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2005年09月26日(月)
誰かが見ている








前は確か2次で落ちたんだっけか
ふらふらさまよう
原稿版の「馴れていく」

せっかくだから送ってみようか
1次通過?いやいや
2次通過?まだまだ
3次?…うむなかなか
4次……?

あれよあれよと
こちらの思惑よりずっと真面目に
新風舎のなんたら出版賞さんから
最終審査に行きますよ通知を
わざわざ速達でいただいて

軽〜い気持ちで送ってんのに
いや、もう充分…ほんと、ごめんなさいっと
土下座でもしたい気分

かなーり狭い門らしいし
お白州にでもいる覚悟で
11月のお裁きを待つことにいたしましょう

あぁ、謙虚

いやいや、ふたばさんもっとがんばってください
はい、ほどほどに












2005年09月19日(月)
「こころとからだ」








「愛することは楽しいと
 大声で歌うひとがいる
 愛することは悲しいと
 小声で呟くひとがいる
  どちらも多分 間違いでしょう
  どちらも多分 本当でしょう
 私のこころにも背中合わせの
 ふたりが 住んでいる

 ましてやあなたに 焦がれる夜には

 からだのままに生きるなら
 必ずこころが邪魔になる
 こころのままに生きるなら
 いつでもからだが邪魔になる
  不思議ですね からだはここで
  こころはいつも あなたのところへ
 いつかふたつがひとつに
 なる日が来るとは 思えなくて

 なおさらあなたに 焦がれる夜には」


             さだまさし「こころとからだ」
              アルバム「心の時代」から





こころが疲れていることを知るのは
実はとてもむずかしい
なぜならそのことに
まだ気付いていない時にこそ
こころは懸命に生きようとしているから

逆にいえば
こころが懸命に力を張りつづけるうちは
それに気付かずに
いさせてくれているのかもしれない

こころがつぶれていたことには
遂につぶれてしまったあとで気付くに違いない
それから、そのあいだずっと、そのこころを
からだが懸命に支えようとしていたことにも

一年前の僕は、糸が切れるようにある仕事を辞めた
朝、電車のなかで決めて、その朝のうちに辞めた
それから新しい仕事のことを考えるたびに吐いた
生活のことを考えて吐いた
がんばらなければ、と奮い立とうとして、吐いた
将来の不安を考えては吐いていた

その嘔吐はからだのサインのように捉えるのが
きっと正しい答えなのだろうけど
いまになって、からだが
一度も泣こうとしなかったこころの変わりに
泣いてくれたのではないかと思うようになった

そう思えるだけ
からだは懸命で健気な気がするのだ

そしてようやく吐かずにすむようになった頃に
まるで合わせるかの様にからだは調子を崩し
そのときにからだの方がずっと重たく
蝕まれていたことを知った


それからもうすぐ半年が経とうとしていて
僕のこころはいま懸命に
からだを支えようとしてくれている

そしてからだも少しずつだけど
僕のこころに応えようとしはじめたところ

負けるな、たたかえ、容赦するな、
生きよう、生きよう、生きようと










2005年09月12日(月)
真夜中のパーティー(6) 後編







「恐怖のガムテ男篇、或いは希望的最終回」



いよいよ対策を練り最終決戦に挑んだ
つまり…

巣のありそうなところで確認できるところは
全て徹底的にチェック、冷蔵庫、本棚、食器棚の裏もすべて確認
また、確認できないところには重点的に「コンバット」を配備

卵を産まれているかもしれない
家中に置いてあった(CDや本を入れてた)ダンボールを撤去
押し入れ、収納を整理掃除し、もし再度現れた際
侵入場所を限定するために常に締め切っておくこととし
卵を吸い込んでいるかもしれない掃除機の中のゴミパックを交換
これにて、家のなかの繁殖を大幅に防げることは確実なはずだ

そしてそして、家中の隙間を埋める
いくら家中にいるかいないかチェックしたところで
ひとつでも侵入径路を与えればそれは無意味だからだ

1mmで侵入する…1mmで…とつぶやきながら
ガムテで隙間という隙間を埋める
壁と床のつぎめにベッタリ
換気扇脇と備え付けの棚との隙間にベッタリ
ちなみに換気扇はフィルターを隙間のないように二重に貼る
洗面所のタンクと壁との隙間にベッタリ
水道管と床との隙間にベッタリ
全てのコンセント(2個させるタイプ)のひとつには延長コードを差込んで
もうひとつはガムテでベッタリ
エアコンの口にはネットをガムテでベッタリ
エアコンの…エアコンと壁の間にえらいこっちゃ隙間ができとるー!!
斜めに付いとるやないの!!…入念にベッタリ
外へ出てエアコンの排水口にネットをベッタリ
換気ホースと外壁の隙間をベッタリ

べったり…べったり…
家中ガムテだらけだ
あ、ここもあぶないかもしれない
玄関ドアのポストの受け取りぐちの隙間もベッタリ

そして…そして…それから1ヶ月、とりあえずこの1ヶ月は
彼らは侵入していない
少なくとも姿を見ず、私の精神への被害は免れている

しかし決して油断はできない
彼らは常に住人に平和もたらしたかのような振りをして
安心させた後に毎度毎度、恐怖のずんどこに
落としいれてきたのだから

ただ、いまはただ、この平和を一日でも長く
保っていけることを祈るばかりである
もう真夜中に「どこからはいったー!!!」と叫ばなくて済みますように

このシリーズを今回限りに出来ますように












2005年09月05日(月)
真夜中のパーティー(6) 前編







「遂に本気にさせたのね、させちゃったね篇」

過ぎ去りし夏
今年も何度、昆虫の諸君には悩まされたことであろうか
実家では虫なんてほとんで出なかった
そんな環境で育った私が只、ひ弱なだけなのだらうか

ゴキ目ゴキ科ゴキ…(書きたくもない)には肩をはわれ
ゲジ目ゲジ科ゲジには太ももを撫でられ
節足動物門クモ綱クモ目のクモには背中をさすられ
何度、貴重かつ健やかな睡眠の時間を
地獄の瞬間に変えられたことであらふか

そんな生活のなかで決して努力しなかったわけではない
彼らの侵入を防ぐべく
ゴミはためず掃除はマメにし、設置型駆除剤「コンバット」を各部屋に
数基配備し、できるだけ窓は開けないようにしていた

しかしいくら努力をしているつもりでいても
現実として侵入を許している以上、
彼らに「甘いよーん」とせせら笑われているも同然なのだ
いつの間にか私のなかで
なにかが切れてしまったようである
くやし涙を床にたれながし、私は変わった

まず昆虫駆除関係のHPを読み漁り
彼らの(ゴキ…の)生態、特徴、生活、能力などの
情報収集と研究を重ねた、つまり傾向
そして
彼らは究極の雑食動物であることを知る
人間の食べるもの意外でもたとえば髪の毛でも食べ
水滴が一粒あれば一週間生き延びる
そしてその運動、生活能力を知る
人間の体の大きさに例えれば、時速400kmで走り
小さい種類なら隙間わずか1.6mをかいくぐり
1cmあれば巣を作ることができる
死んだあとでも産卵する場合がある
条件がそろえばテレポートする(…?)
実は死なない(…???)

おそろしい…あまりにもおそろしき敵である
人間が絶滅しようと彼らは生き延びる、と言われるわけだ…

しかしそれらの情報は最早
変身した私には闘志を燃やさせるだけのものだ
情報収集ののち直ちに最終作戦を実行に移した いよいよ対策
つまり…(長くなったのでつづく)