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2005年08月29日(月)
「貧乏な暮し」







「 貧乏は暮らしには慣れたわ
  ねえあんたはどうかしらね
  だけども こんな世の中だもの
  お金がなくちゃね
  それで一稼ぎしようじゃないの
  私は悪い女になってね
  あんたを助けてもいいのよ
  友達は背を向ける
  それでもいいじゃないの
  あんたと私とコンビなら
  最高だと思うよ
  もうあんたの暗い顔見て嫌
  昔は昔ね
  だけどもう引き止めはしないわ
  あんたの好きな様にしたらいい 」


                 浅川マキ 「貧乏な暮し」
                 アルバム 「マイ・マン」から
 



貧乏は常に全身の気を引き締ねばならぬ
貧乏は見栄嫉妬を黙らせなければならぬ
貧乏は必至当然という心を持ってはならぬ
貧乏は奢り昂ぶりの一切を捨てねばならぬ

貧乏は準備万端用意周到でなければならぬ
貧乏は逆境である程賢明を心がけねばならぬ
貧乏は清潔と健康に気を配り続けねばならぬ
貧乏は自制する心を育てなければならぬ

貧乏は励まされる事が上手くなければならぬ
貧乏は遊び楽しみを工夫していなければならぬ
貧乏は己を笑わせる術を得ていなければならぬ
貧乏は己の涙もろさを恥じてはならぬ

貧乏は一杯の飯に深く手を合わさねばならぬ
貧乏は分け合うことに重きを置かねばならぬ
貧乏は倖福が極く簡単であると知らねばならぬ
貧乏は生きている事が稀であると知らねばならぬ

貧乏は
嗚呼、貧乏は














2005年08月20日(土)
「馴れていく」設立5周年記念特別会議録









2005年8月20日午後8時20分
社内なれなれ会議室にて


(営業部長、立ち上がり司会席へ。マイクを指で2度叩く)

営業部長 「皆さん、ご苦労様です。我が『馴れていく』も
       本日を持ちまして5周年を迎えることができました(一同拍手)
       この機により良きサイト作りのための御意見を
       お願いいたします」


(企画部長、おもむろに挙手。胸ポケットからメモを取り出す)

企画部長 「では私から。(メモに目を細める)
        サイトと言えば大抵置いているBBSの設置…
        ページの分割などを使った、より機能的なサイト作り…
        メルマガの配信…
        投稿BBSなど参加型の企画など…
        諸々考えられると思うのですが」(一同頷き、企画部長一礼)


宣伝部長 「indexでのjavaを使った動画の導入もいいですよね」


営業部長 「考えられる企画は多々あるわけです
        問題は制作又、運営の労力を鑑みた上で
        どれを優先させるかということになりそうですが」
     (一同頷き、営業部長咳払い)


宣伝部長 「ではとりあえず代表管理人の意見を」(一同拍手)


(管理人、ほおづえ姿勢のまま)
代表管理人 「遅い更新こそが、長続きの秘訣……」


(一同退席。会議終了)












2005年08月15日(月)
相席








覆うような緑色の
ライトスタンドの下
新宿でお酒をさがしながら
小雨に濡れていた

ついこの前まで
知らない同士だったのだから
指を立てて
跡がつくのだって仕方ない

三杯目にジャニスジョプリンという
真赤なお酒を注文したけど
自分でもおかしくなって

年下という言葉を無理に
飲み干そうとした















2005年08月08日(月)
こどもたち









おとなであることは
ひとに迷惑をかけず
生きている状態であると考える

もちろん誰にも迷惑をかけずに
生きているひとなどとても稀な気はするが
そういう事を言うと
なにをもって迷惑とするか、から
言わなければならないため
長くなりすぎそうなので割愛
この場合、面倒と言い換えても同じ

ともかく僕はまだまだ
こどもなのだ
余裕という言葉から縁遠くてやっかいな

外を歩いているときよく
なんたら戦隊ふたば隊員っ!
このまま任務を遂行せよっ!
しくじるなっ!

かなんか、隊長からの指令が聞こえてくるぐらいだ











2005年08月01日(月)
怪物









ただの皮膚病か
そういう体質なのだということは
分かっていた

毎晩家族が寝静まってから
風呂に入った
家族がいない時間なら昼間でも
ずっと風呂につかっていた

風呂からでて
全身が乾燥してしまえば
首はもうどちらにも曲がらない
顔をはたけばいっせいに床に
皮の雨が降った

真っ赤にふくれあがって
風が吹いたって
痛みが走るこんな顔じゃ

外には出れないましてや
学校になんて行けない
でも電話だけは毎日鳴る

だからずっと風呂の中にいた
漫画で見た、あの
ぼこぼこと全身が腫れ上がった

怪物になってしまうんじゃないかと
恐ろしかった