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五十嵐 薫
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2010年12月08日(水)
chocolate days

日曜日の由比ガ浜は、いつもにも増して人でいっぱいだった。
とても、12月の海とは思えないほどだ。
が、そこには夏の喧騒とは程遠い、穏やかな静寂があった。

それは、深まる冬の気配のせいか。
それとも、傾いた太陽のせいか。

夕日まで、あと一時間。
砂浜に広げた雑誌に腰を降ろした若いカップルが、斜めに差し込む黄色っぽい日差しに目を細める。
リードを振り払って走る小型犬。それを追いかけるクロックスの少女。
サーファーたちは波間に漂う鴎みたいに、ボードに腹ばいになったまま揺ら揺らと沖を眺める。

君は、砂の感触を確かめるように静かに歩を進めながら、大きな瞳を時々瞬き、時々細め、小さく開いた唇から、感嘆の息を漏らす。
僕は、冬の海でもなく、午後の太陽でもなく、小犬の走る砂浜でも、鳶が大きく旋回する空でもなく、君の足元から伸びる影を見ながら、その影を踏まないように歩く。



君から貰ったチョコレート。
あれ、宝石みたいに綺麗だった。
食べるのが惜しくて、何日も眺めてた。



ねぇ、チョコレートみたいなのってどう?
「甘いか苦いか」の二択よりさ、「甘くて苦い」のが、僕は好きだよ。


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