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JIROの独断的日記
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2009年06月10日(水) 「東証大引け、反発で年初来高値」←終値は9991円でしたが、全然景気の実体を伴っていません。

◆記事:東証大引け、反発で年初来高値 個人中心に物色意欲が旺盛(NIKKEI NET)(10日 15:29)

10日の東京株式市場で日経平均株価は反発。前日比204円67銭(2.09%)高の9991円49銭とこの日の高値で引け、

2日ぶりに年初来高値を更新した。1万円の大台を維持していた2008年10月7日(1万155円)以来、約8カ月ぶりの水準まで回復した。

景気底入れ期待が根強く、売買の回転が効いている個人投資家を中心に物色意欲が旺盛だった。

東証株価指数(TOPIX)も反発し、2日ぶりに年初来高値を更新した。

内閣府が朝方発表した4月の機械受注統計では、設備投資の先行指標となる「船舶・電力を除く民需」の受注額が2カ月連続で減少したが、

需要者別では「電気機械」や「自動車工業」の発注が増加。主要産業で設備投資が持ち直しているとして、

市場では前向きに受け止める雰囲気が強かった。香港などアジア株相場が堅調に推移したことも、後場一段高の一因となった。


◆コメント:今日、発表された指標は、皆悪いのです。株価が一本調子に上昇するとは思えません。

日経の「東証大引け」記事を読むと、日経平均株価が年初来高値を更新した「理由」を色々並べています。

しかし、こういう記事はどのようにも書けるのです。日経の記者は、東京株式市場が終わると、

あちこちの証券会社や、銀行や、その他、マーケットを見ることを仕事としている、企業の「エコノミスト」などに、

「今日のマーケットはどうでしたか?」と、片っ端から電話をして訊くのです。自らはマーケットの参加者ではないから、

(参加者だったら大変です。自分のポジション(持ち高)に都合が良い方向に相場が動くような情報を流せば、儲かります。

それは、相場操縦で、証券取引法違反になります)、本当のマーケットの様子は分からないのです。


ですから、日経でもどのマスコミも同じで、実際のプロの市場参加者に話しを訊いて、いくつかをまとめて、

尤もらしい「ストーリー」に仕立て上げるのです。

今日、何故、日経平均株価が、10,000円まであと9円という水準まで上昇したのか、

本当の所は、誰にもわからないのです。

株価は景気の先行指標で、株価の上昇が続くようならば、やや時差はあるものの、

景気が好転する兆しだ、ということが一般論として昔から言われますが、

今回は全然宛にならないと思います。もし、1万円台に乗ったら、絶対に利食いで売られるでしょう。


◆今日発表された、様々な統計が、如何に悪かったか。

普通のニュースでは、いちいち報道しませんが、毎日色々な指標が発表されます。

大きく分けて、役所が発表する指標(最も重要というか、代表的なのは、国内総生産(GDP)などです)と、

民間の企業団体や、調査企業が発表するものがあります。

今日、発表された数字を出来るだけ簡単にまとめます。

◆企業物価指数 22年ぶり大幅下落 需要減でデフレ圧力(6月10日21時53分配信 毎日新聞)

日銀が10日発表した5月の国内企業物価指数(05年平均=100)は103.0と前年同月比で5.4%下落し、

87年3月以来約22年ぶりの大幅な落ち込みとなった。景気低迷に伴う需要減少でデフレ圧力が一段と強まっており、

販売価格の低下が企業収益を圧迫して、景気回復の重しとなりかねない。

企業物価指数は出荷や卸売りの価格水準を示す。原材料価格が高騰した昨年夏までは上昇率が拡大していたが、

金融危機で一変。原油高の反動もあり、下落が加速している。

企業物価指数は、以前卸売物価指数と呼ばれていたものです。卸売り価格が前年同月比マイナス5.4%。22年ぶりの下落率。

企業物価指数の下落が続けば、消費者物価指数にもやや遅れて反映されます(既に消費者物価も下がり始めています)。

つまり、デフレの危険があるのです。
◆4月機械受注、2カ月連続減で22年ぶり低水準(6月10日10時41分配信 ロイター)

内閣府が10日に発表した4月機械受注統計によると、設備投資の先行指標である船舶・電力を除いた民需の受注額(季節調整値)は、

前月比5.4%減の6888億円となり、1987年5月以来の7000億円割れとなった。

減少は2カ月連続で、0.4%増と予測されていたロイター事前調査を下回った。

ただ、自動車や電機など加工組み立て業種では下げ止まり感が出てきたことから

内閣府では機械受注の判断を「減少テンポが緩やかになってきている」と前月からの判断を踏襲した。

国内民需をみると、製造業からの受注は前月比9.4%減、非製造業は同8.8%減となった。

化学工業や金属製品工業、一般機械工業からの受注は減少したが、

自動車工業や電機からの受注は2カ月連続の増加となるなど、「加工組み立て業種には下げ止まり感がうかがえる」(内閣府)という。

機械受注が減っている。しかもこれも22年ぶりの低水準。ということは、モノを作っても売れないので、

新たに機械を買って、製品を増産する、つまり設備投資する意図が製造業に無いということです。

総需要が減っているから、下手におカネを借りて設備投資などしたら、潰れてしまいます。

機械受注が減っているというのは、そう言うことです。

その他、兎に角、モノが売れない。国全体の需要が減っているのです。主な記事を簡単にまとめます。
◆鉄鋼連盟:4月の普通鋼受注は前年比35%減-下落率は縮小 (ブルームバーグ)(2009/06/10 18:23)

日本鉄鋼連盟が10日公表した2009 年4月の普通鋼鋼材の受注量は、454万5000トンと前年同月比で35%減小した。

9カ月連続で前年割れとなったものの、3月の44%減から縮小した。

4月の受注量のうち内需は前年同月比43%減。外需は17%減だった。

◆車保有台数、2年連続マイナス=少子高齢化で0.4%減−08年度末(6月10日19時1分配信 時事通信)

自動車検査登録情報協会は10日、全国の車の数を示す2008年度末の自動車保有台数(軽自動車や二輪車含む)が

前年度末比0.4%減の7880万542台となり、2年連続で減少したと発表した。

「少子高齢化や若者の車離れが続いている」(自検協)ほか、世界的な新車販売不振で国内市場が縮小傾向にあることも響いた。

◆5月中古車販売、4カ月連続減=自販連 (時事通信)

日本自動車販売協会連合会は10日、5月の中古車販売台数が前年同月比12.9%減の30万5511台だったと発表した。

4カ月連続の減少で、台数は1978年の統計開始以来、5月としては過去最低。下落率は4月の1.0%から拡大した。

新車販売の低迷で、引き続き下取り車が不足している

◆5月のビール系出荷量は前年比‐3.1%、3カ月ぶりのマイナス(6月10日11時53分配信 ロイター)

ビール酒造組合などが10日発表した5月のビール系飲料(ビール・発泡酒・第3のビール)の出荷量(課税ベース)は、前年比3.1%減で3カ月ぶりに減少した。

◆4月の携帯出荷41.5%減、10カ月連続前年割れ(NIKKEI NET)(12:43)

電子情報技術産業協会(JEITA)が10日発表した4月の携帯電話・PHS端末のメーカー出荷台数は前年同月比41.5%減の193万台で、

10カ月連続の前年割れとなった。現在の方法で2003年4月に統計を取り始めてから、3番目の低水準。

機械の受注が減っているのですから、機械の原材料となる鉄鋼の注文が減るのは当然です。

クルマは新しく買えないし、持っていると税金とか車検費用、保険料などが要りますから、不況時には手放す人が多い。

所得が減っているし、維持費がかかるから、中古車ですら売れない。

ビールは一ヶ月だけの統計ではよく分かりませんが、気温も湿度も上がっているのに、売り上げが落ちる、

ということは、業務用の出荷が減っているのかも知れません。自宅で飲んだ方が安いですから。


◆結論:財政支出を増やすか、減税によって総需要を創出しないと景気はいつまで経っても落ちこんだままです。

こればかりは、皆が予想していたことですが、定額給付金なんぞ、一回一世帯数万円。貰わないよりマシという程度であって、

今の景気の悪さからすると、正に焼け石に水。何の効果も無かったですね。

与党は、毎日、鳩山邦夫が日本郵政の西川社長の続投を認めない、とムキになっていますが、

かんぽの宿をオリックスに一括譲渡することが不正義だ、と繰り返しますが、一体何がどう不正義なのか、

総務大臣は一度もきちんと説明せず、「信念は曲げられない」とバカの一つのように繰り返し、内閣総理大臣も

だらしなくて、「黙れ」といえない。

国会の運営費は、一般会計予算から出ていて、衆議院と参議院合計で、1日あたり3億円の費用を使っているのです。

それは、一昨年、記事にしました。

自民幹事長・伊吹氏、政調会長に谷垣氏、←何でも良いから早く仕事しろ。国会運営費1,024億円

ですからね。そういうアホなことに税金をつかうなら、財政支出によって、日本全体の需要、総需要を創出していただきたいですね。

国会議員のセンセーがたの、子供じみた行為の繰り返しで、我々が額に汗して働いて納めた税金を浪費して欲しくありません。

皆さんも、そう思われるのではないでしょうか?

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2008年06月10日(火) 「容疑者の両親が謝罪 父『申し訳ありませんでした』 母は倒れ込む」←親父、分かってない。母親はヒステリーで誤魔化している。
2007年06月10日(日) 「社保庁システムにトラブル、納付記録確認が一時不能に」←「バックアップ取ってなくて、コンピューターデータも消えた」と言いそうだ。
2006年06月10日(土) 「防衛省」法案を閣議決定 臨時国会で成立目指す←ダメ。
2005年06月10日(金) 国語力の低下(続き)
2004年06月10日(木) <小6同級生殺害>救急隊員に「惨事ストレス」 PTSD専門医療機関の必要性
2003年06月10日(火) 「洪庵のたいまつ」

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