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JIROの独断的日記
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2009年04月27日(月) 【音楽・映像】西本智実さん(指揮者)の演奏をいくつか。良いと思うんです。

◆今までにも何度か、お薦めしました。映像は今日が初めてです。

私が最初にこの指揮者について書いたのは約2年前でして、

2007年03月02日(金) 西本智実という指揮者は、性別と無関係に、なかなか、いい。ココログ

というタイトルを付けていますが、偉そうですね。生意気ですね。

何でこんな書き方したんだろ?汗顔の至りでございます。申し訳ございません。


それから1年後、昨年、もう一度お薦めしてます。

2008年01月18日(金) 昨年3月、西本智実という指揮者はなかなか、いい、と書きましたが、やはり当たってるようです。お薦めDVD ココログ

結局同じ、ボレロ 火の鳥 & 展覧会の絵をお薦めしています。

御常連の読者の方はお気づきだと思いますが、私は最近になって、やっとYouTubeから動画を検索してアップする、

という、音楽の紹介方法があることに気が付いたのです。

「何故、今まで気が付かなかったのだ?」

と訊かれても、答えようが無いんです。要するにあまりYouTubeを見たことが無かったから、

発想になかったのですね。

今日は西本さんの演奏を音と映像でお楽しみ頂きたい、と思います。

この人、良いと思うのです。


◆ヴェルディ:「運命の力」序曲

これは、幻想交響曲 [DVD]にカップリングで収録されている演奏でしょう。

まあ、どうぞごらん下さい。

ヴェルディ:「運命の力」序曲




抑えすぎず、鳴らしすぎず、良いセンスだと思います。オーケストラはチェコ国立管弦楽団ですが、

プレイヤーが西本さんを見ていますよね。オーケストラが「てやんでえ」と思っていたら、白けた演奏になります。


◆ベルリオーズ:「幻想交響曲」より第四楽章「断頭台への行進」

「運命の力」が収録されているのと同じDVD。勿論こちらがメインプログラムです。

私は、この楽章大好きなんですけどね。いいですよ。

トランペット(本当はコルネットという楽器で吹くのですが)が高らかにマーチを奏でる部分の始め、

惜しいのですが、一瞬映像と音が跳んでます。が他は普通に聴けます。



あのね。良いのだけどね。生で聴いてないから本当は軽々しく書くべきではないんですが、

非常に真面目な、演奏だし、バランスも良く、奇を衒った所もない「良い演奏」なのですが、

この楽章は、オーケストラのダイナミック・レンジ(最弱音から最強音までの音量の幅)を、

もっと大胆に使って良いように思います。最初思い切りピアニッシモで初めて、マーチの部分や

最後コーダの所は、もう少しガンガン鳴らしても良いように思います。ただこれは趣味、解釈の問題です。


◆「ボレロ」

これが、2年前からお薦めしているDVDボレロ 火の鳥 & 展覧会の絵の一部ですね。

2002年、ロシア・ボリショイ交響楽団“ミレニウム”の首席指揮者に就任し、その記念に2003年5月にモスクワ音楽院大ホールで行われた、

コンサートの録画です。ボレロの盛り上げ方が上手い。ヤバいのは、指揮者が自分だけ興奮して盛り上がり、

オーケストラが「シラーっ」としてしまう演奏で、これは素人でも客席で見ていると嫌なものですが、

西本さんテンポも乱れないし、クライマックスを上手に作っています。最後が最強音になるべき曲ですから、

逆算して、どこからどれぐらいの割合でクレッシェンド(曲全体に大きなクレッシェンドがかかっている曲ですから)を

かけるか、というのはある程度場数を踏まないと分からないのではないかと思います。

西本さんはこれが何回目の「ボレロ」か知りませんが、余裕を感じます。

なお、再生時間の都合上2つのファイルに分かれます。悪しからず。


ラヴェル:「ボレロ」(1/2)





「ボレロ」(2/2)



良いでしょ?このオーケストラも上手いんですよ。なかなか。


◆チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」第3楽章

これは、チャイコフスキーの5番と6番が録れてあるDVDです。

2006年にチャイコフスキー記念財団ロシア交響楽団との来日公演を行ったときのもの。

交響曲第5番、第6番『悲愴』 西本智実&チャイコフスキー記念財団ロシア交響楽団



ます、交響曲第6番「悲愴」の第3楽章。景気のいいマーチです。



オーケストラが良くなっています。ロシアのオーケストラは元々馬力がありますけど、指揮者が余計なことをして、

邪魔をしていない。各プレーヤーの演奏に対する自発性・能動性を引き出しているように、思われます。


◆チャイコフスキー交響曲第5番 終楽章

言うまでもなく、ロシアのオーケストラのとって、チャイコフスキーの5番、6番なんてのは十八番中の十八番で、

やれ、と言われれば指揮者がいなくても最初から最後まで弾けてしまうでしょうが、そこに日本人である西本智実さんが

乗り込んでいって、多かれ少なかれ注文を付けているはずですね。ロシア人にしてみれば、「日本人のオネエチャンより、

俺達の方が余程、曲を知っているよ」という感覚で、反抗的になっても不思議はないけど、西本智実さんの音楽的動機には、

合理性と説得性があるのでしょう。ロシア人のプレーヤーがよく西本智実さんの棒を見ています。

それだけでも、大変なことだと思います。良い演奏です。

チャイコフスキー:交響曲第5番 第四楽章(1/2)(これも二つのファイルに分かれます)





チャイコフスキー:交響曲第5番 第四楽章(2/2)





ロシアのオーケストラを相手にチャイコフスキーを振るということは、白人が「忠臣蔵」の演出をするようなもの。

西本さんがものすごくチャイコフスキーのスコア(総譜)を勉強したであろう事は想像に難くありません。


◆ハチャトゥリアン:「ガイーヌ」第1組曲より「レズギンカ」

これは、CDは一ヶ月ほど前にお薦めしました。

【音楽】西本智実さんのCDで、お薦めがあります。ココログ

DVDでは、時間が前後するのですが、最初のオーケストラ、ロシア・ボリショイ交響楽団“ミレニウム”の首席指揮者当時、

2004年のニューイヤーコンサートで演奏したものです。

西本智実 / Russian Bolshoi.so New Year's Concert 2004 Moscowです。

これいいですね。楽しい曲ばかり。

ここでは、その中のひとつ。「ガイーヌ」第1組曲より「レズギンカ」をごらん下さい。

プログラムで1度演って、これはアンコールで、もう一回演奏したときです。

「ガイーヌ」第1組曲より「レズギンカ」




スネアドラム(小太鼓)の強烈なリム・ショット(太鼓の縁をスティックで叩く)が印象的です。オーケストラがノッてますね。

トランペット、難しそうだなあ。それはさておき、こういう「ノリ」を引き出せるのは、

指揮者として大変重要な資質だと思います。演奏後、ブラボーが飛んでいます。


やはり、西本さん、いいですよ。ただ、ロシアものから入ったからね。

クラシックの棒振りならば、ドイツ・オーストリア音楽をいずれ聴かせて頂かなくてはなりません。

つまり、モーツァルト、ベートーヴェン、ブラームスの交響曲など、です。

それはともかくDVD高いですけど、レンタルも中古もありますし、YouTubeもありますから、

連休中、このような演奏と映像をごらんになってみては如何でしょう?

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