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2009年04月27日(月)
或いは、夢で書くなら









夢の中だ
ということは分かっているので
現実には、机に突っ伏して眠っているので
おでこがキーボードに
めりこんでしまってる自分の姿をおもえば
嘆きたくなるのも仕方ない、ちょっと失礼
ため息を吐かせていただきたい
だからここで一行空けたい

夢の中にまでこのブログが繋がってしまったのやら
とうとう眠りながら夢の中のキーボードを打ち
何を書くか、こんなのどうかと考えるようになって
なんてこったい、ちょっと失礼
肩を落とす時間をいただきたい
つまりここでまた一行空けたい

起きてる間に
考え付かないからといって
寝ている間に考えるというのは随分、不健康ではなかろうか
そもそも夢の中のパソコンでは上書き保存できるとも限らないので
それより他にも、なにかこう
なんだか不安なことがある
この不安はなんであるのか
それが分かるまで二行ほど空けたい


ああなるほど
つまりここまで書いたブログの画面は夢の中のパソコンに書き込んでいる内容なのであって、夢の中で書いたこの文章にでてくる夢を見ている私が書いている文章だったりするのではないか、ということでもあって、もしくは、そのまた夢の文章にでてくるパソコンに書かれている文章なのでは、だのとよくあるなんちゃってエンドレスに陥った締め方しか思い浮かばないのではないかといった不安であるのであって所詮夢の中では頭もあまり働かないし、と言い訳しつつも、それはどうにも…と悩んだ挙句
一行空けたあとで

いいえ現実に起きて書いています、と嘘をつきたい














2009年04月20日(月)
朝が疾走る







電柱から電柱、また電柱へ
街灯の心臓を踏み砕きながら
朝は疾走ってきます

夜が病院の屋上でふかしてた
紙巻きを膝で消して
帰っていく迄、ほんの短く
ハモニカひと吹きした後のように

街から誰も、私も
いなくなっている時間があるのを
ご存知ですか

一日が終わればそれで
何もかもが終わりですから
何もかもをおもいださず灯りを消して
それでうつくしいはずだけれど

けれどもやはり
そこには人間がいなくてはならない、と
ごくあたり前な人間達がいなくては、と
朝のやつが爪を立てて疾走ってきます

あなたと歩き通したはずの夜も
その混沌が
ビルの影に、観覧車の根元に、或いは
煉瓦倉庫に押し込まれ、追いやられて

次に信号が変わったなら
昨夜なんかにされてしまって













2009年04月13日(月)
針仕事








切り取る、選んで
貼り、合わせ
繕い、また切り取って

ゆる、すため
される、ための

毎々日
こころしごと















2009年04月06日(月)
春の光













―あ、マックがある。止まってよ。

まだ幼い娘は空腹に頬を膨らませ、彼は黙って車を走らせる。
連絡を受けてからは、幼い頃の記憶が繰り返されるばかりだけれど。
けれども今は病院に。彼の母親の死に少しでも間に合うように。