日記帳




2006年12月31日(日) 年末のご挨拶

今年も残すところ後7時間、となりました(現在午後5時ちょうどです)。
一年を振り返ってみれば、反省と後悔ばかりが子泣き爺のようにのしかかって参ります。

こんな私ではありますが、変わらずお付き合いいただいた皆様、見守って下さいました皆様に、心よりの感謝とありったけの愛を捧げます。
お世話になりました。そして、ありがとうございました。
もしよろしければ(と気弱になってしまうのですが)、来年もどうぞよろしくお願いいたします。

ご挨拶だけではなんだか物足りない(私が、です)ので、2006年度思い出の書籍五冊を、独断と偏見により選定し、発表いたします。

『東京奇譚集』村上春樹
(今年度一冊目の読書。そしてなにより、村上春樹さんの本!)
『博士の愛した数式』小川洋子
(ベストセラーに背を向ける天邪鬼気質を改めたくなりました)
『詩歌の待ち伏せ1・2』北村薫
(こんな読書指南役が側にいてくれたらなあ、と夢見てしまいます。そして、ぜひとも早く続編文庫化を!)
『停電の夜に』J・ラヒリ
(ここ近年に読んだ短編集の中でも「これは大好きだ!」と胸を張って宣言できる一冊)
『陽気なギャングが地球を回す』伊坂幸太郎
(実はまだ感想が書けていません。精緻で無駄の無いストーリー、読後感が爽快で痛快です)

今年もたくさんの本と出会えて幸せでした。来年は更に節操なく守備範囲を広げて参る所存です。

それでは、今年も残すところ6時間と50分(ただいま午後5時10分です)となったところで、2006年にお暇を。
喪中のため、新年のご挨拶は差し控えさせていただきます。次回お目にかかるのは松が取れた頃かと思います。
どうぞ皆様、良いお年をお迎え下さいませ。


2006年12月29日(金) 読書の冬と雪うさぎ

読書録更新状況。

  レオ・レオーニ『平行植物』
  ヘレーン・ハンフ『チャリング・クロス街84番地』
  ジェフリー・ディーヴァー『クリスマス・プレゼント』
  アガサ・クリスティー『ポアロのクリスマス』
  トルーマン・カポーティー『あるクリスマス』
  乙一・羽住都『くつしたをかくせ!』

見て見ぬふりをしてきた読了本の感想および、クリスマス特集本の感想が入り混じっています。まだまだ数ヶ月分の未記録本がうず高く積み重なっているので、年末年始の休暇中にぽつぽつ片付けていきたいと思っています。希望を言えば全部、でも欲は言いません。

本日、初雪が降りました。10センチほどの積雪なので、まだそれほど「積もったぜ!」という感はありません。が、毎年最初の雪は見慣れていても浮かれてしまうもので、今日も浮かれついでに雪うさぎなど作って遊んでいました。「猫?」だの「鼠?」だの、挙句「美的センスがない」だの散々な言われようでしたが、誰がなんと言おうとうさぎです。南天の葉を挿した耳は長いし、同じく南天の実で作った目は赤い。どこから見てもうさぎだ!
……自分でも、「ちょっと鼠っぽい(それもどちらかというとパソコンのマウスの方)……」と思ったのは内緒です。



2006年12月12日(火) ゆきちゃんのこと

昨日、ゆきちゃんがやって来た。ちょうど、最近見ないけれど元気にしてるんだろうか、と呟いたそのタイミングを狙い済ましたように、現れたのだ。厳密には「だろうか」を言い終わるか言い終わらないかの瞬間、ふと目をやった応接間のガラス窓越しに、黒い湿った鼻と鋭角三角形の耳が覗いていて、私は思わず尻尾を踏まれた猫のように飛び上がってしまった。ゆきちゃんはいつも、思わぬ時に思わぬ場所へ姿を見せるのである。その神出鬼没っぷりがどれほどのものかは、追って話そうと思う。

ゆきちゃんは、私の家の近所を根城とする中型犬である。首輪はしていないから、恐らく飼い犬ではないのだろうが、どうやら私の家の何かがお気に召したらしく、思い出した頃にやって来ては、しばらくの間まるで我が家の家族のごとく振舞って、また去っていく。
「ゆきちゃん」という名前は、誰が名付け親なのかは知らないが、その毛並に由来しているのだろうと思う。詩的と採るか安直と見るかは微妙なところだ。
名前から推測できるように、ゆきちゃんは大抵の場合、白い犬である。でも時たま、見慣れない姿をしていることもある。一例を挙げるならば、私が初めて遭遇した時のゆきちゃんは、全身真っ黒の硬そうな毛に覆われ、顔の中心部だけがふわふわと白い、ハスキー犬ばりにいかつい姿をしていたものだ。昨日はちょうどその「当たり日」で、ゆきちゃんは滑らかそうな短く白い毛並みのところどころに、茶色いぶちをあしらって現れた。その辺りの仕組みは、私の想像力など及ばない領域に属している。だが母に言わせれば至極単純で、すなわち「ゆきちゃんだってお洒落したい時もあるでしょ」ということなのだという。母の、大胆なのか合理的なのか分からない発想も、私の平凡な想像力を凌駕してあまりあるもののひとつである。

ゆきちゃんの特技は「扉抜け」である。閉めたはずの扉をいつの間にか潜り抜け、涼しい顔で隣に寝そべっていたりするのだ。一体どうやって入ってきたのか、まるで見当がつかない。母は、ゆきちゃんは器用なのねえの一言で済ませていたが、これは「器用」の一言で片付けられるような類の現象ではないはずだ。
きっと何かトリックがあるはずだ。そう考えた私は、それからというものゆきちゃんの一挙手一投足を気取られないように観察し始めた。けれども敵もさるもの、ゆきちゃんはまるで熟練した手品師のように、決してタネを明かそうとはしなかった。私とゆきちゃんの攻防は、数ヶ月ほど続いたと思う。

しかしある日、とうとう私は見てしまったのだ。ゆきちゃんの秘密を。
その時、私は洗濯物を干していた。ゆきちゃんは、洗い立ての湿ったバスタオルを引きずり回して遊ぶのが大のお気に入りだ。けれど、せっかく綺麗になった洗濯物を玩具にされては少々困る。そんなわけで、ゆきちゃんは物干し場に続く引き戸の前でしばらく待ちぼうけを食らっていたのだ。
私が背を向けていると思って、きっと油断したのだろう。引き戸と壁の隙間、ほんの数センチしかない間を、ねずみほどの毛玉になったゆきちゃんが潜り抜けてきたのである。
これで謎は解けた、と私は思った。ゆきちゃんの体は伸縮自在なのである。

そして昨日も、私は物干し場へ続く入り口の前にゆきちゃんを残し、洗濯したばかりのシャツを干していた。引き戸はぴっちりと閉めてある。さて、ゆきちゃんはどうするか。横目で様子を伺っていると、引き戸と床の間、ほんの僅かな空間から、白いぺらぺらしたものが滑り込んできた。ゆきちゃんだった。するめのように薄っぺたくなったゆきちゃんだった。
するすると音もなく進入した白くて薄べったいものは、すぐに何事もなかったかのように膨らんで、いつものゆきちゃんになった。私は素知らぬ顔で振り向き、あれいつの間に入ってきたの、と驚いてみせたのだった。少し、わざとらしかったかもしれない。

そんなわけで、ゆきちゃんは不可解な生き物である。でも私たち家族は、ゆきちゃんの来訪をいつも心から楽しみにしている。そういえば、ぶちの毛皮のままぺらぺらになったゆきちゃんは水玉模様のタオルに似ていた。シャツのしわを伸ばしつつ私は、きっと肌触りも良いに違いない、とこっそり考えていた。

***

昨日見た夢の話でした。



2006年12月10日(日) 停滞と失踪の狭間

ひとつ前の日記の日付を確かめることすら気が引けるほど、ご無沙汰しておりました。
これはもはや「停滞」の領域ではなく、「失踪」と呼ぶべきではなかろうか、と良心が囁いています。

古いファイル類をがさごそとかき回していたところ、2002年に書いたクリスマスストーリーが出てきました。かれこれ四年間、お蔵入りさせたまま、顧みられることもなく眠っていたものです。
そしてさすがお蔵入りさせていただけあって……という出来ではあるのですが、もう二度と表舞台に出すこともないでしょうし、師走の恥はかき捨て、供養の意味も込めて、ここに復活させてみようと思います。


***

『garden』

 十字路の向こう、人ごみの中に、彼女を見つけた。


 初めて出会ったあの日と同じ場所に、彼女は立っていた。


 彼女は、真っ赤なコートの裾を風に遊ばせていた。
どんよりと重い寒空の下、グレーや黒ばかりに身を包み、冷たい風に俯く人々の中、凛と前を見据えて立つその姿はあまりに鮮やかで、僕は彼女から目を離すことができなかった。


 十字路の真中、すれ違うその瞬間、彼女が淡く微笑んだような気がした。
“きれいなセーターね”


 そうして、僕と彼女は出会った。
今からちょうど二年前。今にも雪が舞い降りてきそうな、クリスマス・イヴのことだった。


 あの日、僕は若草色のセーターを着ていた。


 クリスマス・イヴに僕らは出会い、クリスマス・イヴに、また離れ離れになった。


 ボストンバッグひとつに詰めた衣服と歯ブラシ、そして空になったバニラエッセンスの瓶。彼女の持ち物は、それだけだった。
“バニラエッセンスの空瓶?”
“ええ。これにね、花を生けるの。甘い香りがうつるような気がしない?”


 彼女は、甘い香りのする花が好きだった。
“でもね、お花って、誰かからもらうものだと思うの”
 そう言って、彼女はミルクティーを啜る。
“自分で買うのは、少し寂しいわ”
 彼女の淹れたミルクティーからは、ほのかにバニラの香りがしていた。


 彼女の誕生日は、クリスマス・イヴだった。街がイルミネーションや賛美歌で彩られるこの季節を、彼女はこよなく愛していた。
“だって、世界中のひとが、私が生まれたことを祝福してくれているみたいじゃない”
 ツリーも、リースも、季節はずれの果物で飾られたケーキも、街を白く染める雪も。


“だけど、ひとつだけ、残念なことがあるの”
 暖かい空気に曇った窓ガラスを指でなぞりながら、彼女は言った。
“クリスマスと誕生日のお祝いがいっしょになっちゃうじゃない? プレゼントもひとつ、ケーキだってひとつ。「おめでとう」の言葉だって、ひとつ”
“だけど、心がこもっていれば、数なんて関係ないんじゃないかな?”
 まるで、幼い子どもが拗ねているような彼女の口調が可笑しくて、僕はからかうようにそう言った。
“ひとつきりでも、十分に幸せな誕生日だよ”
“じゃあ、その「ひとつ」さえなかったら? それでも、幸せなの?”
 痛いくらいに真っ直ぐな目で、彼女は僕を見据えた。


“来年のクリスマス・イヴは…”
 すっかり冷たくなった彼女の指先を両手で包み込んで、僕は約束した。
“二回、お祝いしよう。クリスマスと、君の誕生日と”
“プレゼントとケーキは?”
 真剣な顔で問いかける彼女に、僕は微笑んで見せた。
“もちろん、ふたつ用意するから。たくさん、お祝いしよう”
 こくりと頷いて、彼女は目を閉じた。その睫毛が少し濡れているような気がして、僕は黙って彼女の額にそっと口付けた。


 一度だけ、彼女の部屋へ行ったことがある。彼女と出会ってもうすぐ一年が経とうとしていた12月の初め、細かい雨の降る午後だった。


 小さなテーブルと、ベット、それから本棚がひとつ。ベージュ色の絨毯、灰色のカーテンとベットカヴァー。彼女が無造作に床に脱ぎ捨てた真っ赤なコートだけが、古い映画のワンシーンのように鮮やかだった。


 彼女が台所に立ってコーヒーを淹れている間、僕は手持ち無沙汰に部屋の中を見回していた。ポスターも、カレンダーも貼られていない、無彩色の壁。ただひとつ飾りと呼べそうなものは、本棚の一郭に置かれたガラスのドームだけだった。僕は立ち上がり、本棚の前へと歩いて行った。


 持ち上げると、ドームの中で作り物の雪が舞った。僕は、ガラスの向こうに広がる風景に目を凝らした。緑の丘の上に、白い三角屋根の家がぽつんと一軒。他にはなにもない。家のドアは少し開いていて、今にも中から誰かが出て来そうだ。


“きれいでしょう?”
 いつの間にか、彼女が僕のすぐ側に来ていた。
 彼女は僕の手からガラスのドームを受け取ると、同じようにじっと中を覗き込んだ。


“この家には、どんなひとたちが暮らしているんだろうって、ひとりで想像するのが好きだったの。たぶんね、真っ赤なほっぺたをしたお母さんと、逞しい手をしたお父さんと、編物の上手なおばあさんと、きらきらした目をした子どもたち、そんなひとたちが住んでいるのよ”
 彼女がドームを傾けると、柔らかな雪が地面から空へと舞い上がった。


“どうしたら、このドアの向こうに行けるんだろうって、いつも考えていたわ。寒い寒い雪の夜にね、私はドライフルーツのたくさん入ったケーキと、上等のワインを一本持って、この家を訪ねるの。道に迷ってしまいました、このままでは凍えて死んでしまいます、どうか、一晩だけここに泊めてくれませんか、って。この家のひとたちはみんなとても優しいひとだから、きっと中に入れてくれるわ。そして、暖かいスープを飲んで、ふわふわした布団にくるまって眠るの。もう二度と目が覚めなけりゃいい。このまま、ずっとこうして眠っていられればいい。そう、思いながら……”


 夢見るような瞳で、小さな家のドアを覗き込む彼女を、僕は何も言えずただぎゅっと抱きしめた。そうすることしか、できなかった。


“私は、ずっと旅の途中なの。私の帰る場所は、ずっと昔から決まっていて、そこへ戻るために、私は旅を続けているの。今は、少し立ち止まって休憩しているだけ”


 繰り返し、繰り返し、彼女はそう言った。何度も、何度も、まるで、自分に言い聞かせているように。
“この場所も、この世界も、私にとっては止まり木のようなもの。いつかは、またここを離れて、私の居るべき所へ戻らないといけない。でないと、私はきっと跡形もなく消えてしまうの。粉雪のように。砂糖菓子のように”


 楽園。彼女はその場所を、そう呼んだ。いつか、必ず戻るべき、約束された、その場所。
“そこは、私にとっての楽園なの。他の誰のものでもない、私だけの楽園”
“僕は、そこへは行けないの?”
“そのドアは、私にしか開かれない。例え、あなたであっても”


 “もしも、辿り着けたなら、あなたにクリスマス・カードを送るわ”
“そこは、クリスマスの国なの?”
“だって、私のための楽園だもの。……約束するわ。私は元気でいますって、ここで、幸せに暮らしていますって、カードにいっぱい詰め込んで、あなたに送るから”
 けれど、僕はその場所に辿り着けない。そこは、彼女のためだけに存在する楽園だから。その場所で、彼女がどれだけ幸せであっても、その同じ幸福を、一緒に分かち合うことは、できないのだ。


 あの日も、空は鈍い灰色に染まっていた。僕と彼女は、足早に歩く人々の流れに逆らうようにして、ゆっくりゆっくりと歩いていた。繋ぎ合った手は冷たくかじかみ、その細い指先を少しでも温めたくて、僕は何度もしっかりと彼女の手を握りなおした。


 彼女は、もう片方の手に旅行鞄を下げていた。何も言わなかったけれど、彼女はもう行ってしまうのだと、息苦しいくらいはっきりと、確信していた。


 彼女はもう、行ってしまうのだ。
 そしてもう、戻って来ない。


 十字路の手前で、彼女は僕の手を離した。
“そのセーター、あなたにとても似合うわ”
 にっこり笑って、彼女は僕に背を向けた。鮮やかな赤いコートが、鈍色の街に消えていく様をぼんやりと見送りながら、やっぱり古い映画のようだと、僕は思った。


 その日、僕は若草色のセーターを、箪笥の奥深くにしまいこんだ。


 ふたつのプレゼントは、公園のベンチに置き去りにした。


 ふたつのケーキは、受け取り手のないまま、ケーキ屋の隅に取り残された。
 

 信号が変わった。ポケットに両手をつっこんだ彼女は、横断歩道の手前で突然くるりと踵を返した。僕は、慌てて彼女の後を追う。あの時、人ごみに溶けてしまったその背中を、今度は見失わずに済むように。


 そこだけスポットライトが当たっているかのように、彼女の姿は僕の目に焼き付いて離れない。
 どんなに、目を逸らそうとしても。もう、追いかけるのはやめにしようと思っても。


 彼女の楽園。彼女の幸福。どこまで行っても、交わることはない。


 一軒のアパートに辿り着いた。
 彼女は軽い足取りで螺旋階段を上り、突き当たりのドアの向こうに消えた。最後、視界の隅を掠めた真っ赤な残像に、軽い眩暈を覚えた。


 僕の楽園。僕の幸福。どれほど求めても、届くことはない。


 その部屋は、長い間誰にも使われていなかったようだった。分厚いカーテンのひかれた室内には、しんとした空気が重く降り積もっている。うっすらと埃に覆われたテーブルの上には、一枚のクリスマス・カードが置かれていた。何の変哲もない、
ありふれたカード。柔らかそうな雪に覆われた丘と、その上に立つ白い三角屋根の家。


 家のドアは、大きく開け放たれていた。その向こうに、暖かそうな暖炉と、一客の椅子。


 椅子の背には、赤いコートがかけられていた。



“メリー・クリスマス”
 一言そう書かれた文字は、記憶の中と同じように、少し右上がりに傾いでいた。


 彼女は、辿り着いたのだろうか。


 彼女の夢見たその場所に、辿り着けたのだろうか。


 本棚の一郭、かつてと同じ場所に、ガラスのドームは残されていた。薄く開いたドアの向こう、そこに、彼女の夢見た幸福は、待っていてくれたのだろうか。


 このドアは、僕を受け入れてはくれない。ここは、彼女のためだけに開かれた、楽園のドアなのだ。


 そう。


 彼女の楽園は、いつも手の届くところにあった。


 そして、僕にはあまりにも遠い。


 あまりにも、遠い。

***

当初はもっと行間空けの大盤振る舞いだったのですが、慣れない空白行はなんとはなしにこそばゆいです。

年内には、なんらかの活動報告が出来れば、と切実に願っています。毎年恒例(?)の、クリスマス本読書もじわじわと進行中です。
とは言え、次回いつお目にかかれるかは未知数ゆえ。一足お先に年末のご挨拶をしたためておきます。皆様、よいお年を。年末までに、またお会いできれば幸いです。






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