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| 2011年04月04日(月) |
ビデオ・ニュース・ドットコム「今もなお深刻な福島原発の現状」を文字に起こしました。 |
◆政府の御用学者では無い専門家による、現状説明。
ビデオ・ニュース・ドットコムは会員制で視聴料で経営されている、
テレビの民放のように、東電や東芝、日立(←原子炉を作っている)など、大スポンサーの
顔色を窺う必要がない。また、ネット放送だから(電波ではないから)総務省の規制も受けない。
テレビ(特に民放)に登場する「原子力専門家」を称する学者は、国やスポンサーに不利なことを言えないが
ビデオ・ニュース・ドットコムに、先日来登場する京都大学の小出先生は、極めて簡潔・明瞭に
現状を説明して下さる。
今日発売された「週刊現代」4月16日号、181ページを読んで驚いた。
京大の原子炉実験場は大阪府熊取にあるが、ここには原子力を研究しながら、
その危険性を訴え続けた6人の学者がいた。「熊取6人衆」と呼ばれたそうだが
原子力のムラで「原子力は危険だ」と訴えるのだから、異端児として徹底的に排斥され
皆、講師や助教(助手)のまま定年を迎えた。小出裕章助教もいまだに助教だが、
権力におもねることをせず、科学者として真理を訴え続けた人の迫力を感じる。
小出裕章助教が先週に続いて、ビデオ・ニュース・ドットコムで福島原発の状況を
解説している。
今もなお深刻な福島原発の現状である。
本来1ヶ月525円の会費を払わないと聞けないのだが、
ことが余りにも深刻なので、ビデオ・ニュース・ドットコム代表、神保哲生氏が、
小出助教に週末、土曜日に電話インタビューした番組の一部を文字に起こす。
◆「今もなお深刻な福島原発の現状」より小出助教への電話インタビュー。
(注:Q=神保哲生氏。A=小出裕章京都大学原子炉実験所助教)
Q.小出先生、この一週間の様子をご覧になって、どのようにお感じですか。?
A.現状は破局に至るのを何とか防いでいると言う状況で、こういう状況がずっと続くのかと、私は非常に重苦しい気持です。
Q、先生のおっしゃる「ずっと」とはどれぐらいのイメージですか?
A.私はこの事故が起きた直後には、ほぼ1週間のうちに破局に至るか、回避できるかが決まると思っていたのですが、既に3週間経ってしまっている。その意味で私の予想は既に完全に外れています。それは福島の現場の人達がとにかく原子炉に水を入れ続けて、破局を防いできてくれたおかげだと思います。但し、今後、本当に破局が防げるかどうか、ということについて、私は確信を以て、どうだ、という風にお答え出来ない。今後、破局に至る可能性も至らない可能性もあるが、至らないとすれば、今後まだ、2ヶ月も3ヶ月もかかるでしょう。
Q.水をかけ続けなければならない、ということですね?
A.そうです。
Q.具体的に伺いますが、結局先生、その、肝心なのは、原子炉炉心を水で冷やせているかどうか、ということですか?
A.そうです。それだけです。
Q.冷却装置が壊れたのでとりあえず水をかけることで、今はなんとか(炉心の)温度を下げようとしている。それから、あと、燃料を水につけることで、空気中に出ていくのを防いでいる、という認識でよろしいですか?
A.結構です。
Q.すると、今、あのような海水から淡水に替えたとか、或いは、ホースを使って水をかけているわけですけれども、あのやり方と、元々原発が持っている冷却装置の機能と比べた時に、今の冷やし方というのは、本来の冷却能力と比べて遜色がないと考えて良いのでしょうか?
A.勿論、遜色はあるんです。今は非常に異常な方法で水を入れ続けているわけで、本当は海水など入れてはいけなかったわけです。やむにやまれず海水を入れて、途中で漸く真水に替えたということですが、海水を入れたこと自体で、トラブルの原因を作っている。本来の望ましいことを言うならば、本来の(原子炉の)冷却機能を回復するということが一番いいのですが、残念ながらそれができないまま、ずるずると時が過ぎてしまっている。
Q.つまり、現状では、本来の冷やし方では無い、望ましくない方法で冷やしているしかも、従来よりも温度の高い状態から冷やし始めたわけですね。
A.はい。手探りのままきましたから、本当は冷やさなければいけなかったのに、冷やし切れないで、燃料棒がどんどん壊れている、という状態が今に至っているわけです。
Q.現時点では原子炉内の圧力容器の中の温度は非常に高くなっていると考えて良いのでしょうか?
A,決定的に高くなっていることは確実です。
Q.確実ですか。
A.はい。
Q.ただ、今は、中の計測装置が作動しないので、具体的に何度になっているのかはわからない、と。
A.勿論、分かりません。
Q.分からないと。
A.はい。但し、周辺の環境にプルトニウムという放射性物質が飛び出してきている、ということは測定されていますので、炉心の部分にあるウランのペレットと呼ばれている瀬戸物が既に溶けた、と思います。
Q.溶けている・・・。
A.はい。2,800℃近くにならないと溶けないのですが、それぐらいの温度にもう炉心の部分は達してしまったということは、確実です。
Q.2,800℃に達している、と。
A.はい。
Q.これは、溶けて、外で検出されたと言うことですから、原子炉圧力容器も格納容器も原子炉建屋も破損していると考えていいのでしょうか?
A.そうです。圧力容器は確実に破損しています。格納容器も確実に破損しています。
Q.ということは、温度が高くなっていれば、ペレットの核燃料が外部に漏れ出してきていると考えていい訳ですね?
A.そのとおりです。
Q.非常に初歩的な質問で恐縮なんですが、ヨウ素は気体になって、東京でも検出されたぐらいだが、ウランやプルトニウムは溶け出すと、その次にどのような状態になるのですか?
A.これらは、水にも溶けにくいのですが、けっして「溶けない」わけではないし、絶対蒸発しない訳でも無いのです。ですから、今検出されているプルトニウムはごくごく微量なのですが、ペレットが溶けない限りは、絶対出てきません。そしてペレットが溶けると初めて水の中に溶け出てくるのです。そして水の中に溶け出してしまうと、気体になる部分もあるだろうということです。
Q.現時点では水をかけているが、灌水はできていないというような説明も原子力安全・保安院からあるようですが・・・・。
A.はい、それは既に原子炉の圧力容器が壊れてしまっているということです。
Q.水が漏れてしまっているということですか。
A.そうです。だからいくら水を入れても溜まらないのです。
Q.灌水していないということは、燃料の一部が既に露出しているという意味ですか。
A.まさにそのとおりの意味です。
Q.露出している状態では、何がおきるのですか。
A.水というのはですね。この世にあるなかで、一番冷却する能力が高い物質です。ですから燃料が水の中に浸かっている限りは、殆ど温度が上がらないのです。まして燃料が破損することもないのです。ところが燃料が水から顔を出してしまうと、冷やすことができなくなりますので、一番始めに起きることは燃料棒被服管というジルコニウムという金属で出来ている管が、周辺の水と反応して水素を出します。その為に原子炉建屋が爆発したんですが、その水素が発生する水との反応は、発熱反応なのです。ですから一度その反応が始まってしまうと、どんどん温度が上がって、燃料棒被覆管がどんどん反応する、というそういう悪い方向へ向かったわけです。で、水素が出て爆発した。そうすると今度は管の中に入っているウランの温度も上がって、多分溶けたのだろうと思います。露出が続いていれば、ペレットが溶けるのが速くなると思います。
Q.先生、燃料が溶けるとどうなるのですか、燃料棒があって上のほうが露出しているわけですね?それが熱くなって溶けて落ちた場合圧力容器の底には水が溜まっていますから、一旦は水の中に落ちる、ということですか?
A.そうですね。私は燃料棒は溶けたと思っていますが、溶けた部分はまだ少ないと思います。溶けてしまった小さい部分が水の中に落ちてそうすると一度は溶けるのがとまる、というのが現在の状態ではないか、と思います。但し、これからうまく冷却が出来ないで、炉心の燃料ペレット全体が溶けてしまう、ということになると、水蒸気爆発が起きる可能性を私は否定できないのです。それが「最悪のシナリオ」で、私はそれが起きないことを願っていますが、絶対に起きないと断言することができないのです。
Q.先生、「水蒸気爆発」について教えて下さい。それは何と何が反応して起きるのですか。
A.えーと、原子炉の炉心というところに核燃料があるんです。それで水がどんどん減っていって、圧力容器の底に水が残っている、と。それで炉心全体はもう水から露出してしまっていると言う状態になると、炉心全体が溶けると私は思っているのですが、その溶けた炉心が、圧力容器の下にたまっている水の中に落下する、という、正に「メルト」して「ダウン」する、ということですが、そうなると、溶融金属のかたまりが、水の中に落下するときに、「水蒸気爆発」という現象が起こります。そうすると、圧力容器といっている謂わば「圧力釜」そのものが破壊される、と私はおもっています。
Q.そうなると燃料も飛び散るわけですか。
A,はい。勿論飛び散りますし、溶けた金属の塊が水の中に落ちて水蒸気になるわけですね。そのときに溶けた燃料そのものが飛び散るわけですし、圧力容器がこわれる。そうするとその外側にある「格納容器」というのは、かなりペラペラの容器ですので、それも壊れると思います。そうなると飛び散った炉心の放射性物質の塊がそのまま環境に飛び出してくると。これが私の最悪のシナリオです。
Q.爆発の規模によってはそれがかなり広範囲に飛び散る、と?
A.勿論です。
Q. 常識的にどれぐらいの範囲ですか。
A.チェルノブイリの場合ですと、原子炉の核暴走という形で爆発した訳です。そして中から何百種類もの放射性物質が飛び出して来たのですが、気体状になりやすい放射能、つまりヨウ素とかセシウムとか、そういう物質は「世界中に」飛びました。「地球被曝」という言葉がありましたが、世界中が汚染されたのです。でもプルトニウムとか、そういう物質はなかなか気体に成りにくいので、原子力発電所の周辺何�辧△△襪い蓮�10�辧�20�辧△修Δいθ楼呂貿嗣�に落ちました。
Q.それが、濃密に落ちた場合に、そこから出ている放射線というのは遠くまで届くわけではないのですか。
A.はい。落ちた周辺だけです。
Q.周辺だけですか。
A.そうです。
Q.でも、そこは、全く人は入れなくなってしまうほど濃いのですね?
A.そうです。
Q.先生、今ご説明頂いた「水蒸気爆発」が、最悪シナリオだとすると、先週、回避できるかも知れない、とおっしゃっていましたが、・・・・
A.はい、その「回避できる可能性」は、多分、大きいと思います。
Q.回避するための条件は、どのようなものだとお考えになりますか。
A.私は、正常な冷却回路を回復して欲しいとおもっていたのですが、今や、その望みはありません。
Q.冷却装置を回復するのは難しいということですか。
A.回復したところで意味がありません。原子炉圧力容器自身が壊れていますので、正常な回路を回復しようとしても、もう穴が空いているのですから、回復出来ません。
Q.なるほど・・・・。
A.はい。ですから正常な冷却回路を回復しようとする試み自体がもう無駄です。
Q.それでは、(最悪シナリオを)回避するためには、どういう手段がのこっているのですか。
A.今までどおり、外から原子炉に水を入れるという作業だけです。そうすると入れただけの水は蒸発して、出て来ますので、それは今までどおりタービン建屋などに漏れてくるでしょうし、周辺の環境にも、漏れてきます。
Q.そうすると、地下水や海水の汚染が場合によっては何年も続く、というのが今や、先生のおっしゃる「回避シナリオ」なんですね?
A.そうです。
Q.あんまり「回避し」た感じがしませんけれども、それでも爆発するよりはいいと。
A.はい。爆発するよりはいいと、私は思っているので、何とか爆発をさせないように、これからは「水を入れる」という、それだけしかできないし、入れた水は外に出て来ますので、それをなるべく海など、管理の出来ないところに出さないように閉じこめることができるか、その仕事をこれからしなければなりません。それは多分何ヶ月という単位で続きます。
Q.今のような冷やし方だと、原子炉をシャットダウンしてからどれぐらいの期間、冷やし続けないといけないのでしょう?
A.これは正確には予想できないのですが、既に3週間経っています。原子炉を止めた時には原子炉出力の7パーセントの崩壊熱があったのですが、1日経つと、それがほぼ10分の1になります。そして3週間経って、多分、また、その10分の1くらいに成っていると思います。どうしてそんなに減るかというと、短い寿命の放射性物質が原子炉の中にあって、そういう物質がどんどん無くなっていったからなのです。しかし、3週間も経ってしまうと、もう短い寿命の放射能が殆ど無くなってしまっている状態ですから、これからはもうなかなか熱が下がらないという時期になります。ですからこれから1ヶ月経っても2ヶ月経っても、崩壊熱自体は減りませんので、長い長い戦いになります。作業員の方も被曝して交替しなければなりません。かなり専門的な知識を持った人が必要なので、その長い期間、そういう人を確保出来るか、という問題もあります。
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