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2005年02月28日(月)
毎日












ひとに言えない仕事で
毎日が終わっていくようなもの
引き出しの隅に
違う一日がしまってある














2005年02月21日(月)
音楽校舎は森の中









ながい坂道をあがって
ベンチに腰掛けていた

ここにはもう友達もいなくて
煙草ばかり吸っていて

世界が終わる日のことを
考えたりするのはそういうときだよ

ライターでこんな譜面なんか
燃やしちゃたらかっこいい

ソプラノ声の悲鳴も
2階の教室から落ちてくる

まだ世界は一度も
終わった試しはないけれど













2005年02月14日(月)
出会いは突然










土曜日のまだ午前中
アパートの庭から物音がする
がさがさばっちん
がさばっちん

寝てたうちはぼーっと聞いていたけど
しばらくして冷静になれば
うちは1階にあり
ガラス窓のすぐ外でその音はする
これはちとこわい

こっそりカーテンの隙間から覗くと
50代くらいの見知らぬ男性が
庭の柵を乗り越えて庭に立っていた

びくびくびっくる表へでて
声をかけてみることにした
「あのーこの部屋の者なのですが…」

「あ、どうも。今度新しい大家になったほにゃらにゃです
 庭木がよそのお宅の邪魔になるといけないので切ってたんですよ」

あ、そーですかそーですかぁ
そういえば大家さんがアパート売って
持ち主が新しくなりますって葉書きが来てましたわ

緊張から安堵へゆるんだはずみからか、
挨拶せねばと焦ってしまったためなのか
あ。大家さんですか。よろしくお願いします。と言うべきところを

「あ。大家様でらっしゃいますか」とのたまってしまった
こういう初対面での自らの失敗は
フォローの仕様がなく
ふたりのあいだにちょっとした間が空く…

庄屋と小作人じゃないんだから、くらい言ってくれればまだ…
とかなんとか思いつつ一応
「あ、いまお手伝いしますので」と話をすすめてみるが
遠慮されてしまいました
(変な奴だと思われたのかもしれない)

すごすご部屋に戻って
時計が正午を回る頃
庭木の枝という枝が一本も無くなっていました
一階の全ての窓は外から丸見えに

新しい大家さんの
アパート経営への意気込みを感じた
ある冬の一日
























2005年02月07日(月)
どこにいくの








冬になると
おコタ虫がでてきます
足をぽりぽり
亀に似てます
エサはみかん
あー

あったかかったら
なにもーいらないー