいことを言いながら、微妙なところでなんとか踏みとどまってる危うさがいいなぁ。相手の反応をうかがってるみたいなところもある気がする。陰陽師の従兄君に会うのが楽しみ。
●読書中:Johnny and the Bomb(Terry Pratchett) おなじみ、テリー・プラチェットの【ジョニー・マックスウェルシリーズ】の3作目、最新作(最終巻?)を読み始める。本書は1996年初版、スマーティーズ賞銀賞受賞、カーネギー賞最終候補作。
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