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2008年04月26日(土) |
米国産牛肉問題の復習。米国産牛肉は永久禁輸にすべし。 |
◆記事:吉野家向け輸入牛肉に危険部位混入 米国産の再開から初発覚(4月23日20時53分配信 産経新聞)
農林水産省は23日、米国から輸入された牛肉に、牛海綿状脳症(BSE)の原因となる
異常プリオンがたまりやすい特定危険部位の脊柱が混入していたことを明らかにした。
牛肉はカリフォルニア州のナショナルビーフ社カリフォルニア工場から出荷されていた。
米国産牛肉は、特定危険部位を除いて輸入されることになっていることから、同省などは同工場からの輸入手続きを停止した。
特定危険部位の混入発覚は平成18年7月の米国産牛肉輸入再開以来、初めて。
同省によると、牛丼大手「吉野家」が昨年8月、同工場から伊藤忠商事を通じて輸入したバラ肉700箱(17トン)のうち1箱に、
脊柱部分を含む骨付き肉(27キロ)が混入していた。21日夜、吉野屋で保管されていた肉を、同社が検品した際に発見。翌日、伊藤忠を通じて同省などに報告した。
700箱には、特定危険部位などが含まれていないことを証明する衛生証明書が付けられていた。ほかの699箱からは特定危険部位は見つからなかった。
同省などの問い合わせに、米国大使館は「日本向けでない肉が入ってしまった」と回答しているという。同省は、出荷・輸入の際のミスとみている。
◆コメント:米国の条件違反の歴史
全く、アメリカ人全体がそうではないと分かっていても、アメ公の馬鹿野郎、ナメやがって、と言いたくなる。
それは、過去5年間の米国産牛肉を巡る問題を復習すれば分かる。ざっとまとめると、次のようになる。
- 2003年12月、アメリカでBSE(牛海綿状脳症)に感染した肉牛が確認された(これ以前にアメリカにBSE感染牛がいなかった、という証拠は無い。ずさんな管理を見るとずっと前からいた、と考える方が自然である)。これに伴い日本はアメリカからの牛肉の輸入を全面的に禁止した。
- 2005年11月、ブッシュが来日、小泉と会談。小泉は11月16日、あっさりと年内輸入再開の方針を伝えた。
- 2005年12月12日、日本政府は米国産牛肉輸入再開を正式に決定した。
- 2006年1月20日、輸入再開の条件として「特定危険部位の除去」が明記されていたにもかかわらず、輸入再開からわずか1か月後、特定危険部位の一つ、脊椎が付着したままの輸入牛肉から発見された。日本政府は再び、米国産牛肉の輸入を禁止した。
- 2006年7月27日、政府決定により半年間輸入を禁止していた米国産牛肉の輸入再開を決めた。再び輸入を開始しても安全であると判断した根拠は明らかではない。
- 2007年02月16日、厚生労働、農水両省が、米国から出荷された牛肉の中に、日米で取り決めた輸入条件に違反するものが含まれていたと発表した。条件違反の内容は「生後20カ月以下」が確認できず、月齢制限を超過している可能性もある、ということだった。
- しかし、この時は、政府は輸入禁止措置を取らなかった。
このように、大雑把に括ると、米国産牛肉輸入禁止したのは二回である。
だが、これ以外にも米国は2006年11月、「特定危険部位」(異常タンパク質プリオンが溜まりやすい箇所)ではないが、
アメリカから日本に輸出を許可していない「胸腺」が混入した肉を送ってきたことがある。因みにフランスでは胸腺は特定危険部位である。
さらに、上に書いた通り2回も条件違反で日本から禁輸措置を取られているのに、
2007年12月には、なんと日本政府から、「米国産牛肉輸入制限緩和」の提案をするという、信じられないような、
「アメリカ御機嫌取り政策」に転換し出している。これは記事にした(ココログ)。
月齢制限を従来の生後20ヶ月未満を30ヶ月未満に引き揚げようというのである(アメリカが以前から要求している通りのことだ)。
リンク先の記事を読んで頂くとわかるが、日本では、2003年11月4日に、生後21ヶ月の国産牛のBSE感染が確認されているのだ。
◆3回も条件違反する国から危険な牛肉の輸入を続ける日本政府には国民に対し、「殺人の未必の故意」がある。
実際は、国家には当事者能力が無い。つまり裁判で、日本国が刑事被告人になることは出来ない。日本国を死刑にすることは出来ない、ということだ。
だが、構造的には、歩行困難な牛を平気で食肉処理しているような国(=アメリカ)、しかも、日本との約束を平気で三回も破る国から、
わざわざ、不味く、牛海綿状脳症の牛のものかも知れない肉を輸入し続けるのは、余りにも犯罪的である。
政府は、1980年から1996年の間に英国に1日以上滞在したものは、献血をするなという通達を発している。
1980年から1996年とは、牛海綿状脳症(BSE)の原因と云われる肉骨粉が英国・フランスでおおっぴらに使われていた時期である。
この間の牛肉はBSEに感染していた可能性が高く、その感染した牛肉をただの一回でも食べた者は、人間のプリオン病(異常タンパク質プリオンで起きる病気)、
変異型クロイツフェルト・ヤコブ病に罹患していて、潜伏期にあるかも知れない(変異型クロイツフェルト・ヤコブ病の潜伏期間は長いときには数十年になるという)から、
その人の血を採って他の人に輸血したら変異型クロイツフェルト・ヤコブ病が感染ってしまう、という理由である。
変異型クロイツフェルト・ヤコブ病に治療法はなく、発症したら死ぬしかない。
そこまで神経質になるのならば、折角不味い牛肉を買ってやっている日本という大事な「お客様」に対して、条件違反の肉を3回も送ってきた、
アメリカから牛肉の輸入を禁止しないのは、全く以て政策の一貫性に欠けている。
はっきり云って、正気の沙汰とは思えない。
日本政府は(=日本の政治家は)、自国民が変異型クロイツフェルト・ヤコブ病になることなど、本当は全然心配しておらず、
それよりも、アメリカからの牛肉輸入を禁止して、米国中枢部に睨まれるほうが怖いと見える。
自国民が変異型クロイツフェルト・ヤコブ病になるかも知れない肉を平気で食わせるということは、
特定の誰かを意図していないかもしれないが、誰かがこの病気になって死ぬかも知れないが、そうなっても構わない、
と、考えていることになる。これを「殺人の未必の故意がある」というのである。
24日(木)の記者会見において、町村官房長官が平気な顔をして、
輸入停止などの必要はない
と発言するのを聴き、ああ、この国は、自らの保身だけを考える政治家ばかりなのだなと、とっくの昔から明らかなことを再確認し、
私は絶望的な気分である。本来、アメリカからの牛肉の輸入は問答無用で、永久に禁止するべきだ、と私は思う。
云うまでもないが、今の与党を支持するということは、国民の健康・安全を完全に無視した政策を支持することになる。
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