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JIROの独断的日記
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2008年01月22日(火) 「米、0.75%の緊急利下げ・FF金利3.5%、景気悪化に歯止め」どうですかねえ。

◆記事1:米、0.75%の緊急利下げ・FF金利3.5%、景気悪化に歯止め (NIKKEI NET)(1月22日 22:33)

【ワシントン=小竹洋之】米連邦準備理事会(FRB)は22日、臨時の米連邦公開市場委員会(FOMC)を開き、

最重要の政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を緊急に0.75%引き下げ、年3.5%とすることを賛成多数で決めた。実施は即日。

米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題を発端とする米景気の悪化や世界同時株安や米景気の悪化に歯止めをかけるため、

29、30日に開く定例のFOMCを待たずに大幅な追加利下げに踏み切った。

FF金利の引き下げは、4年3カ月ぶりの金融緩和に転じた昨年9月から4回目。

累計では1.75%の下げ幅となった。臨時FOMCによるFF金利の緊急利下げは、米同時テロ発生直後の01年9月以来となる。

金融機関向けの貸出金利である公定歩合も0.75%引き下げ、年4%とした。昨年8月の緊急利下げから5回目の引き下げで、累計では2.25%の下げ幅となった。


◆記事2:日銀、政策金利据え置き・景気情勢を慎重に見極め (NIKKEI NET)(2008/01/22(火) 12:26)

日銀は22日の金融政策決定会合で、金融政策の現状維持を全員一致で決めた。政策金利を年0.5%前後に据え置く。

国内景気が減速し、株価も世界的に下落しており、景気情勢や市場動向を慎重に見極める必要があると判断したとみられる。

福井俊彦総裁が午後に記者会見し、政策判断の背景を説明する。

日銀は2007年2月に利上げした後、政策金利を維持している。今回は改正建築基準法の施行に伴う住宅投資の減少や、

原油高などによる企業収益の圧迫もあり、今後も緩和的な金融環境を維持する必要があるとの意見が大勢を占めたもようだ。

金融・資本市場も依然として不安定との認識を持ったとみられる。

会合では昨年10月末の「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」で示した経済成長率などの見通しについて、状況に変化があるかを中間評価。

日銀は12月に景気判断を下方修正しており、景気の下振れ要因を重点的に検証した。


◆コメント:米国は、公的資金注入。日欧は利下げすべきだ。

金融政策というのは、本当に難しくて責任が重い。それは分かるんですけどね。世界の株の下がり方を見ていると尋常ではない。

用語ですが、アメリカのFF(フェデラルファンド)金利とは何かというと、アメリカの銀行は中央銀行である連邦準備銀行に、

自分の銀行の預金残高の一定割合を預けなければいけないのです。その義務づけられた資金が不足しているときは、余っている銀行から1日だけ借りるのですが、

それを一日だけだから、銀行間の短期金融市場ってとこから調達するのです。その調達する際の金利をFRBが決めるのです。

アメリカは、今日、これを引き下げた。0.75%引き下げたのですね。かなり大きな下げ幅。

金利が低くなると、アメリカの銀行は資金を調達しやすくなりますね?

これによって資金繰りが狂って銀行が潰れるかも知れないという心配が緩和される、といいうことです。


一方わが国の中央銀行、日銀は、「政策金利」を据え置いた、とのことですが、ここでいう「政策金利」とは、

「無担保コール翌日物金利」というもので、FFレートに似てます。銀行同士は、短期金融市場というところで1日(オーバーナイトといいます)の


お金の貸し借りをするのですが、日銀はこの短期金融市場に資金を供給したり、逆に吸収したりして、全体の資金量を調整するのです。

資金量を何を持って測るかというと、オーバーナイト金利がいくらか、というのを見ているわけです。

で日銀は、ずーっとそうなんですけど、これを今日も、

0.5%前後で推移するよう促す。

と、発表しました。

それは、日銀のサイト2008年 1月22日 当面の金融政策運営について(現状維持、12時19分公表) (PDF, 76KB) で確認出来ます。


それで、アメリカですけど、記事1にあるとおり、昨年9月から4回もFFレートを引き下げていますが、サブプライム問題、収束しないでしょう?

証券化されたサブプライムローンによる評価損やサブプライムローンの焦げ付きがどこまで膨らむか分からないからです。FFレートで日々の資金繰りは確保出来ても、

不良債権は金融機関の資本を食いますから、潰れるかも知れないのです。そしたら、金融株を中心に世界中の株が暴落するだろうという懸念から、

21日ぐらいから特に顕著ですが、世界中の株が暴落しているのです。だから、資本を充実させないとだめです。

日本の銀行がバブルがはじけて多額の不良債権を抱えたときに、アメリカは日本に「対応が遅い。さっさと公的資金を入れろ」と言ってたんですよ?

なんで、あんたら、やらないの?



日本の株式市場が下がっているのは、勿論サブプライムローン問題による信用不安があるからですが、日本の国内景気が悪すぎます。

本当は、時系列で見なければいけないのですが、ここ数日発表された、指標を並べてみると、
(1/16)11月の機械受注、前月比2.8%減

(1/17)2007年の大阪地区百貨店売上高、1.1%減──12月は2.5%減

(1/18)12月の消費者心理、4年半ぶり低水準・物価高や景気後退懸念で

(1/18)11月の第3次産業活動指数、0.3%低下

(1/19)2007年の全国百貨店売上高、11年連続前年割れ――前年比0.5%減

(1/21)12月首都圏マンション発売戸数、20.2%減――近畿圏は9.1%減

(1/22)07年のスーパー売上高、1.4%減・11年連続マイナス

これでも、経産相や日銀総裁は「景気は悪くなっていない、景気対策の必要はない」と発言するし、

日銀の金融経済月報 (基本的見解、1月)の書き出しは、
わが国の景気は、住宅投資の落ち込みなどから減速しているとみられるが、基調としては緩やかに拡大している。

というのですが、ちょっとどうかな、と思います。インフレを懸念するといったって、消費者物価指数のグラフをみると、

とても、インフレリスクが迫っているとは思えません。


日銀は今日、0.25%利下げしても良かったと思います。

EUのヨーロッパ中央銀行(ECB)も1月11日に政策金利を変えない事を決めました。

エライ人たちに言わせると中央銀行は目先の現象にとらわれてはいけないというのですが、21日の24時間に、世界の38の株式市場で株価が急落しました。

ヤバい、と思います。

結論を書きますと、アメリカは金融機関に公的資金を注入しなさい。日本と欧州の中銀はとりあえず利下げして株価を戻しなさい、

という事です。

それでは、今日はこの辺で失礼いたします。

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