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2008年03月04日(火) |
330年前の三月四日に、ヴィヴァルディが生まれました。音楽及びお薦めCD。 |
◆3月は「音楽史ネタ」が沢山あるのです。
私が音楽記事を書くときに、或る音楽家を取りあげるタイミングとしては、誕生日とか命日が具合が良いわけです。
これが1年にわたって、均等かそれに近い頻度であると都合がいいのですが、そうではないのです。
2月はメンデルスゾーンぐらいしか話題がなかったのです。
ところが3月は(詳細は省きますが)、誕生日だけでも、
スメタナ、ヴィヴァルディ、ラヴェル、バッハ、テレマン、リムスキー=コルサコフ、ハイドン
と、まあ、多いこと。命日を併せるとかなりの数になります。
だからどうした?と言われると困りますが、音楽記事を書きやすくて、私としては嬉しいな、
ということです。
日付が変わってしまいましたが、3月4日はヴィヴァルディ(1678〜1741)の誕生日。
1678年生まれですから、330年も昔の人です。亡くなってからは、267年。
死後260年経っているのに、ヴィヴァルディの音楽は世界中で聴かれている。すごいことです。
音楽の記録(録音)・再生の技術がコンパクト・ディスク(CD)が発明されたことにより、
革命的に変わりました。そのころから、ヴィヴァルディのような小規模な、比較的静かな音楽よりも、
CDの特長である、ダイナミックレンジの広さ(大きな音から小さな音まで綺麗に拾える)、ノイズのなさ、
を最大限に生かせる、マーラーやブルックナーが聴かれる機会が格段に増えました。
私は断言しますが、アナログレコードの時代には、マーラーやら、ブルックナーは、今ほど聴かれていませんでした。
何十年も、日本で1年間に最も多く買われるクラシックレコードは「四季」だったのです。
◆四季ばかりでは、ヴィヴァルディがちょっと気の毒です。
後でお聴かせ(「冬」だけですが)するぐらいですから、「四季」が悪いとは言いませんが、
日本ではあまりにも、ヴィヴァルディ=四季になっていて、ヴィヴァルディが気の毒です。
私は、ヴィヴァルディというと、何故かこの曲を最初に思い出します。「調和の霊感」という協奏曲集から。
ヴィヴァルディの作品は何番とか付いていないのが多く、彼の作品番号「RV」を用います。
RV 356より第一楽章。
ダウンロード RV356.mp3 (3146.6K)
ヴァイオリンのプロ、プロを目指している方。素人でも上手な方は、幼稚園か小学校低学年で弾けていたことでしょう。
この演奏は、協奏曲傑作集で聴けます(このCDはお薦めです)
技術的に易しいからといっても、私は、この曲、幼稚だと思いません。
さて、ヴァイオリン協奏曲といっても、ヴィヴァルディはソロ・コンチェルトだけではなくて、
複数のヴァイオリンをソロにした協奏曲を書いています。
一番すごい奴。四つのヴァイオリンの為の協奏曲。RV580。
ダウンロード ConcertoforFourViolinsRV580.mp3 (3403.2K)
上手いですね。プロが真面目に弾いているから上手くて当たり前なんですが。
◆オーケストラの新年会
ここでちょっと、脱線します。私の手許に、ある日本のプロ・オーケストラの或る年の新年会の様子を素人(オケのメンバー)が録画したファイルがあります。
面白いのです。プロ音楽家とはいえ、クラリネット奏者が、ヴァイオリンも少し弾ける、というので、
本職に混ざって、この「四つのヴァイオリンの為の〜」を弾いてます。本職じゃないからヘタクソです。
そして、弦楽器の「本職」の方々も突然、子供用の小さいサイズ(ヴァイオリンは16分の1からあります)、4分の1と言うサイズの楽器で
弾かされているので、音程外しまくりです。
それを他のオケの方々がヤジを飛ばしながらゲラゲラ笑って見ています。
とても楽しそうな光景です。
世の人々の中には、クラシック音楽をやる人なんて、きっとくそ真面目な、面白くない人たちだろう、
という極めて分かりやすい先入観を持っている方がいます。
そうではないことを知って頂くために、その演奏のところだけ、音声だけアップさせて頂きます。
この音声と映像は、このオーケストラのメンバーの方が、ご自分のサイトで、全然平気で公開しておられるのですが、
リンクを貼るのはちょっと気が引けます。本来身内の集まりですからね。
ダウンロード Shinnenkai.mp3 (7096.3K)
楽しそうですね(笑)。これ、ヤジを飛ばしたり、ゲラゲラ笑っているの、皆、プロの音楽家なんですよ。
どこのオーケストラだ?などと詮索しないで下さいね。それは「野暮」というものです。
プロの音楽家は、普段はお客さんからお金を取って、音楽を聴いてもらうのが仕事ですから、真剣そのものです。
ミスをしても構わない、なんて考えているプロはいません。
だけど、正月ぐらい、身内だけでハメを外して、ヘタクソやってもいいじゃないか、楽しもうよ、ということですね。
ゲージュツカには変わり者が多いのも確かですが、このとおり、ごく普通の方々です。
但し自分の楽器については厳しい修行を積んでいることはいうまでも在りません。
大人の世界。全て分かって、「ま、たまにはいいじゃん?」ということです。
◆ヴィヴァルディに話を戻します。管楽器の協奏曲
ヴィヴァルディはヴァイオリンをはじめとして、色々な楽器の協奏曲を書いています。
オーボエ、リコーダー、ピッコロ、マンドリン等々。
ここでは、珍しいファゴット協奏曲、RV495の第一楽章をどうぞ。
ダウンロード VivaldiFagottoConcertoRV495.mp3 (2789.9K)
これ、難しいですよね。ファゴットのことはわからないけど、明らかに。
名人がいたんでしょうね。かなりの数のファゴット協奏曲を書いてます。
因みにこれは、ファゴット協奏曲全集第3集です。
次はオリジナルはトランペットじゃなくてヴァイオリン・コンチェルトだと思うのですが、
モーリス・アンドレがピッコロ・トランペットで見事に吹いていて
一応、ヴィヴァルディのトランペット協奏曲となっているのをお聴き下さい。
ダウンロード TrumpetConcerto1st.mp3 (1159.1K)
これは、テレマンなどと同じ、モーリス・アンドレ/トランペット協奏曲集で聴くことが出来ます。
◆「四季」も一度は取りあげますか。
ヴィヴァルディの「四季」がこれほど売れる国は、多分世界中探しても日本ぐらいでしょう。
と、書き始めましたが、この曲は夥しい数の音楽家が演奏し、CDも、恐らく訳が分からないぐらい沢山出ていると思います。
ウンチクは止めます。
私は、ヴィクトリア・ムローヴァというロシア人女性ヴァイオリニストがソロを弾き、
クラウディオ・アバド、ヨーロッパ室内管弦楽団が伴奏している、Four Seasons: Mullovaをお薦めします。
まあ、聴いてみて下さい。「冬」の第一楽章です。
ダウンロード Winter1stRV297.mp3 (3125.7K)
上手くて、音がいい。第二楽章は、「四季」全体の中で最も美しいメロディーが流れます。
ダウンロード Winter2ndRV297.mp3 (1945.2K)
うーん。もう少し朗々と歌ってもいいかな、という気がしないでもないけど、まあ、良い方でしょう。
最後に、この二つの楽章を、ジャーマン・ブラスでお聴き下さい。ブラスですよ。
ダウンロード Winter1stGermanBrass.mp3 (3262.7K)
トランペットは、ヴァイオリンよりも遙かに音域が狭いですから、複数の奏者が音域の異なる楽器を吹いて、
見事にリレーしながら吹いてます。第二楽章は、無理なく美しいです。
ダウンロード Winter2ndGermanBrass.mp3 (2131.3K)
非常に長くなってしまいました。今日はこの辺で。
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