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2006年09月17日(日) |
ソプラノの 森麻季という人、日本音楽史上最高の声楽家ではないかと思います。お薦めCD。 |
◆こんなに上手い人を聴いていなかったとは、不覚。
森麻季(もり・まき)というソプラノ歌手がいます。
オペラでもリートでも宗教曲でも何でも歌えます。
叙情的な「リリック」から技術の極み「コロラトゥーラ」という非常に難しいのまで、こなせます。
ものすごい上手さと美しい声。世界に誇る日本人歌手と言っていい。
声楽家になるために生まれてきた人なのではないかと思います。
しかし、恥ずかしながら、最近まで私は森麻季さんを知らなかった。不覚。
家内が矢鱈と上手いソプラノがいるから聴いてみろとしつこく薦めるので、先日CDを注文して、昨日届いたのです。
私は常々書いているとおり、「音楽」というとまず、オーケストラの音が頭の中で鳴り響くぐらいオーケストラが好きなので、
どうしても、歌は発見が遅れるのですが、今回は感激しましたね。
◆ドミンゴのコンクールで優勝したのです。
三大テノールというと、ドミンゴ、カレーラス、パバロッティです。世界中を回っていますね。
もちろん、彼らは、本来あれが商売じゃないんですよ。オペラ歌手なんだから。
それぞれ別の仕事をしているのが本来の姿なのですが、「三大テノール」をやるとものすごく切符が売れて儲かるので、
ついには、何とかスタジアムみたいなところで、マイクを使っているわけです。
あれで私は激怒しました。
「馬鹿野郎!マイク使うなら、クラシックの歌うたい(歌手のこと)なんざ、さっさと辞めちまえ!」
と、ここで、また声楽家に偏見が入りました。
ところがドミンゴ主催なのか、名前を貸してるだけなのか、とにかくドミンゴの声楽コンクールがあり、
森麻季さんは、ここでドミンゴに認められたのが幸いした。
クラシックの音楽家も、名前が知られるようになるには運が必要です。
◆カーネギー・ホールでのリサイタル・ライヴです。
今日、お薦めするのは、2003年5月、カーネギー・ホールにおけるリサイタルのライヴです。
説明が長くなるので結論だけ書きますが、カーネギーでリサイタルを出来るということはそれで、世界的なレベル。
「超一流」の太鼓判を押されたも同然です。目が眩むほどの名誉です。
厳密に言うと、カーネギーデビューが成功したらってことです。
で、森麻季さんは完全に成功しています。
こんな美しい、透明な声は初めてです。ただ、声がよくても歌が上手くなければダメですね。
テクニックということです。声はある程度先天的なものがありますが、テクニックは勉強(練習)しかありません。
で、森麻季さんの声のコントロールは完璧なのです。
はっきり言って、歌の人は、音楽家の中では、音程が悪い人が多いです。
そりゃ、他の流行り歌(はやりうた)の歌手とは次元が違いますよ。
しかし、一番耳が良いのは弦楽器のプロです。弦は耳が悪い人はなれません。
その耳の良さは人間わざとは思えない。1Hzの違いを聞き分けてしまう。
歌の人はそこまで分からないです。普通は。
ところが、森麻季さんは歌の前かなりピアノをやっていたらしく、ということは、幼いときから聴音の訓練を受けていたと思われます。
◆おすすめは、これ。
前置きが長くなってしまいました。
上述した、カーネギーデビューのCDは、あなたがそばにいたら~Bist du bei mirです。
全部、ブラボーです。
4曲目。ヘンデル歌劇「リナルド」より「涙のながれるままに」は、今まで「私を泣かせて」と訳されていた曲です。
私はこの歌が大好きなのですが、森麻季さんの演奏を聴くと、改めてこれほど美しい歌だったのか!と驚嘆します。
そういう風に聴衆に感じさせる音楽性が素晴らしい。ボロボロ泣けます。
日本に西洋音楽が輸入されてから150年。数え切れないほどの人が声楽を勉強しましたが、
森麻季さんは、まず、間違いなく、その歴史の中でソプラノからバスまで含めた全ての歌手の頂点に位置する人だと思います。
これは、聴かないと損です。本当に。
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