JIROの独断的日記 DiaryINDEX|past|will
◆記事:景気「厳しい状況」、6カ月ぶり判断据え置き=3月月例報告(3月16日20時3分配信 ロイター) 政府は16日に発表した3月の月例経済報告で、輸出や生産、企業収益の大幅な減少を背景に、 ◆コメント:記事の見出しがミス・リーディングである。 日本経済に対する政府の公式見解は毎月、内閣府から発表される「月例経済報告」に示される。 景気は、急速な悪化が続いており、厳しい状況にある。 だった。記事にある「据置き」とは、この文言が2月と全く同じである、ということを述べているに過ぎない。 それは、記事の内容までよく読めば、ちゃんと説明してあるが、見出しの 「6カ月ぶり判断据え置き」 という言葉は、意味を為さない。 過去の基調判断がどのように変化したか、ロイターがまとめている(最上段が一番新しく、下に行くほど過去に溯る)。 〔表〕月例経済報告基調判断一覧(ロイター)(2009年 03月 16日 18:39 ) を見れば一目瞭然である。 昨年(2008年)1月からの「基調判断」は 3月(→)景気は、急速な悪化が続いており、厳しい状況にある。 2008年1月には「景気は(中略)回復している」だったのが、同年3月から「足踏み状態にある」に変わり、 6月には「足踏み状態にあるが、一部に弱い動きが見られる」となり、 8月には「弱含んでいる」と、マイルドなマイナス表現に変わり、10月には「弱まっている」とさらにマイナス度が高まり、 ついに、昨年12月には、「景気は悪化している」と数年ぶりにはっきりと「悪化している」という表現が用いられた。 勿論、リーマン・ブラザーズが破綻した影響である。 そして、非常に例外的なのは、一旦表現を変えたら数ヶ月は何とかその表現を維持するのだが、 今年の1月には早くも、「景気は、急速に悪化している」と、単なる「悪化」がさらに悪くなっていることを示し、 先月、2月には、今までに無いほどはっきりと、 「景気は、急速な悪化が続いており、厳しい状況にある。」 と書かれた。 記事が見出しで「6ヶ月振りに判断を据え置いた」、と書いたのは、昨年9月から今年の2月までは、 毎月、基調判断をマイナス方向に変更していたが、今月は先月と同じ表現(文言=もんごん)だった、というだけのことである。 それは、「急速な悪化が続いており、厳しい状況にある」、よりも更にマイナス表現が殆ど無いからであり、 基調判断を据え置いたことは、景気の悪化がやや落ちついたことを意味するのではない。 景気の急速な悪化が続いている、という深刻な状況に変化はない、と述べているのである。 記事の見出し、「6ヶ月ぶりに据置き」は、ウソではないが、見出しは本文の要約である。 見出しだけ読んだ場合、景気の悪化のスピードが緩和したかの如き誤解を読者に与える。 細かいことを指摘するようだが、その意味で、ロイターの見出しはミス・リーディング(誤解を招く)である。 【読者の皆様にお願い】 是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面の右下にボタンがあります。よろしく御願いいたします。 【お詫び】 普段はメールを受け付けているのですが、最近、海外からのスパムメールがやたらと多いので、メールフォーム非表示にしてあります。 ココログからも、メールが送れますので、よろしければご利用下さい。
2008年03月16日(日) チベット問題の基礎知識(BBC)
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