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2006年12月25日(月) |
「いじめ自殺報道」が「自殺連鎖」を誘発した可能性あり。専門家の指摘←私は、先月同じ事を書きました。 |
◆記事引用元:いじめ自殺報道:メディアの役割とは−話題:MSN毎日インタラクティブ
(URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/edu/wadai/archive/news/2006/12/20061225ddm012040046000c.html)
いじめも一因とみられる子供たちの自殺が続き、メディアの報道が痛ましい連鎖を誘発したのではないかとの指摘が出ている。
自殺予防に詳しい精神科医の高橋祥友防衛医科大学校教授は、自殺の報道が複数の自殺を引き起こす「群発自殺」の危険性を指摘する一方、
予防のために報道が重要な役割を果たすと主張する。毎日新聞を中心とした一連の報道への評価と改善点などを高橋教授に聞いた。
また、自殺報道のガイドラインを導入したオーストリアの事例を報告する。
◇精神科医・高橋教授に聞く
■遺書の写真きつすぎる
■予防策掲載で効果も
短期的に過剰な報道を控えるよう強調する高橋教授が最も危険だと感じたのは、遺書の写真や全文の掲載だった。
毎日新聞は、愛媛県今治市の中1男子生徒のケース(8月27日朝刊)では全文、
北海道滝川市の小6女児(10月2日朝刊)と福岡県筑前町の中2男子生徒(10月14日朝刊)、
岐阜県瑞浪市の中2女子生徒(10月30日朝刊)のケースでは、写真と全文・抜粋を掲載した。
他の全国紙などもほぼ同様の扱いをした。
<「本人の実名や写真、現場の写真を掲載しなかったのは、以前の報道と比べて良かった。
だが、遺書の写真は視覚的イメージがきつすぎる。全文でなくても、記事中で引用すれば済むのではないか。
同じように悩んでいる子供たちの背中を押しかねない。テレビニュースが全文を読み上げた例もある」>と指摘する。
瑞浪市のケース(10月31日夕刊)などでは、学校関係者、加害者とされる生徒の保護者らが遺族に謝罪したことも度々報道した。
この点も<「すべて取り上げる必要があったのか。現にいじめに遭っている子供たちが、
自分も死ねば相手を謝罪させることで、仕返しできると思い込む恐れがある」>と疑問を呈する。
文部科学相あてに自殺予告の手紙が送られ、記者会見や手紙の写真を付けて掲載(11月7日朝刊・夕刊)したことも
<「大きく扱いすぎたのではないか。該当する地域だけで報道する手法もあった」>と語る。
また、子供たちが死を選ぶ原因として、いじめに過度に焦点を当てることに注意を促す。
いじめが直接の引き金になり得ることを認めたうえで<「自殺には複雑な原因がある。
いじめという環境要因だけでなく、うつ病などの精神疾患や本人の性格、家庭環境などが関係している」>と述べる。
自殺を報道する際に必要なことは、他の解決手段を伝えることだという。
学校の素早い対応が長男に自殺を思いとどまらせた女性の体験(11月16日夕刊)や主な相談窓口の連絡先一覧(11月21日夕刊)、
学年の異なる子供たちが交流するプログラムのいじめ防止効果(11月24日夕刊)などの記事については<「こういう記事が掲載されたのはいいことだ。
大多数の人は自殺の報道に接しても冷静でいられるが、悩んでいる人はますます思い詰めてしまう危険性がある。より早い時期に掲載してほしい」>と語る。
いじめを乗り越えた読者の体験を集めた教育面の特集や作家のあさのあつこさんらが「死なないで」と呼びかけた生活家庭面の連載などについても同様の評価をした。
毎日新聞を含む一連の報道で欠けていた点も指摘した。
<「うちの子は大丈夫だろうかと不安な親に、危険なサインについて知らせる報道がほとんどなかった」>という。
日本では「寝た子を起こす」という意識もあって導入が見送られてきた子供たちの自殺予防教育の必要性、
遺族や他の児童生徒、教師らに対する精神的なケアが不十分なことについての問題提起も大切だという。
<「子供たちが『死にたい』と漏らすのは、親や教師でなく友人であるケースも多い。
小集団の中でいじめる側といじめられる側が容易に転換するので、いじめる側の病理にも目を向ける必要がある」>と背景を説明する。
従来のいじめ(自殺)報道は、短期・集中的だったとしたうえで、長期的な視点で取材し、
注意すべき点を下の世代の記者に伝えていくことを今後の課題として求めた。
(記事の掲載日は、東京本社発行の最終版に基づきました)
◆コメント:私は、先月、「いじめ自殺をいちいち報道するな」と書きました。
先月、「小中学生の自殺連鎖止まらず」←お前ら(マスコミ)がいちいち報道するのも一因だぞ。と題する一文を書いた。
上に転載した本日付毎日新聞の記事は偶然発見した。精神科医、高橋祥友防衛医科大学校教授が、つまり、専門家が、自分同様の事を述べているので、確信を強めた。
勘違いして頂きたくないので書くが、子どもの自殺などという悲惨な出来事に関して、自分の推論が当たったと「自慢」するほど、私はバカではない。
但し、私は臨床精神医学の専門的訓練を受けた人間ではないから、理論的・統計的根拠に欠ける。
だから、専門家の意見を以て、自らの主張を補強することしかできないのである。それが、長い記事を引用した理由である。
ただ、あまりにも長くなるので、記事で触れている「オーストラリアの事例」は省略した。
今日からしばらくの間は、標題に併記したURLから原サイトにアクセスできるだろうから、興味がある方はそちらをご覧下さい。
◆報道が、事件・犯罪の連鎖を惹起するのは、恐らく「いじめによる子ども自殺」にとどまらない。
リンク先の記事にも書いたが、2003年に、ネットで知り合った赤の他人がクルマの中で七輪を焚き、一酸化炭素中毒で自殺する、という事件がが立て続けに起きた事も書いた。
特定の時期に、このような奇妙な方法による自殺を、偶然、全国各地で思いつく訳がないのであって、
あれは絶対に最初の自殺報道を見て「そういう方法があったことを知ってしまった」、かつ、
もともと希死念慮がある人間が二件目をやり、三件目、四件目、と続いたのであろうことは、想像に難くない。
私はその当時、「集団自殺」と「通り魔」は報道しない方がよいのではないか。という記事を書いた。
概ね、今も同じことを考えているが、「通り魔」は「愉快犯」に置き換えるべきである。
愉快犯は、悲惨な犯罪を見て「興味をもっ」たり、「興奮をおぼえ」たりする可能性が高いのである。
つまり、事件・犯罪を報道するデメリットと報道しないデメリットを比べる必要がある。
愉快犯の犯罪を報道しないことが、国民にとってどの程度デメリットになるのか?
その前に、もともと、「いじめによる自殺」がはなしの発端だったのだから、それを考える。
「いじめによる自殺があった事実」は、知っておいても良いかも知れない。
しかし、「連続して自殺者が出ている」ことを、全国民が知って、どうするのか?
見知らぬ子どもがいじめられていないか近所の学校に見張りに行くほど、
皆さん善意に満ちあふれた人ではないのだから、報道は好奇心を刺激するだけであり、「必要」とは思われない。
愉快犯の場合はどうか。
限定した地域で、例えば性犯罪が連続している場合は、その地域の住民は身を守るために、情報を得る必要がある。
が、これは、地域の警察が住民に注意を喚起すればよいのである。
新聞で全国に言い触らす必要はない。全然関係ない場所の変態を刺激するだけだ。
◆毎日新聞はメディア(自分たち)にとって不利な情報を隠さずに紙面に載せた点において、評価できる。
「日本人の褒め下手」で放っておくと誰も毎日新聞を評価しないだろうから、書いておく。
私は毎日新聞を特別扱いするつもりは無いが、なかなか、メディアは自分たちに都合の悪いことは載せないものである。
毎日新聞とて、都合の悪いことを全て暴露しているわけではないだろうが、それは新聞社に限らず、どのような企業(組織)も同じである。
ただ、本件に関しては、客観的に見て毎日新聞の姿勢は、評価するべきである。
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