日記帳




2008年07月21日(月) 洗濯機の日々

怒涛の一ヶ月弱が終わり、一息つけばもう七月も終わりに近付いています。
先月末頃からというもの、思いがけない所用に追われてあっちへこっちへと奔走し、気分は洗濯機の中でもみくちゃにされているよう。ことによると、余波が来月まで続くやもしれませんが……まあ世の中そう上手くはいくまい(独り言)。

そんな日々も昨日でひとまずの片がつき、はたと冷静になってみれば、部屋の中がものすごいことになっていました。部屋の散らかり具合と精神の疲弊度(もしくは荒廃度)は比例する、というのが私の持論で、ということは、これはかなり危険な状態なのではないかと猛省した次第です。今は徐々に落ち着きつつ(部屋も、内面も)ありますので、どうぞご心配なきよう。

穏やかな日々が戻ってくるにつれ、減退気味だった読書欲も回復しつつあります。インプットが順調になれば、アウトプットも自然と活発になるもので、ここ数日というもの、何か書きたい・書かねばという思いが少しずつ高まってきています。猫と善哉の話に取り掛かったまま放置していたのですが、この猛暑日に善哉はちと暑いぞなと執筆脳が我儘を言うので、緑色のランドセルの話(こちらはほんのりと怪談風味)に逃避しようかと思います。
脳にも避暑が必要です。


2008年07月16日(水) 美術館二都物語

土曜日は、大阪・京都ニ都美術館巡り、に行ってきました。
まずは、天保山にあるサントリーミュージアムへ。お隣に建つ海遊館は(今回は素通りですが)、相変わらずの賑わいっぷり。そういえば学生の頃以来だなあと、少し懐かしく思い出します。
こちらで開催されているのは、ガレの展覧会。ギャラリーを見に行く前に、まずは腹ごしらえです。隣接のカフェで「トマトとルッコラの冷たいフォー」をいただきました。酸味が強めのトマトスープが、暑さに負けそうな胃袋に「ぎゅっ」と沁みます。

昼食が済んだら、いざギャラリーへ。私のイメージしていたガレ(色硝子を何枚も重ね、上から削っていくことで綺麗な色絵を生み出す)とはずいぶん異なった作品が多くて、最初は戸惑いました。でも、蜻蛉モチーフの作品がずらりと並んだ展示室を見て回っている内に、ああやっぱりガレだ、と腑に落ちたのでした。

そして思ったのは、美と醜、エレガントとグロテスクの境目はどこにあるのだろう、案外と紙一重のところで際どいバランスを保っている要素なのだろうか、ということ。例えば、美しく咲き乱れる花だけでなく、その花に群がる虫たち、その影で今しも生命を終えようとする萎れた花、にまで目をそらさず視線を据えること、そこから生まれる「美」はきっと、ただ綺麗なだけの薄っぺらい「美」ではなく、もっと厚みと迫力を持った「美」に昇華するのだろうか……などと、結論の出ない考え事を、頭の中でつらつらと転がしていたのでした。

天気予報によれば、7月12日の関西地方は今年一番の暑さを記録したそう。大阪の暑さが乾性のそれなら、京都は湿性だという気がしたのですが、これ如何に……などと問いかけずとも、とにかく「暑かった!」の一言です。

京都での目的地は、相国寺内にある承天閣美術館。西陣織で創られた源氏物語絵巻の展覧会です。こちらは、以前に新聞記事で見かけて以来、どうしても行きたい、是が非でも行かねば、と思い決めていたので、ようやく念願叶って感慨もひとしお、でした。

ぱっと見では紙に絵の具で描かれた巻物のよう、でもじっくり目を近づけて観察すれば、「わあ本当に織ってある!」と静かな館内で思わず声を上げてしまった私でした。なんといっても色の鮮やかさ、薄衣のそよぐ様や、女性の長い黒髪が一筋流れ落ちる様までが表現された緻密さに目を瞠ります。
なによりも、この絵巻の作成に取り組んだご兄弟が、そろって百歳超のご長寿であるということに、感嘆の思いしきりであります。
スタッフの方に西陣織の制作過程について丁寧な説明をしていただいたのですが、哀しい哉、私には織物の知識が全くといっていいほど欠如しているので、きっと半分も理解できていなかったかと……。

展示ケースのガラスには、よく見ると人の指先や、きっと鼻の頭をぶっつけたらしき痕跡がいくつも残っていて、でもその気持ちは良く分かる、できるだけ近くで見たいもの、できることなら手触りだって確かめてみたいもの、と思ったのでした。

外に出ると相変わらずの夏日、休憩のために近くで見つけておいたフルーツパーラーへ。そういえば、学生の頃に一度、先輩に連れてきてもらったことがありましたっけ。その時と同じ(確か)、フルーツパフェをいただいて、美術館巡りの一日も終了です。
この後京都駅まで戻り、デパートでバーゲン気分を少々味わって、帰途についたのでした。

なんだかんだで、今月までに行きたいと思っていた特別展は、ほぼコンプリートすることができました。さあ、次はどこへ行こう? とリサーチ開始です。


2008年07月14日(月) アンダルシアに誘われて

旅行を巡るケース・スタディ。

Case1.方向音痴の理論
「合流場所は中央改札って言ったでしょ? なんで北改札に出てるの?」
「だってそこに階段があったから」

Case2.待ち合わせの罠
「今どこにいる? 周りに何が見える?」
「えっと……人がいっぱい」

Case3.出掛ける時は忘れずに
「持って行くものは〜、ハンカチと〜、鼻紙と〜」
「ティッシュと言いなさい」

Case4.情熱の国
「こないだ旅行会社のパンフレットに“CANADA”って書いてあるのを見てね、なんでだか“グラナダかあ、いいなあ”って思ったのよね」
「それはきっと、アンダルシアが呼んでるんだよ」

Case5.続方向音痴の理論
「新幹線を降りたらそのまま在来線に乗り換えるよ、って言ったでしょ? なんで改札出てるの?」
「だってそこに改札があったから」

Case6.逆転の発想
「右と左、どっちに行ったらいいと思う?」
「う〜んと……、右?」
「じゃ、左だね」

***

なんのひねりもなく、旅に出たい、というお話でした。


2008年07月02日(水) 自由が丘でお茶を

降って沸いた所用のため、先週末は東京まで遠出してきました。
金曜日の夕方に発って、日曜日の夕方に帰ってくる、というスケジュールです。

あまり自由な時間が取れなかったのが残念なのですが、隙間を縫って、東京在住の友人に連れられて自由が丘を散策してきました。
目的は、ルピシアのティールームでお茶すること。通りを見下ろす席で、ダージリンの新茶とりんごのタルトをいただいてきました。とても心惹かれたアフタヌーンティーセットは、おなかの空き具合と相談して、今回は断念。次回に期待しているので、また連れていって下さい(と、友へ心の中でお願いしておきます)。

少し天気が不穏だったため、そう長くはぶらぶらできなかったのですが、路地をくねくねと進めば、「……ツボ!」と叫びたくなるような(?)お店に、あちらでもこちらでも出会います。中でも、白山眼鏡さん(ルピシアの、道路を挟んでちょうどお向かい。カラフルな太縁眼鏡にときめきました)と、ポパイカメラさん(お店の建物がとても可愛い! ポラロイドカメラが置いてあって、いいなあ……! としばし見入っていました)は、いつかぜひ再訪したいです。

お土産には、繭玉の形をした色とりどりの一口最中と、そら豆を象ったお饅頭と、ボックスに入ったミニブーケを。自分用には、品川駅内にある文房具屋さんで、朝顔のシールを購入しました。
駆け足ではあったけれども、充実した三日間でした。美味しいものにもたくさん遭遇して(オペラのミニコンサート付きのイタリアン、牡蠣料理のフルコース、そして京都より持参したお弁当)、おなかも心も一杯であります。

そして、今回学習したのは、Suica(記念に作ったのです)は感動的に便利である、ということでした。ペンギンの絵柄も可愛いです。





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