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2009年07月21日(火) |
衆議院の解散・総選挙に関して。 |
◆記事1:衆議院 本会議で解散 8月30日投開票へ(7月21日13時16分配信 毎日新聞)
衆院は21日午後1時からの本会議で解散された。05年9月の「郵政選挙」以来4年ぶりとなる第45回衆院選
(定数480=小選挙区300、比例代表180)は「8月18日公示−30日投票」の日程で行われる。
オバマ米大統領の誕生など世界の政治潮流が大きく変化する中、自民、公明両党が10年間に及んだ連立政権を維持できるか、
民主党を中心とする政権が誕生するかが最大の焦点となる。「政権交代」を目指す高揚感に包まれる民主党に対し、
自民党は麻生太郎首相が両院議員懇談会でおわびと反省を表明する混迷の中で解散を迎えた。(以下略)
◆記事2:自民支持率2割切る 比例投票先「民主」46% FNN世論調査(7月21日15時51分配信 産経新聞)
FNN(フジニュースネットワーク)が18、19の両日に行った世論調査で、
自民党の政党支持率は前回(6月20、21日調査)から0・3ポイント低下して19・8%と2割を割り込んだ。
麻生内閣の支持率は15・9%(前回比1・6ポイント減)、不支持は71・4%(1・3ポイント減)で低迷が続いている。
衆院選の比例代表の投票先でも、民主が46・0%と微増だったのに対し、自民党は1・5ポイント減の23・7%で、麻生政権下で最低を更新した。
自民党が大敗した東京都議選の結果については、次期衆院選に影響するとの回答が9割近くに上ったが、
麻生首相が責任を取るべきだとしたのは46・6%、そう思わないが46・7%と拮抗(きっこう)。
自民党で起きた「麻生降ろし」の動きについても「理解できない」とした回答が55・9%と5割を超えた。
首相にふさわしい政治家では、舛添要一厚生労働相が15・2%とトップ。
民主党の岡田克也幹事長が12・9%で2位に浮上した。鳩山由紀夫代表は8・7%、
麻生太郎首相は3・8%だったが、麻生首相と鳩山氏を比較した質問では「信頼できる」「首相にふさわしい」など、
いずれも鳩山氏が大きく上回った。
◆コメント:解散から投票まで過去最長なのですから、十分に勉強することが必要です。
本日、衆議院が解散され、8月30日に投開票が行われます。解散から投票日までちょうど40日です。
日本国憲法第54条第一項の文言(もんごん)は次の通り。
衆議院が解散されたときは、解散の日から四十日以内に、衆議院議員の総選挙を行ひ、その選挙の日から三十日以内に、国会を召集しなければならない。
つまり、今回の衆院選の解散から選挙までの時間は、憲法で許容されたギリギリの長さなのです。
そのこと自体は、合憲ですから問題ありません。
私が申し上げたいのは、それだけ時間があるのだから、選挙までに有権者は勉強する時間が十分にありますね?
ということです。
何度も書きますが、前回の衆院選は2005年の郵政民営化選挙。
2005年8月8日に参議院で郵政民営化法案が否決されたら、
小泉元首相は、即日、衆議院を解散して、9月11日に選挙が行われました。
私はその間、何度も小泉政権の問題を訴えましたが、結局、小泉率いる自民党が大勝しました。
これは、自民党、小泉首相の政策や、政治的理念が受け入れられたと言うよりも、その時の「小泉人気」が大きく影響しました。
あの選挙で、小泉自民党が率いる自民党の政策がどのようなもので、それの何がすぐれているのか。
また、郵便事業のように公共性の高いサービスを、本当に民営化して良いのか、つまり、民間企業の「商売」にして良いのか、
有権者は、よく考えていたと思えません。あたかも芸能人人気投票や、「最も上司になってほしいタレント」などと同じ感覚で投票行動を
行ったのではないかと思います。その結果どうなったか。
ある学者さんが非常に的確な指摘をしています。それは、ちょっと難しいかも知れませんが、次のように要約してあります。
自民党というのは、古く溯れば、日本がまだ農村社会であった頃、自民党は農村に政治的基盤を置き、
農村開発を通じて再配分を行うことで国民の広汎な支持を獲得してきた。その後、高度経済成長とともに、
自民党は池田内閣の所得倍増計画に見られるような、市場重視の伝統的保守主義に軸足を移していくが、
市場経済がもたらす利益は公共事業によって農村に還元するという再配分政策だけはその後も続いた。
政治思想的には伝統的保守を標榜しながら、実際は再配分政党であり続けたことが、自民党の特色だった。
しかし、その後1990年代の低成長時代に入ると、そもそも地方に最配分するための財源が底をつき始め、
自民党型再配分政治の統治モデルがいよいよ立ち行かなくなる。
そこに颯爽と登場したのが、自民党をぶっ壊すをスローガンとする小泉元首相だった。
国民の高い支持に支えられた小泉政権は、自民党の伝統的な利益再配分政治を一掃し、新自由主義へと舵を切った。
それが功を奏し、自民党は少なくとも一時的に農村政党から都市政党への脱皮に成功したかに見えた。
しかし、小泉政権の新自由主義的政策は、それまでの再配分で「一億総中流」と言われるほど所得の平準化が進んでいた日本で所得格差を急拡大させ、
公的補助の削減によってセーフティネットからこぼれ落ちる困窮層を急拡大させた。
小泉政権以後の自民党政権では、改革の負の面が一気に吹き出し、構造改革路線も立ち行かなくなる。
しかし、かといって今更農村政党に戻ることもできず、自民党は政策的には「八つ裂き状態」(杉田氏)に陥ってしまう。
うんと、簡単に言えば、昔の自民党に問題が無かったわけではないけれども、富の再配分によって、国民にかなり均等に利益が配分されていたのに、
小泉がアメリカ式、自由主義を持ち込んだ結果、「自民党」をぶっ壊すどころか、これまでにないほど日本国民の所得格差を拡げて、
弱者は勝手にのたれ死んで下さいという世の中になってしまったのです。
しかし、その小泉を選んだのは、他ならぬ我々主権者たる国民です。
その時の、政治家や政党の勢い、人気だけに目が眩んで、
「本当にこの政党が政権を取ったら日本はどうなるのか」ということをよく考えなかったのです。
◆今度は民主党が、「人気」を利用し始めました。
前回の衆院選で歴史的大敗を喫した民主党は、幸い、昨年9月以降の世界不況も麻生政権にとって逆風となり、
相対的に「人気」が出てきました。先週の東京都議会議員選挙の民主党当選者一覧を見るとわかりますが、
勿論全ての選挙区ではないけれども、民主党は政策云々よりも、有権者に「人気」がありそうな若い「イケメン」の兄ちゃんや、
カワイ子ちゃんのオネエチャンを多用しています。勝てば官軍ですが、あの若い坊や達に投票した人々は、本当に、民主党の
政策が分かっていたのか、今でも分かっているのか、疑問に思います。大抵のお兄ちゃん達の言っていることに斬新なアイディアは
認められません。どうも「イケメン支持」「カワイコちゃん支持」で票を投じたのではないか、と思ってしまいます。
国政レベルにおいて、民主党はマニフェストにおいて、小泉政権時代に壊された、
セーフティネットの再構築や、国民の可処分所得を増やすことを掲げていますが、人気を一挙に失う恐れがある
消費税増税はしない、といっている。無駄に切り落としで、何とか財源を拠出する、と言います。
非常に困難ですが、あと40日あります。私も考えるけれども、有権者がよーく考えて、政策の現実性を検証する必要があります。
とりあえず政権を取るために、出来そうもないことをマニフェストに掲げていないか。
公約とか、マニフェストは、書いてあることを、
「何だか分からないけど、そうか、そうか」
と読み流すのではなく、これは具体的には何をするのか。
その為の財源が説明されているか。などと、いちいち疑って読むと、問題点が分かってくるのです。
無論、自民党に関しても同じ事です。
財源論争にかんしては、新聞が簡単な表にまとめていたので、載せておきます。
とにかく。こんどこそ、4年前のように、「何となく感じが良いから」「こちらを向いて手を振ってくれたから」
「カッコイイから」で投票する愚だけは避けましょう。
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2008年07月21日(月) 「三沢F16がタリバン爆撃/昨年8月」←昨年8月どころかイラク戦争前から、行われている。
2007年07月21日(土) 「<国際物理五輪>灘高の2人が日本初の金メダル」←毎度、同じ事を書くが、何故「良い事」を大きく報じないのか?
2006年07月21日(金) 「ドミニカ移民」にあれほど同情しながら、北朝鮮拉致被害者には無関心な、内閣総理大臣。
2005年07月21日(木) 地下鉄・バスで連続爆発=1人負傷、同時テロの可能性も−ロンドン 23:54現在、死傷者はいない模様。(軽傷1名)
2004年07月21日(水) 「伝説的指揮者、カルロス・クライバー氏が死去」たまには音楽の話を書かせて下さい。
2003年07月21日(月) 「けちな奴等だ。自分で自分のした事が云えないぐらいなら、てんでしないがいい」(坊っちゃん)