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2005年12月29日(木) |
「米兵ひき逃げ、3人重軽傷=「公務」で即日釈放」←小泉さん。対米関係は「改革」しないのですか? |
◆記事1:米兵ひき逃げ、3人重軽傷=「公務」で即日釈放−小学生男児、横断歩道で・東京
東京都八王子市で22日、米軍厚木基地(神奈川県)の女性上等水兵(23)がひき逃げ事故を起こし、
小学生の男児3人が重軽傷を負っていたことが28日、分かった。
警視庁が業務上過失傷害と道交法違反(ひき逃げ)の疑いで緊急逮捕したが、
米軍から「公務証明書」が出されたため、日米地位協定などに基づき、即日釈放した。
小学生が被害者になっていることや、逃走していることなどから、米軍の「特権」がなければ釈放されないケースだった。
八王子署の調べでは、事故は22日午後1時ごろ、八王子市大谷町の国道交差点で発生。
横断歩道を渡っていた近くの小学3年の男児3人が北上してきたボックス車にはねられ、数メートル飛ばされるなどした。
9歳の男児が鎖骨骨折や胸部打撲など重傷を負って入院。ほかの2人も頭部打撲などの軽傷。(時事通信) - 12月29日6時3分更新
◆記事2:首相動静(12月29日)
午前10時現在、公邸。朝の来客なし。
午前中は来客なく、公邸で音楽鑑賞などして過ごす。
午後も来客なく、公邸で家族と過ごす。
30日午前0時現在、来客なし。(了)
◆資料:日米地位協定 第十七条(抜粋)
1(b) 日本国の当局は、合衆国軍隊の構成員及び軍属並びにそれらの家族に対し、日本国の領域内で犯す罪で日本国の法令によつて罰することができるものについて、裁判権を有する。
3 裁判権を行使する権利が競合する場合には、次の規定が適用される。
(a) 合衆国の軍当局は、次の罪については、合衆国軍隊の構成員又は軍属に対して裁判権を行使する第一次の権利を有する。
(i) もつぱら合衆国の財産若しくは安全のみに対する罪又はもつぱら合衆国軍隊の他の構成員若しくは軍属若しくは合衆国軍隊の構成員若しくは軍属の家族の身体若しくは財産のみに対する罪
(ii) 公務執行中の作為又は不作為から生ずる罪
(b) その他の罪については、日本国の当局が、裁判権を行使する第一次の権利を有する。
(c) 第一次の権利を有する国は、裁判権を行使しないことに決定したときは、
できる限りすみやかに他方の国の当局にその旨を通告しなければならない。
第一次の権利を有する国の当局は、他方の国がその権利の放棄を特に重要であると認めた場合において、
その他方の国の当局から要請があつたときは、その要請に好意的考慮を払わなければならない。
◆コメント:要するにどういう事かというと、
日米地位協定の基礎にあるのは、日米安保条約です。
日本は日本の領土内に在日米軍を設置してその自由使用を認めるから、
アメリカは日本を防衛せよというのが、安保条約ですね。
それで、守ってもらっているから(私は、彼らに本気で守る気があるとは思えませんが)、
アメリカの兵隊さんは特別扱いしますといって、その特別扱いの内容を細かく定めたのが、
日米地位協定です。
◆日米地位協定17条がくせ者なのです。
特別扱いで、最も揉めているのが、在日米軍の軍人が日本国内で犯罪を犯したときの扱いです。
アメリカ兵がどこか夜遊びに行って、日本人をぶん殴ったら、
これは文句なしに日本が被疑者の身柄を拘束して取り調べを行うことができるのです。
しかし、米兵が日本国内で「公務中に」犯した犯罪の場合は、
米国側に一次裁判権を認めており、身柄拘束も裁判も米国側が行う、と17条で定めてある。
今回も17条を利用したのですが、米国側の権利の濫用だと思います。
◆保護法益
どこの国でも、外国人が犯罪を犯したら、その国の法律で裁かれます。
犯罪と刑罰に関する法律を「広義の刑法」といいます。
「『刑法』という名前の法律」を「狭義の刑法」といいます。
刑法は、いろいろな行為を犯罪と定めることによって守ろうとしている国民の利益があります。
これを「保護法益」といいます。
例えば、殺人罪の保護法益は、国民の生命ですし、窃盗罪の保護法益は、国民の財産(権)です。
犯罪行為によって、被害が出た場合、保護法益が侵されたこと自体が問題なのです。
その違法行為の主体が自国民であろうが外国人であろうが、迷惑を受けた人がいることに変わりはない。
だから、外国人と云えどもその国の法律に従わざるを得ない。属地主義が原則です。
◆アメリカの顔色をうかがいすぎです。
日本の治安を守るために刑法があるのですから、
アメリカ軍の軍人(兵隊)が仕事中であろうがなかろうが、関係ないのではないでしょうか。
強く出ると、アメリカに守って貰えなくなる、とビクビクするからなめられる。
それとこれは話が別。日米地位協定17条こそ改正するべきです。
沖縄の大学の敷地に米軍ヘリコプターが墜落しても、「公務証明書」の紙切れ一枚で、
日本の中の出来事なのに日本の警察が現場を見ることすら出来ないというのは、明らかにおかしい。
このまま行くと、小学生レイプ事件のときはさすがにおとなしくしていたアメリカ兵が、また、図に乗ります。
「公務証明書」さえ出して貰えば、泥棒しても、人殺しをしても、
アメリカ兵を取り調べることが出来ない、ということになりかねない。
そんな馬鹿な話はないでしょう。
◆17条を改正するべきです。小泉さん、「改革を止めたらいけない」のでしょ?
例外を認めず、米軍軍人が日本で犯罪を犯したら、公務中であろうがなかろうが、
日本が取り調べ出来るように、日米地位協定第17条を改正するべきです。
ところがわが国の首相は、どうでしょう?、記事2を読んで下さい。
子供が3人も米兵の車にはねられた(目撃者によると、クルマにはねられた子供はあたかも高速のマット運動でもするかのごとく、
20メートルも転がったそうです)というのに、
事故の翌日である29日、なーんにも考えないで遊んでいますよ。
「改革を止めてはいけない」と百万回は繰り返してきた小泉首相ですから、
対米関係でも是非、「改革」の手を緩めないで欲しいですね。
2004年12月29日(水) 「津波死者7万に迫る。」「50人以上が安否未確」「首相動静:読書などして過ごす」
2003年12月29日(月) 日本人の無愛想
2002年12月29日(日) 第九以外の年末お勧め曲