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JIROの独断的日記
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2008年12月10日(水) 「裁判員制度 精神的フォローは誰が?」←NHKスペシャル、見ました?

◆記事:裁判員制度 精神的フォローは誰が?(12月10日9時57分配信 産経新聞)

《「人の命を奪ったものは自分の命で償うべきだ」と考えているので、殺人事件では「死刑」を主張することになると思う。

ただ、その結果、被告が死刑になり、そのショックで自分がPTSDになったとき、誰がその責任をとってくれるのだろうか》

「裁判員制度は悪制度だ」と主張する方からのメールだ。人を裁くことに不安があるということだろう。

メールには《自分自身が命を奪うことにかかわったことがないのだから…》と付記されていた。

主婦(43)からのメールでも《人の人生にとても大きくかかわってしまった後、裁判員の精神的なフォローは誰がしてくれるのかが心配》と記していた。

裁判員になるということは「死刑」を言い渡す判決にかかわる可能性があるということでもある。

人の死にかかわる重みは、もしかしたら刑が執行した後に感じられるものかもしれない。仮に死刑でなくとも、被告の人生に大きく関与することになる。

人を裁くことへの不安について、法務省の担当者は「神様のように被告人の人生の裁きをするわけではないんです」と言う。

どういうことだろうか。

 「例えば『有罪にするにはこれでは証拠が足りない』といったことをチェックするのが裁判員の役割。

直感で犯人だろうと思ったとしても証拠が不十分ならダメ。裁判員が判断するのは検察官の立証が成功したかどうかなんです」

死刑という判断もそうだが、刑事裁判では殺人事件などの審理で、例えば、遺体の写真があったり、

残忍な犯行状況が詳細に証言される場面に立ち会うこともある。裁判取材で傍聴席から聞いていても、

事件の悲惨さに聞くに堪えないという思いを抱くこともある。

裁判は悲劇的な事柄で満ちあふれている。そうしたことに直面し精神的ショックを受ける人も出てくる可能性もある。

最高裁は裁判員の不安を少しでも解消してもらえるようにと、24時間対応の無料電話相談窓口を設置する方向で検討しているところだという。


◆コメント:6日(土)のNHKスペシャル「あなたは死刑を言い渡せますか〜ドキュメント裁判員法廷〜」を見た。

この産経新聞の記事、私のブログ記事「裁判員通知来た」ブログで公開相次ぐ…氏名・顔写真も←法律の趣旨が分かっていないようですね。

を読んで、書いたのではないか、というのは無論冗談だが、私がブログで書いたこととほぼ同じである。


先週の土曜日、12月6日、NHKスペシャル「あなたは死刑を言い渡せますか〜ドキュメント裁判員法廷〜」を見た。

私はNHKの回し者ではないが、見ていない方は、最近始まったNHKオンデマンドに無料で会員登録すれば、

有料(315円)だが、見ることが出来る。NHKスペシャル 「あなたは死刑を言い渡せますか〜ドキュメント裁判員法廷〜」

これは、模擬裁判なのだが、それでもかなり強烈だった。私の想像以上だった。

見逃した方は、315円支払わなくてはいけないが、是非ご覧になることをお薦めする。

私は先日のブログでも主張したとおり、人を死刑にするか、無期懲役にするか、というような重大な決断を、

一般人にわずか3回の公判で下せ、と要求するのは、やはり無理があると思った。

裁判員は、法務省の言うことが本当ならば、欠格事由に当てはまらない人から無作為に抽出されている。

老若男女、色々な人がいる。強靱な精神力の持ち主ばかりとは限らない。

裁判官や法律の専門家が裁判を行うことは、やはりそれなりの理由があるのだ。


NHKスペシャルの模擬裁判はあくまで模擬裁判なのだが、真に迫っていた。

事件は、或る男が金を奪うことを目的に、以前務めていた中小企業に深夜押し入り、現金を奪ったところで、

社長が物音に気付き、もみ合いになり、下腹部を刺して、社長はそれが原因で死亡。

更に、後から現れた社長の奧さんを顔を見られたので、逃げようとするのを押さえつけ、頸部をナイフで刺して殺害する。

被告人は、奧さんへの殺意は認めたが、社長への「殺意」は否定する。

法廷では、プロの裁判官3人が中央に座り、裁判員はその両側に3名ずつ座る。あの裁判官の席に座り、被告人と目が合うのである。

その人間に質問することも出来る。

Nスペの模擬裁判では、被告人、被告人の母、被害者の娘、を役者さんが演じていて、

これは「模擬」裁判だ、と裁判員は分かっているのに、「何とか、命だけは助けて欲しい」という被告人の母の慟哭と、

「何も悪いことをしていない両親を殺した人は極刑にして欲しい」という、被害者の娘、双方を目の当たりにして、その生の訴えを聞く。

この板挟みになり、裁判員は文字通り頭を抱えていた。遊び半分の気持ちには絶対になれないと思われた。

また、裁判員席にはディスプレイが設置してあり、血まみれの犯行現場の写真、被害者の遺体の写真を見なければならない。

証拠物件として提出された、血液が付着したナイフを(ビニール袋に入っているが)、全員、手にとって観察しなければならないのだ。

これだけでも、相当な精神的重圧であり、PTSDの発症要因となっても不思議はない。

繰り返すが、模擬裁判だというのに、「模擬裁判員」は、本当に判断に迷う。

最終的にはプロの裁判官3人を交えた多数決で出した評決は、

「被告人を死刑に処す」

だった。

裁判員の一人の女性は、公判後2週間経っても、そのことが頭から離れないという(PTSDというほどではないが)。

別の男性は「自分が経験してみて、人を裁くとはこれほど、重いものか」といい、更に

「人によっては、相当後まで、ショックを引きずるだろう」と言っていた。

私は裁判員制度にはずっと反対しているが、百歩譲っても、いきなり、死刑か無期懲役かの判断を迫られる刑事裁判から始めなくても

良かっただろうと思った。行政訴訟や、民事訴訟から始めるべきではなかっただろうか。

全く、裁判員に選ばれた人がPTSDになったら、誰が面倒をみるのだろうか。

その人が国に対し、損害賠償請求することも可能な筈だ。それでは何のために裁判員制度を導入するのか、

意味が分からない。

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2002年12月10日(火) 「田中さんはかわいそう。」スウェーデンの外務省が日本のマスコミを批判。

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