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2007年12月27日(木) |
<パキスタン>ブット元首相が死亡 党集会場で自爆テロ←何故殺されたのか。 |
◆記事:<パキスタン>ブット元首相が死亡 党集会場で自爆テロ(12月27日22時43分配信 毎日新聞)
【ニューデリー栗田慎一】パキスタンのイスラマバード近郊のラワルピンディで27日、
来年1月8日の総選挙に向けた有力野党「パキスタン人民党」の集会の会場近くで自爆テロがあり、
内務省筋によると同党総裁のベナジル・ブット元首相(54)が死亡した。
総選挙を前に有力政治家のブット氏がテロの犠牲になったことで、パキスタン情勢は混迷を深めそうだ。
◆コメント:パキスタンとは何か
パキスタンとインドはかつて英国の植民地でしたが、1947年、同時に独立しました。
これが悲劇の始まりです。
インドとパキスタン北部にカシミール地方という一帯があります。中国とも国境を接しています。
インドとパキスタンが「同時に」独立しました。インドはヒンズー教徒が多い。パキスタンはイスラム教です。
このため、カシミール地方では、インド-パキスタン国境付近での宗教的対立からの殺し合いが続いています。これが解決しないのです
つまり、パキスタンとインドは仲が非常に悪い。何度も戦争をしています。このため、民主的政治体制が整うヒマが無く、
軍部の力が非常に強いのです。
パキスタン国内政治の歴史を全部書くと、クーデターの繰り返しで、矢鱈とややこしいので、直近だけ書きますと、
今の大統領は、ムシャラフ氏です。1999年にクーデターを起こし(無血クーデターだそうです)、首相になり、2001年6月、
正式に大統領に就任しました。
パキスタンはインドとの紛争が絶えないばかりではなく、911テロの首謀者と見られている、オサマ・ビンラディンと彼の率いる例の「アル・カイーダ」に
が潜伏していると言われてます。それを黙認してるので、アメリカその他の国々からも睨まれていて、国際的にヤバい立場にあります。
だから(それだけが理由ではありませんが)、核を持っているのでしょう。核保有国です。
◆ブット元大統領は10月に8年ぶりにアメリカから帰国したばかりだったのです。
一方、今日、殺されてしまったブット元大統領は、パキスタンの民主化を目指す、「文民」の代表格です。
パキスタン人民党という政党(政党の力は非常に弱いのですが)の党首で、パキスタンが始めて議院内閣制に移行した時の初代首相、
ズルフィカル・アリ・ブット氏の長女です。この親父さんがもともと、パキスタン人民党の党首だったのです。
パキスタンを軍人じゃなくて文民が統治するようにしようとするのがパキスタン人民党で、親父さんは1977年、ちゃんと選挙で人民党が勝利したから首相になったのです。
ところが、今日、殺されたブット女史のオヤジさん、もう一度、フルネームを書きますが、ズルフィカル・アリ・ブット氏も悲劇的な最期でして、
軍部によるクーデターの後処刑されているのです。その志を継いだ長女が、今日殺されたベナジル・ブットさんです。
パキスタン人民党は軍政に批判的だから、命を狙われていたのです。その上、何だか具体的な内容が分からないのですが、夫が汚職疑惑で逮捕されたりして、
ますます、危ないので、アラブ首長国連邦で8年間も亡命していたのです。
間もなく総選挙があるので、10月18日に帰国したのですが、そのときから、イスラム過激派から「帰国したら殺す」と脅迫されていました。
もともと物騒な歴史を積み重ねてきた国で、オヤジさんの悲劇も目の当たりにしているわけですから、ブット女史は殺されるのは覚悟していた、と思います。
しかしねえ。だからといって、殺されて良い訳はないのです。
この国はこのように国内は物騒だし、核を持っているわ、テロリストはかくまうわ、厄介な国なのです。
ブット女史のご冥福を祈ります。
◆ベートーベン交響曲全曲演奏シリーズ 交響曲第8番 第4楽章 プロでも難しい怒濤の三連符
この楽章は、細かい三連符がずっと続くんです。同じ音で三連符ならまだしも、もの凄い速さで弾きながら、音が変わるのです。
当たり前じゃないか、というなかれ。音楽で「3」てのはややこしいです。弦楽器は上げ弓(アップ)下げ弓(ダウン)の2種類しか、弓の動きはありません。
これが、偶数なら、拍の頭はかならず、下げ弓になりますが、3連符だと ↓↑↓/↑↓↑/↓↑↓/となります。言葉で説明しにくいけど、とにかく弾きにくい。
ゆっくりならまだ良いのですが、とにかく速い。私は子どもの頃から、ずっと「この楽章を弾くのは大変なんじゃないかな」と思っておりました。
先日プロのヴィオラ奏者のふっこさんに伺ったらやっぱり、ベテランのプロでも難しいそうです。
いうまでもなく、オーケストラですから、弦楽器は同じパートを十数人で弾く。一人でもずれたら、細かい三連符に聞こえないです。
訓練を積んだ人間の能力はすごいものだ、と改めて感心します。
それから、この楽章ではティンパニがF(ファ)のオクターブにチューニングするように指定されています。第九の第2楽章と同じなのです。
それまで、ティンパニのチューニングは、高い音が主音(長調なら、ド。短調なら、ラ。)低い音が属音(長調なら、ソ。短調なら、ミ。)と、
相場が決まっていました。こう言うところでも、ベートーベンは革新的な試みを行っています。それではどうぞ。
ダウンロード BeethovenNo8Finale.mp3 (8473.0K)
私はやっぱり、8番好きですね。如何でしたか?それではまた。
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