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2007年03月04日(日) |
「バイオリニストは肩が凝る」の鶴我さん(N響バイオリン奏者)が定年退職なさいました。 |
◆何だか、他のことを書けないのですよ。
自分の日記だから、何を書こうが自由なのだが、JIROの独断的日記は、ブログなどが無かった頃、
Web日記「エンピツ」で、書き始めたのである。
そして、エンピツでは、アカウントを開くときに、「ジャンル」を決めねばならず、私は、
ここ、「時事・社会」に登録して、ずっと変えていない。
他のことを書いても、誰からも文句は言われないのだが、私の中の仕切りとしては、
天下国家を論ずるのが中心で、その間に、好きな音楽のことを書こう、と決めている。
音楽がすきなら、そればかり書けば良いじゃないか、という考え方もあるが、
そうすると、あまりにも、没頭しすぎて政治・経済・社会のことなど、全く知らずに一生を終えてしまいそうなのだ。
今は、ここで天下国家を論じてはいるが、元来、私はその手の話は大の苦手で、学生の頃など、新聞は一切読まなかった。
つまらないからである。
しかし、これではいかん、これでは、アラブ・イスラエル紛争の何たるかも、憲法9条の意味も、靖国神社の何が問題なのかも
死ぬまで知ることが無いだろうと思った。
それで、すこしずつ、そういうことを文章に書いてみることにした。
パソコンとか、ネットが世の中に普及するよりも前の話である。
だから、今でも油断すると、世間の動きなど、全然無関心になる。
WEB日記に時事問題の文章を載せれば、いやでも世の中に目を向けるだろう。
それが、「時事・社会」に登録した理由である。
◆二日間、音楽が続いたので、今日は株の暴落の話を書き始めたのだが・・・。
どうしても、調子がでない。それは、前々からわかっていたのだが、以前紹介した、
「バイオリニストは肩が凝る」(鶴我裕子 NHK交響楽団第1バイオリン奏者 著)←面白すぎる。
の著者、NHK交響楽団第一バイオリンのバイオリン奏者、鶴我裕子さんが、今、N響は国内演奏旅行中なのだが、2月末の岡山公演で、定年退職なさったのである。
リンク先から、その本のAmazonのページに飛べるが、一番最初に書評を書いているのは、私である。
鶴我さんは30年もの長きにわたり、日本一のオーケストラ、NHK交響楽団で、オーケストラの心臓とも言うべき、第一バイオリンで弾き続けた。
この方は、本を是非読んでいただきたいのだが、山形のご出身(先週書いた「スウィングガールズ」と同じですな。無論、こちらは「虚構」の世界だが)で、
なんと、バイオリンを始めたのが、10歳なのだ。今では考えられない。
それで、芸大のバイオリンに入り、ついにはN響のオーディションに受かったのだから、その間、ものすごく努力なさった筈である。
芸大のバイオリンとか、ピアノなんてのは、普通入れないのだ。
失礼ながら、鶴我さんが受験した当時は今よりは、やや、ハードルが低かったかも知れない。それでも、すごい。
そして、N響で30年、ファーストバイオリンを勤め上げたということも、一般人には理解しにくいが、
ブルックナーだろうが、プロコフィエフだろうが、バルトークだろうが、大抵、2〜3日間のリハーサルで仕上げてしまうのがプロというものである。
そのためには、リハーサルまでに、自分のパートを完全に弾けるようになっていなければならない。
重ねて失礼なことを書くが、バイオリンに限らずどの楽器でも学生の技術の進歩はめざましい。
つまり、まわりにどんどん、上手い若い人たちがN響に加わるのだ。鶴我さんは彼らと同等の技術を維持していた。
ものすごい努力の継続の賜である。全く頭が下がる。
◆音楽家しか出来ない、という思い。
鶴我さんが、想像を絶する研鑽を積まれたことは疑う余地が無い。
なにが、そこまで鶴我さんを引っ張ったのか?
バイオリニストは肩が凝る―鶴我裕子のN響日記を読むと明らかだ。
学生の頃、御父上の会社の経営が怪しくなり、一時期、レッスン代を鶴我裕子さんご自身が工面しなければならなくなった。
街の印刷工場で、小間使いのようなアルバイトをわずか10日ばかりだが、経験したそうだ。そのとき、鶴我さんは、
「働くということは、これほど大変なことなのか。自分にはこれは、務まらない。私には音楽しかできない」と思ったという。
この、
「自分は音楽しかできない」
という人。石にかじりついても音楽家になってやる。そう思える人がプロになるのだ。
私は、全然、知らない人よりは、プロの音楽家になる、ということが、どれほど大変なことか、多少は分かるつもりだ。
本当に厳しい世界だ。
だが、一方で、うらやましい。私は勤め人だが、自分の仕事にそこまでの執着を覚えたことが無い。
なんの才能もないから、食うために今の仕事をしている。だから、「自分にはこれしかない」という何かを職業にしている方がうらやましい。
まだまだ、書き足りないが、もう、3時だ。あと、数時間で会社だ。月曜日だ。嫌だなあ・・・。
ともあれ、鶴我さんの30年に心の底からの、最大の敬意と感謝の意を表して擱筆したい。
長い間、ご苦労様でした。美しい音楽の数々を聴かせていただき、ありがとうございました。
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