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JIROの独断的日記
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2008年07月12日(土) 「フィレンツェの大聖堂落書き、短大学長が関係者に現地で謝罪」←岐阜市立女子短大を見直しましたねえ。この学長、立派。

◆記事:フィレンツェの大聖堂落書き、短大学長が関係者に現地で謝罪(7月9日21時37分配信 読売新聞)

【フィレンツェ(イタリア中部)=松浦一樹】世界遺産に登録されているフィレンツェ市中心部にある

「サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂」で岐阜市立女子短大の学生らによる落書きが見つかった問題で、

同短大の松田之利学長が9日、フィレンツェ市庁舎を訪れ、大聖堂の関係者らに謝罪した。

落書きをした学生1人を伴って市庁舎を訪れた松田学長は大聖堂のアンナ・ミトラーノ館長らと面会後、記者会見し、

「世界の宝である文化遺産に学生らが落書きをしたことをたいへん申し訳なく思う」と謝罪。

大聖堂関係者側からは、「岐阜とフィレンツェの両市は友好関係にあり、この問題はもう水に流したい」

(エウジェニオ・ジャニ市会議員)といった発言があった。

同短大を運営する岐阜市は1978年から、フィレンツェと姉妹都市関係にあり、今年が30周年の節目。

9日は両市の記念行事も、フィレンツェで催された。


◆コメント:誠心誠意謝る学長の真摯さと、許してくれるイタリア人の優しさ。

このニュース、最初にちらっと見出しだけ目に入った。

短大生がフィレンツェの世界遺産に落書き。

それだけで、本文を読む気がしなかった。

「国辱だな。」「女子大生にもなって落書きかよ、それも海外で。幼稚な娘だな」「話にならん」「取りあげるまでもない」

そういう心境だった。

しかし、テレビのニュースで、岐阜市立女子短期大学の松田之利学長が、落書きした学生を伴い、

サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂に赴き、大聖堂のアンナ・ミトラーノ館長らに謝罪している姿に、

本当の誠意を感じた。立派だと思った。

最近、多くの企業が消費期限切れの食品を売っていた、とか、不祥事がばれて、
「とりあえず、やばいから、記者会見を開いて頭を下げておこう」

というとき、頭は下げているが、本当はさほど悪いと思っていないことが分かる。

あれとは全然違いました。「心から謝る」とは、ああいう態度なのだな、と思った。

女子大生は泣いてばかりいないで国民に謝るべきだ、などと言う有識者もいるが、まあ、いいですよ。


◆日本人の、予想を遙かに超えた、真摯な謝罪を快く受け入れてくれた、大聖堂関係者。

まあ、いいですよ、と書いたのは、フィレンツェの大聖堂の館長も、観光局の担当者も、殆ど「感動して」許してくれたからだ。

大聖堂の館長は、女子大生に

「あなたはもう責任を果たした」

と言って下さり、

観光局(だと思ったけどちがうかもしれない)の女性担当者は、
「あなたの笑顔が見られたらもっと嬉しいわ」

と言ってくれているのである。有難いことだ。その何とも言えない「優しさ」に私は心を打たれた。


本件は、そもそも非常に下らない、幼稚な行為であったことは間違いない。それは変わらない。

しかし、あの大聖堂、世界中からの観光客の落書きですごいじゃないか。

他の国で謝った奴なんか皆無。

大聖堂は、最初「わざわざ、謝りに来てくれなくても良い」という手紙を学長に送ってきたのだ。

それにも関わらず、岐阜市立女子短大は、事務局長とか、教務課長に押しつけるのではなく、

最高責任者の学長が、自ら赴き、世界が見ている前で、頭を下げた。

当たり前だ、というのは簡単だが、立派ですよ。態度を見ていてそう思った。なかなか出来ないですよ。


過ち(ちょっと幼稚だけど)をおかした事がない人間はいない。しかし、大抵謝らない。

過ちを犯したら、謝る。そして許す、というのが、日本人の私が言えた義理じゃないが、平和をもたらすのだろう。

正反対の例。中国なんか見なさいよ。

戦争のときの日本人の行為について謝れって、既に陛下と首相が21回謝っているのに、

まだ、謝れと言っているでしょ? そうすると、いくら昔、ひどいことをしたのは分かっていても、

中国人に好意を持てなくなりますね。

今回許してくれたイタリア人には好意を持ちますよね。そういうものだ。

過ちを犯したら恥ずかしいけど、誠心誠意謝る。

謝られたら、許す。

文字にしてしまうと当たり前に見えるが、

「人間の基本的な心のあるべき姿」、をこの落書き騒動は、端的に示す結果となった。

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