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2008年09月04日(木) |
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気配 |
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手術はあっけなく終わり、三食分の療養食と三日分の薬を渡された。 その日のうちに電車とタクシーを使い家に戻った。
手術自体のせいか、毎食後飲む血液凝固剤のせいか、身体が酷くふわふわする。
数日の安静を期に、上がりかけていたCBのバッテリーを充電し、クローゼットの整理をする。 要するに暇だ。
頭の後ろに腕を組み、窓の外を眺める。 遠くから聞こえるクマゼミの声。 微かに匂う潮の香。
寝ころんだまま足を組み変える。 枕元に積んだ秋野不矩の画集を捲り、すぐ閉じる。 音楽を聴く気にはなれない。
ふと気づくと部屋が暗い。 どうやらうたたねしていたらしい。
秋の虫たちの声が微かに聞こえる。 月が随分と大きい。 気づけば少し肌寒い。
今こうして家のベッドで寝てること自体を喜ぶべきなんだろう。
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