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2008年09月17日(水) |
「AIG、米政府の管理下に FRBが9兆円融資」←米国政府、何故リーマンは救わなかったか説明せよ。 |
◆記事1:AIG、米政府の管理下に FRBが9兆円融資 (NIKKEI NET)(2008/09/17 13:50)
【ワシントン=大隅隆】米政府・連邦準備理事会(FRB)は16日、
米保険最大手のアメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)に最大850億ドル(約9兆円)のつなぎ融資を実施すると決めた。
見返りとして同社の79.9%の株式を取得できる権利を政府が確保することにし、事実上、政府の管理下で再建にあたる。
米国発の金融危機を防ぐ狙い。一方、FRBは同日、最重要の政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を
現行の年2.0%のまま据え置くことを決めた。
AIGへのつなぎ融資は2年間で、AIGの全資産を担保にする。
金利はロンドン銀行間取引金利(LIBOR)の3カ月物に8.5%上乗せした水準。
AIGはつなぎ融資で資金繰りをつけ、時間をかけて資産売却し融資を返済する。
◆記事2:米AIGへの融資決定、FRBの一貫性に疑問符も(9月17日19時43分配信 ロイター)
[ワシントン 16日 ロイター] 米リーマン・ブラザーズ・ホールディングスの支援要請には応じなかった
米連邦準備理事会(FRB)が、アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)に
850億ドルの融資を行うと表明したことで、FRBの姿勢の一貫性に疑問を呈する声も出ている。
また融資を求める企業がこれから多数出てくる可能性が高まった、との指摘も聞かれる。
経営難に陥った企業を破たんさせるのか、規模が大きく影響が甚大との理由で救うのか。
その判断基準をめぐって、議論を呼びそうだ。
FRBがこの春ごろから実施した金融セクターに対する支援額は、ベアー・スターンズ救済関連で290億ドル、
米連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)と米連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)にそれぞれ1000億ドル、
米連邦住宅局(FHA)に最大3000億ドル、そして今回のAIGへの850億ドル。
その他の救済策や融資を含めると、納税者の負担総額は9000億ドルを上回るとみられる。
ニューヨーク大学スターン・スクール・オブ・ビジネスのノウリエル・ロウビニ教授は
「FRBはリーマンには断固とした対応をとるふりをしながら、2日後には別の企業を救済している。
損失を社会全体で負担するシステムが続いている」と指摘。
自動車メーカーや航空会社など、経営難の企業が今後支援を求めてくることは確実と述べた。
◆コメント:米国政府は、金融機関を救済するかしないか、何を基準にしているのか世界に説明するべきだ。
昨日は、米国のFRBが巨大証券会社、リーマン・ブラザースを潰す気だ、というニュースを見て、
私は我が目を疑った。
リーマンの破綻により、リーマンに多額の投資をしていた、AIGという保険会社が、
評価損が膨らんで潰れそうなので、FRBが9兆円の緊急融資をする、というニュースが入ってきたときに、
やはり我が目を疑った。
AIGを救済するならば、何故リーマンも救済しなかったのか。
総資産額を見ると、リーマンは64兆円。AIGは約106兆円。規模の違いだけか。
因みに日本の国家予算が84兆円である。リーマンよりAIGの方が企業規模が大きいと言われても、
これぐらい巨額の資産になったら、相対的な問題ではない。64兆円も106兆円も同じである。
絶対額が大きすぎるのである。潰れたら世界の金融市場、金融システムへの影響が計り知れない点に置いて、
両者はほぼ同一である。
しかし、米国のFRB(連邦準備制度理事会)はリーマンに対する公的資金注入を断固拒否していたのに、
そのわずか2日後、AIGには緊急融資を行い、救済を決めた。
一体、如何なる理由で、両者に対する措置が異なるのか。
米国政府は、その論理を世界に説明するべきである。
そうしないと、今後も続々と起きるであろう、金融機関の破綻に際して、
FRBは、助けるのか、助けないのかギリギリまで分からないので、株や債券の市場が混乱する。
混乱とは、相場が乱高下(らんこうげ)する、という形で現れる。
その度に、各国の投資家は損失を被る(相場が乱高下したら、まず損失が生じる可能性の方が高いのだ)。
損失を被ったら、世界中の投資家、特に金融機関の経営に影響が出る。
アメリカは自分の都合しか、考えていない。
そもそも、昨年来の金融不安はサブプライムローンという住宅ローンが不良債権化したのが発端である。
返済力の乏しい低所得者層に、これでもかとばかりに住宅ローンを貸し付けた。
皆が住宅を買った。買う人がいなくなったので住宅価格が暴落し、低所得者層は、家を売ってローンを
返済することが出来なくなった。バブルの崩壊そのものだ。日本の例があるのに、米国金融当局は、
サブプライムローンを規制しなかった。米国金融当局の監督能力が無かった、ということだ。
その所為で、サブプライムローンを証券化した商品に多額の投資をしていたリーマンを始め、
無数の米国の金融機関は大きな評価損を抱えている。次にいつ、どの金融機関が破綻するか、
分からない。そして、経営危機に陥った金融機関をFRBが助けるかどうか、その都度判断されたら、
それらの債券や株を買ったり、資金を貸し付けている世界の金融機関は、危なくてしょうがないから、
債券を売る。すると金利が上がる。資金を調達しにくくなる。また、アメリカの金融機関の株を持っている
投資家は、倒産したら、その株は紙屑になるのだから、早めに売る。株価が下がれば、評価損が出る。
アメリカの姿勢の一貫性のなさにより、世界の市場が混乱する。
だから、FRBは、救済するなら、少なくとも大手は全て救済しろ。財政赤字が膨らむといったって、
先ほど書いたとおり、この1年の金融市場の混乱はアメリカの責任なのだ。
肚を括って方針を決め、全世界に向けて発表して貰いたい。
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