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JIROの独断的日記
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2002年12月27日(金) 「されど我は汝らに告ぐ。汝らの仇を愛し、汝らを責むる者のために祈れ」(マタイ福音書)

 欧米人の行動様式の基礎はキリスト教にあるという。表題の言葉はあまりにも有名なマタイ福音書5:44で伝えられるキリストの言葉である。子供でも知っている(最近の子供は知らないか・・・)。しかし、米国の行動は改めて検討するまでも無く、この教えに真っ向から逆らっている。

 26日付のワシントンポストは、CIA(米国中央情報局。要するに諜報機関)が9.11テロ以降捕らえたアルカイダやタリバンの兵士を様々な肉体的、精神的拷問にかけて自白させている事をすっぱ抜いた。

 1949年のジュネーブ条約では戦争捕虜を人道的に処遇する事を規定しているが、ラムズフェルド米国防長官は今年の1月に「彼らは不法な戦闘員であり、ジュネーブ条約で定義するところの戦争捕虜に当らない。」と公式見解を発表している。だから、拷問にかけても良いという論理である。「不法な戦闘員」ってどういう意味か?「合法な戦闘員」ってのは要するにアメリカの兵士のことか?何という独善。何という傍若無人ぶり!

 わかった。百歩譲って、ジュネーブ条約が適用できないとしよう。しかし、キリストさんの教えに対する反逆はどうやって説明するのだ? 都合の良いときだけ、「God bless America(アメリカに神の御加護を)」なんて抜かしやがって。しかも、米国は、これは国務省だが、ミャンマーの軍隊が、ある村落で、今年の6月に、集団で婦女暴行を行っていた事を確認した。「このような犯罪的行為は国際社会の厳しい糾弾を受けるべきだ」、なんて発表している。ミャンマーの事が事実なら勿論けしからぬが、アメリカは他人の国のことを言えた義理ではない。自分のやっている事を良く見ろ、といいたい。

 公平を期すために書くならば、ワシントンポストやロサンゼルスタイムズは、このような自国に不利な情報もきちんと報道するところは評価していい。アメリカにも良心のある人間は大勢いる。それはみとめる。

 但し、国家としてのアメリカは極めて残虐で危険なシステムだといわざるをえない。

  ひるがえって、日本のマスコミは何故米国のこのような蛮行を報じないのか。ワシントンポストの記事を取り上げているのは日経だが、それさえ、国際面の一番下の隅のベタ記事である。殆どの人は見逃すだろう。安保条約を締結しているからといって、相手国の非人道的行為を非難してはいけない理由はどこにも、ない。


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