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JIROの独断的日記
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2006年12月29日(金) 「フセインの死刑執行、住民虐殺『人道に対する罪』」←フセインが死刑なら、ブッシュも死刑相応だね。

◆記事:フセインの死刑執行、住民虐殺「人道に対する罪」(12月30日14時46分配信 読売新聞)

【カイロ=長谷川由紀】イラク中部ドゥジャイルのイスラム教シーア派住民148人を殺害した「人道に対する罪」で死刑が確定していた同国元大統領サダム・フセイン(69)に対し、

絞首刑による死刑が30日午前6時(日本時間同日正午)ごろ執行された。同国国営テレビが伝えた。

約30年にわたり同国を強権支配、2003年のイラク戦争で政権の座を追われた独裁者は、自国民の手で裁かれ、「罪人」として刑死した。

マリキ政権は処刑で求心力回復を期待するが、旧政権残党などの報復攻撃が激化、治安がさらに悪化する懸念もある。

フセインは、軍などのクーデターでバース党政権が誕生した翌年の1969年、最高意思決定機関「革命指導評議会」副議長に就任して実権を掌握し、

79年に大統領に就任した。イラン・イラク戦争(80〜88年)やクウェート侵攻(90年)を指揮。

国内では、政敵や反体制勢力を力で徹底排除・弾圧する恐怖政治を敷いた。

米軍主導のイラク戦争で03年4月に政権は崩壊、同年12月、出身地のティクリート郊外の潜伏先で米軍に拘束された。


◆コメント:5万人のイラク人と3000人の米兵を殺したブッシュは、何故死刑にならないのか。

2003年3月20日にアメリカがイラクに武力侵攻した。イラク戦争の始まりである。

ブッシュは「イラクは大量破壊兵器を保有しており、これがテロリストの手に渡れば、アメリカがいつテロリストに襲われるかも知れない」と云って、この戦争を正当化した。

しかし、大量破壊兵器は初めから無いことが分っていた。

それは、開戦から4か月も経たないうちにラムズフェルド元国防長官が証言しているのである。



だが、大量破壊兵器があろうがなかろうが、アメリカのイラクに対する武力攻撃は、国際法上の違法行為である。

その理由については、私がイラク戦争開戦前日に書いた記事を読んでいただきたい。

いつまで経ってもこれが分らないバカがいるが、「イラク戦争は正しいか否か」という議論自体が無意味である。

「賛成」とか「反対」とか「思う」という言葉を使うことがすでに間違っている。

イラク戦争が違法行為であることに関して議論の余地など無いのは、国連憲章を読めば明らかである。


◆フセインの処刑に関しては、イラクの国内法によるものだから、こちらが口を挟むことではない。

まあ、建前上はそう言うことです。

但し、アメリカがイラクに今回の判決と処刑を「命じた」ことは国際政治の記事を毎日読んでいるひとなら、殆ど考えるまでもなく明らかだ。

しかしながら、フセインを死刑にしたら、イラク国民は幸福になるのだろうか?という素朴な疑問を呈したくなる。

イラクのニュースを読むと、毎日誰かが死んでいる。

フセインがクルド人に化学兵器を使ったとか、そりゃ色々あるでしょうよ。

そうは云っても、フセイン独裁制の頃より、今の方が人が死んでいるのは客観的事実である。

このようにイラクがカオス(混沌)状態と化してしまったのは、ブッシュが、言いがかりを付けてイラクに攻め込んで、

「それなりに」無事を保っていたイラクを無茶苦茶にしてしまったからだ。


◆5万人以上のイラク人と3000人の米兵を殺したブッシュが偉そうにしている滑稽。

イラク戦争が始まってから、今日までの民間人(非戦闘員)の死者数を毎日更新しているIraq Body Count(イラク人の死者数)という

タイトルそのままのサイトがある。英語だが、英語など読めなくても分る。「ENTER SITE」というボタンをクリックしてください。

トップページに死体の写真など載っていない。大丈夫。今見たら、

MIN 52060 MAX 57628

となっている。正確な死者数は分らないのだ。

いろいろな組織が調べた中で最も少ない数字と最も多い数字を併記しているのでこのような表示の仕方になる。

いずれにせよ、5万人以上の無辜のイラク人が亡くなったことは、明らかと考えて良かろう。



また、死んでいるのは、イラク人ばかりではない。

勿論アメリカの兵隊とて、行きたくない戦争に行かされて命を落としている。
◆記事:イラク:爆弾テロで27人死亡−−バグダッド(毎日新聞 2006.12.29)

【カイロ支局】バグダッドで28日、計5件の爆弾テロが続発し、市民ら計27人が死亡した。

またイラク駐留米軍は同日、バグダッド南部の路上に仕掛けられた爆弾で27日に米兵3人が死亡したと発表した。

AP通信は、これにより03年3月のイラク戦争開戦後の米兵死者数は「少なくとも2986人」になったと報じた。

ブッシュの判断の誤りによって、5万人のイラク人と3千人の米兵が死んだ。

ブッシュが殺したも同然である。

その張本人は、いまだにホワイトハウスで、「世界の君主」のごとく偉そうにしている。

これを滑稽と云わずして何と云おう。



フセインに対する死刑判決は前述の通り、形式上はイラク内部の問題であり、外国がとやかく言うことではない。

フセインはイラクの法律の基づいて死刑になったのである。



ブッシュをイラクの法律に基づいて死刑にすることは勿論出来ない。

だが、それは、形式論であり、「人道上の罪」を倫理的に(常識的に)考えたとき、

フセインが死刑に処せられるのなら、ブッシュは「市中引き回しの上、磔(はりつけ)、獄門」ぐらいにしないと不公平だ、

と考えるのは私だけであろうか?



なお、我が日本国は、恥ずかしい歴史を作ってしまった。

イラク戦争が始まったとき、小泉元首相が世界で最初にアメリカの武力行使を支持する、とのメッセージを発したのである。

そして、その小泉を2005年9月11日の衆議院選挙で大勝させてしまったのが、日本の有権者である。

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