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2009年05月19日(火) |
5月18日はマーラー(1860-1911)の命日でした。「さすらう若人の歌」、交響曲1番3楽章、5番「第1楽章」「第四楽章アダージェット」 |
◆マーラーは歌も書いていて、それが交響曲に使われているんです。
最初に白状してしまうと、私はマーラーは詳しくないのです。全然。彼の交響曲を全部聴いていません。
マーラーの交響曲では、大抵、私の好きなトランペットが活躍しますが、
今までは、その中でも特にトランペットが大活躍する交響曲第5番ばかり取りあげました。
今日も取りあげるのですが(笑)、それだけではいくら何でも、何とかの一つ覚えなので、
交響曲第1番から第三楽章を聴いて頂きます。非常に切なく、美しいのです。
ただ、マーラーは交響曲ばかりではなく、歌も書いていまして、その旋律を交響曲に使っているのです。
だから、本当は、彼の歌も聴いておくと、交響曲を聴いたときにも面白いのですが、全部アップしたら大変です。
彼が最初に書いた交響曲、第一番「巨人」は名前からは想像し難いのですが、第3楽章が大変美しいのです。
そこでも歌曲集「さすらう若人の歌」 の第4曲「恋人の青い瞳」が使われています。ちょっと暗いですけど、
まあ、マーラーは大抵暗いです(笑)。
それでは、歌曲集「さすらう若人の歌」 の第4曲「恋人の青い瞳」をまずお聴き下さい。
歌は、ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウという名バリトンで、もしクラシック通を自称するけど怪しい人がいたら、
「フィッシャー・ディースカウ知ってるよね?」と訊いてみてください。知らなかったら、モグリです。
CDは、マーラー&シューマン:歌曲集です。録音は古いですが、
何しろ、伴奏の指揮をしているのがフルトヴェングラーって、カラヤンの前のベルリンフィルの音楽監督だった人で、
1950年代の録音ですから、これでも大分聴きやすくしてるんです。辛抱して下さいませ。
とにかく、これは上手い演奏なのです。
しかし、ずーっと暗いですからね。飽きたら無理して最後まで聴かないでも良いです。
Die zwei blauen Augen(二つの青い目)
◆交響曲第一番「巨人」第三楽章。切ない・・・・。
さて、この歌がそのまま、丸ごと使われている訳じゃないのですが、一部使っているのが同じ時期に作曲された、
マーラーの交響曲第1番です。その第3楽章に使われています。こちらは最初コントラバスのソロが出てきます。
珍しい。そして、再生開始後2分半を過ぎたあたりから、オーボエが切ない旋律を吹き、トランペットが重なります。
オーボエの旋律はヴァイオリンに引き継がれます。これがたまらなく切ない。泣ける。これを聴いて頂きたい。
マーラー作曲:交響曲第1番「巨人」より第3楽章。演奏は、オトマール・スイトナー 指揮、シュターツカペレ・ドレスデン
(ドレスデン歌劇場管弦楽団。超一流です)。
Mahler Symphony No.1 3rd mov
地味ですけど、最初から一定のリズムを刻んでいるティンパニ。これ、神経使うと思いますよ。
こんな簡単なの、と思われるかも知れませんが、そうじゃないの。上手い人は音が違うのです。
そしてティンパニでも「歌っ」ているんですよ。
因みにこれは交響曲1番の第三楽章ですけど、出来たら一度、生かテレビで終楽章まで見て下さい。
音楽も壮大ですが、終わり近くになると、ステージ上で、視覚的に「アッ!」と驚くような演出があります。
それはネタバレしたら面白くないから書きませんけど、プレーヤー、指揮者が勝手に行うことではなくて、
マーラーがスコアに指示しているのです。クラシックで普通、こういうのはありません。
◆毎年恒例、交響曲第5番の第一楽章と、第四楽章「アダージェット」ですが、今年は映像です。
古今東西、数え切れないほどの作曲家が交響曲を書きましたが、マーラーの5番は大変エキサイティングです。
冒頭の12小節、音をだすのは、1人のトランペット奏者だけです。音域的、技術的にはプロならそんなに難しくないけど、
何しろ、曲の冒頭ですから、ここで音がひっくり返ったら、酷なことを言えば、
はい、今日のマーラーの5番はお仕舞い。
といっても過言ではない。そういう物なのです。本当にプロというのは大変だと思います。
そういうプレッシャーに耐え続けられる人だけがプロになれ、首席奏者になることができるのです。
私はロンドン駐在時代に、ロイヤル・フェルティバル・ホールで、
フィルハーモニア管弦楽団、ベルリン・フィル、ウィーン・フィル、ロンドン・フィルの4つのオーケストラで4回この曲を
聴きました。どのオケも一流なのに、なんと4人のうち、二人は冒頭のソロに失敗しました。
この曲を聴きに行くときは、自分が演奏する訳じゃないのに、私は極度の緊張状態に陥ります。
スイマセン。毎年同じ事を書いています。分かっているけど書きたくなってしまうんです。
それでは、マーラー作曲、交響曲第5番 嬰ハ短調 より、まず、第一楽章をお聴き下さい。
演奏は、今年は、音質は落ちますが映像と共に。かなり前のものですが、バーンスタインが、ウィーン・フィルを指揮したものです。
トランペット・ソロは長年、ウィーン・フィルの首席を務めたアドルフ・ホラー先生です。
第一楽章(1/2)
第一楽章(2/2)
冒頭も緊張しますが、楽章終わり近くのギリギリのピアニッシモも、息が止まりそうです。
次は、これまでに何度も聴いて頂きました。マーラーの全ての交響曲の中で最も有名な楽章かも知れません。
第四楽章、アダージェット(1/2)
第四楽章、アダージェット(2/2)
これも、毎年、馬鹿の一つ覚えのように同じ事を書きますが、ぞっとするほど美しい。弦楽器の表現力の
奥深さがよく分かります。神経を使うだろうと思います。弦楽器奏者達が楽器を弾くときの弓の動きの遅さ、に注目して下さい。
遅いほど難しい。音が揺れやすい。音質にムラが出たり、下手なら音がかすれたりしやすい。
勿論天下のウィーン・フィルですからそんなことは有りませんが、最後、消えるようにディミヌエンドするところ。
バーンスタインは音を切ってないでしょ?限りなく無音に近づく極限の弱音まで音量が下がり、自然に終わる。
生で聴いていると、息をするのも憚られる。こちらの心臓の鼓動が他の人に聞こえて、音楽を邪魔するのではないか
という錯覚に陥ります。
終楽章の冒頭がちょっと入っちゃってますが、これは無音のところで、切って欲しかったです。
しかし、他人様がアップしてくれた映像だから、文句言えません。
今日は完全に自己満足のブログでした。ご容赦のほど。
それでは。
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