JIROの独断的日記
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先日、あるテレビの歌番組を見ていた。これは今現在ヒットしている曲と10年以上も前のある年の同じ時期にどのような曲が流行っていたのか、平行して紹介する。この日は昭和59年春に売れていた曲を流していたがその中に安全地帯というバンドによる「ワインレッドの心」があった。 「歌にまつわる思い出」というと、多くの人はなにか美しい出来事の記憶をたどるのだろうが、私はこの曲を聴くと、確かに思い出は蘇るが、大変緊張する。 当時の私は正に社会人になりたてであった。入社式から数週間もたっておらず、ある場所に泊まりこんで一ヶ月間にわたる新人研修を受けている最中だった。会社の独身寮に泊まり、毎日研修所へ「通勤」するのだが、独身寮は朝6時になると、目覚し時計代わりに、全館放送でAMラジオの番組を大きな音で流すのである。ラジオ番組の常で、途中、必ず歌のリクエストのコーナーがある。そしてその当時「ワインレッドの心」は大変売れており、リクエストする聴取者が多かったのであろう。私は毎日のようにこの曲を聴きながら、、身支度をして朝食をかきこみ、今日も繰り返されるであろう厳しい研修のことを考えて緊張していた。見知らぬ地での生活。学生時代とは本質的にことなる社会人生活の緊張感。毎日が試練だった。 それ以来、「ワインレッドの心」を聞くたびに、条件反射的に心が「気をつけ!」をしてしまう自分を発見して、苦笑する。
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