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2007年04月04日(水) |
「タミフル異常行動128人、10歳未満43人・厚労省まとめ 」←何度言ったら分かるんだ。 |
◆記事:タミフル異常行動128人、10歳未満43人・厚労省まとめ
インフルエンザ治療薬「タミフル」を服用し、3月20日までの6年間で副作用が疑われる報告のあった約1080人のうち、
高所から転落するなどの異常行動が128人にのぼることが4日、厚生労働省のまとめでわかった。
異常行動があった患者の約8割は未成年で、10歳未満も43人含まれていた。同省は服用と異常行動の因果関係を、さらに調査する。
厚労省が、同日開かれた薬事・食品衛生審議会の安全対策調査会に報告。
同省は10代への投与を原則中止にしているが、集計結果を受けて、同調査会は「10歳未満への処方は当面継続することが妥当」と結論づけた。
調査対象は2001年のタミフル販売から、10代への処方制限が決まった3月20日までに寄せられた副作用が疑われる1079人分。
1割強の患者に、高所からの転落や、歩き回ったり暴れるなどの異常行動が服用後現れたことになる。このうち8人は死亡した。
128人の内訳は10代が57人、10歳未満も43人など。未成年が約8割を占めた。
4日までに計23人の転落報告があり、うち19人が10代だった。 (NIKKEI NET)(2007/04/04 21:49)
◆コメント:何度言っても分からない。「タミフル異常行動128人」服用した人は今まで何百万人いるのか、何故書かない。
引用した記事は、何の意味も持たない。
全ては相対的である。
6年間で異常行動を起こしたのは、128人だという。
では、異常行動を起こさなかった患者は何百万人いるのか。
言い換えるなら、日本全体でタミフルをその6年間で服用した日本在住の日本人は何人いるのか。
それを書かなければ、意味を為さないことぐらい、どうして分からないのか。
分からないフリをしているのか、フリをしているなら、それは何故か。
私は、朝読毎と日経にメールを出したが答えはいまだに得られない。
◆コメント2:WHO疫学週報によれば、日本では2003年から2004年に600万人がタミフルを飲んだ。
WHOによれば、日本では毎年300万人が服用するという。
根拠は小樽保健所が毎週訳して下さっている、WHO疫学週報だ。
Macは知らないが、Windowsならば、Webページを検索するには、まず、「Ctrl」キーを押し、次に「F」キーを押す。
すると検索ウィンドウが現れるから、カタカナで「タミフル」を入力してEnterキーを押す。
何度か押すと、WHO疫学週報の「80;149-156,2005(4月29日)」に、
日本では、2003-2004に600万人がタミフル服用。
という記述があるのが、簡単に見つかる。
2年間で600万人なら1年平均300万人。
これが、私が「年間約300万人の日本人がタミフルを飲んでいる。」と書くソースである。
現在はさらに服用者が増えていることは容易に想像できる。
◆コメント3:タミフルを300万人が毎年服用し、異常行動を起こしたのは年間平均21人。確率0.0007%
異常行動を起こした128人は毎年均等に出現した訳では無いだろうが、計算の便宜上、1年に平均にすると、約21人である。
ここでは、タミフルと異常行動との因果関係はまだ何も分かっていないが、最悪の状態と仮定する。
つまり、6年間の異常行動を起こした128人全員が、タミフルによるものとする。
それでも、確率は、0.0007%。100万分の7である。
◆コメント4:インフルエンザウィルスのうち、H5N1型ウイルスの毒性は極めて強い。
どれぐらい強いかというと、
WHOによれば、2003年から2005年8月までに感染が確認された、
ベトナムなど東南アジア112人中、半数を超える57人が死亡している。
◆コメント5:タミフルを服用せずに異常行動を示した患者数も正確に伝えよ。
マスコミはタミフルを飲んだあと、飛び降りて亡くなった患者のことばかり強調するが、
ここ一ヶ月の間に、タミフルを飲まないのに、異常行動を起こしている例が、私が見つけただけでも、3例ある。
1例目はインフルエンザ14歳タミフル服用せず飛び降りの記事2。3月17日。
2例目は、「インフルエンザ少年に異常 タミフルは服用せず」(3月30日 産経新聞)
これは、3月21日、横浜での事件である。記事は、ウェブ魚拓というキャッシュを保存するサービスを用いて保存した。
リンクを貼ることができないので、アドレスを記す。
http://megalodon.jp/?url=http://headlines.yahoo.co.jp/hl%3fa%3d20070330-00000006-san-soci&date=20070405001327
3例目は「インフルエンザ?の男児転落死=タミフルは服用せず−京都」(4月2日13時31分配信 時事通信)
これは、3月27日に京都で起きた事例である。同様にWEBキャッシュのURLを記す。
http://megalodon.jp/?url=http://headlines.yahoo.co.jp/hl%3fa%3d20070402-00000059-jij-soci&date=20070405001930
◆結論1:タミフルと異常行動との因果関係は解明されていない。
結論を最初に述べる。
タミフルと異常行動との因果関係、つまりタミフルが異常行動を惹起するということは、証明されていない。
マスコミが騒ぎ立てるので、やたらと怖がる人が多いが、タミフルを飲んだ後に、飛び降りなどの異常行動が散見されるので、
「関係があるのではないか?」という「仮説」が存在するのみである。
◆結論2:タミフルを飲んだ後、異常行動を起こす確率は0.0007%。H5N1型ウイルスに感染した患者の死亡率は50%以上。どちらを選びますか?
薬の副作用と、薬を飲まない場合の、インフルエンザそのものによる生命の危険のどちらが大きいかということで、云うまでも無かろう。
私は3月24日のエントリーで
欧州医薬品審査庁医薬品委員会が3月23日に発表した、
適切な指示の下で使用されれば「利益が危険性を上回る」
というステートメントを引用したが、やはりそれは正しいと思われる。
◆最後の結論:日本のマスコミの一面的報道姿勢は誤っている。
日本のマスコミは、タミフルと異常行動の因果関係はまだ証明されていないのに、あたかも証明済みであるかの如き印象を与える記事を書き、
抗インフルエンザウィルス薬に対する国民の恐怖心を徒に煽るばかりで、
強毒性のインフルエンザに罹患した場合、生命に関わる問題であることを、殆ど伝えない。
また、タミフルを飲んでいないのに、異常行動を起こしたケースが最近一ヶ月で、3例もある事実もきちんと報ずるべきだ。
過去六年間でタミフルを飲んで異常行動を起こしたとされる128人に関しても、同様である。
分かっているのは、タミフルを飲んだ後に異常行動を起こした、ということだけであり、
それがそのままタミフルと異常行動との因果関係を示すわけではない、
という当たり前のことを中立的な見地から、客観的、合理的に報道するべきである。
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