2005年01月31日(月) ■

某日（２）

夜中にぽとぽと やかんに火をともす 外では雨が みぞれになったような音がする じっとそれらを見ているうちに そこに突っ立ってる自分まで ただの火か音に なりすましているかのよう かんがえないように かんがえないようにして やがて夜明けが部屋の隅々から しみこんでくるでしょうね まだ今日でも 昨日でもない 某日のお湯が 沸いたところ

2005年01月25日(火) ■

僕の熱気球

僕はあんたが思うよりもずっといやらしい そのことをよく知ってるから つまらないことでも 自慢するのが好きなんだよ 熱気球でも持ってたら 座り込んでバーナー越しに空ばかり見てる 知らない振りしてくれてるのに いやなことばかり言ってごめん ほら、自分らしくっていうやつが もうすぐ僕の命をとりにくるよ

2005年01月17日(月) ■

「結婚」

「小さな男の子が　もっと小さな男の子に 　僕はおまえと結婚するぞと言った 　男の子の母親は驚いて 　それはできないことなのよとさえぎった 　小さな男の子は口をとがらせ抗議した 　どうして結婚できないと思うのさ 　母親はふと思いあたった 　もしかしておまえ　決闘と言いたいの 　小さな男の子はまちがいに気がついて気をとり直して 　そうだよと胸をそらした 　翌日若い母親がオフィスでその話を披露した 　若くない男の社員が呟いた 　同じ場合もあると 　結婚と決闘 　結婚と決闘 　まだ若い母親は話しやめてしまった」 　　　　　　　　　　　　　　　　　　中島みゆき　「結婚」 　　　　　　　　　　　　　　　　　　アルバム　　「短篇集」から 年齢立場負け犬云々 子どもを育てる、血筋を保つ諸々 夢だったり幸福にしたかったり 責任をとったりとらせたり などなど、えーとせーとーらー いっしょに暮らすのとはちょっと違う 結婚をする理由は それぞれにあって良い それぞれにあって良いのだし 同性同士の婚姻を認めるところもあるのだから ペットと結婚できる国 アニメキャラと結婚できる国 植物やロボットやぬいぐｒみや 彫刻と結婚できる国があったら どうだろうと考えてみる

2005年01月10日(月) ■

泥棒

バス停の横におかれた よごれたベンチに腰掛けていて そのひとは 走り去る車一台一台に 「嘘つき、泥棒め」と はきかけている