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2006年12月26日(火) |
お悔やみ/台湾で大地震。/スマトラ島大地震から2年後。モルディブを救った日本の防波堤。 |
◆お悔やみ
エンピツをご覧の方はご存じないかも知れないが、ココログ版の読者で、
私が音楽のことを書くといつもコメントを書いてくださるKenさんという方がいらっしゃるのですが、奥様が急逝なさいました。
ご主人とお子様を遺されて、さぞご無念だろうと、言葉もありません。
心よりお悔やみ申し上げます。
弔事は全てに優先すべきであるので、敢えて、記事冒頭で弔意を述べさせていただきました。
Kenさんもココログにクラシックのブログを書いておられます。
ただ、今まで私の記事で、本文中からリンクを貼ったことがなく、ご不幸のときに初めてリンクをするというのは如何にも失礼なので、
貼らないまま書かせていただきます。
Kenさんは、ものすごくクラシックに造詣が深く、自らアマチュア・オーケストラで演奏なさるばかりでなく、
学究肌の方で、でモーツァルトの全作品のスコアを買って聴いみようという計画を立てておられるぐらいです。
こういう方はアマチュアのかなりのクラシック好きでも、滅多にいません。
先日、モーツァルトの全楽譜がオンラインで無料公開という記事を書きましたが、
その前にKenさんにお伝えしたら、大層喜んでくださいました。
そして、Kenさんは、ただ喜ぶのではなく、楽譜の「版」の違い(詳しい説明は省きます)まで即座に指摘なさったぐらいですから、その学識は並ではありません。
私が音楽について何か書くと、必ず好意的なコメントを書いて下さるのですが、
そもそもコメントのやりとりが盛んになったのは、「のだめ」がきっかけでした。
Kenさんはお好きで、一方、私は批判的なことを書いているのに、それまで飲み込んでくださる、心の広い方です。
どうして、このようないい方に、突如悲しいことが起きるのでしょう。世の中、いつもそうです。
Kenさんには、「早く元気になって下さい」などとはとても言えない。悲しいときは、悲しいのです。
今一度、奥様のご冥福をお祈り申し上げます。
◆記事1:台湾南部で地震、マグニチュード6・7…5人死傷(12月27日4時4分配信 読売新聞)
【台北=石井利尚】26日午後8時26分(日本時間同9時26分)ごろ、台湾南部を中心に強い地震があった。
台湾の中央気象局によると、震源は南部・屏東県恒春の南西沖合で、地震の規模は推定でマグニチュード(M)6・7。
その8分後にも屏東県でM6・4の地震が起きた。
中央通信によると、2つの地震で、恒春で家具販売店が崩壊、1人が死亡、4人が負傷した。
◆記事2:インド洋大津波から2年、インドネシア各地で追悼行事(12月26日13時13分配信 読売新聞)
【バンダアチェ(インドネシア・スマトラ島)=佐藤浅伸】インド洋沿岸で23万人を超える死者・行方不明者を出したスマトラ島沖地震と津波から2年を迎えた26日、
震源に近く、最大の被災地となったインドネシアのバンダアチェなどナングロアチェ・ダルサラム州内の各地で、
津波が襲来した午前8時(日本時間同10時)過ぎから、住民が集団墓地やモスク(イスラム教礼拝所)に集まり、祈りをささげた。
被災地では国際社会の支援を得て懸命の復興努力が続いているが、現在も約7万人が粗末なバラックでの避難生活を余儀なくされる。
仮設住宅が並ぶ州都バンダアチェのウレリ地区では、犠牲者約1万4000人が眠る集団墓地に隣接するモスクに遺族らが相次いで訪れ、
犠牲者の冥福(めいふく)と残された者の安寧を静かに祈った。
◆コメント:死傷者が5人だから大したことはない、という考え方をすべきではない。
昨夜の台湾の地震により津波はフィリピンに向ったと報ぜられたが、そちらの被害はあったのかどうか、不明である。
昨日はスマトラ島大地震から2年目で、同じ日に大地震がアジアで起きたという何とも嫌な偶然である。
今のところ死傷者が5人だというが、スマトラ島大地震の23万人に比べれば被害者の数が少ないから、という考え方をするべきではない。
日本政府から「中華民国」(台湾)に対してお見舞いのステートメントを発したいところである。
ところがここが外交上ややこしいところである。
台湾は事実上独立しているが、中国(中華人民共和国)は台湾を自国の一部だと主張する。
台湾は勿論自国を独立国だと考えている。
日本政府の外交上の見解としては、台湾を独立国として承認していない。
だから、内閣総理大臣名で台湾政府宛にお見舞いの電報を打つと、中国が大騒ぎになる。
送るとすれば、中国政府宛に送ることになるが、受理されても、それが台湾に届くかどうか甚だ怪しい。
しかしながら、弔事はやはり、全てに優先するべきである。
こういうときは、日本から、直接台湾にお見舞いをいい、中国も黙認すべきだと思う。
◆スマトラ島大地震でモルディブの首都を救ったのは日本が作った防波堤だった。
スマトラ島大地震はマグニチュード9で、そのエネルギーは、阪神・淡路大震災の1400倍だった。
被害は、インドネシアのならず、タイ、スリランカなどインド洋沿岸を襲い、
津波は約6000キロ離れたアフリカ東岸に達するすさまじさであった。
死者数が22万人を超え、確認されているだけで、日本人も40人が亡くなった。
ただ、このときに日本人に感謝してくれた人々がいた。
インド洋の小さな島国から成るモルディブ共和国である。
モルディブの領土は1,200の島だが、全部の面積を合計しても佐渡島よりずっと小さい。
一つ一つの島の海抜は1メートル程度しかない。この国の首都、マリも水没はしたものの、津波による死者がゼロだった。
マレの人々は「日本からの公的支援で建設された防波壁が、島を津波の大惨事から守ってくれた」と思っている。
当時の記事にも載せたが、日本の新聞記者がその防波堤を取材に行くためにタクシーに乗ったら、
運転手さんが、
「日本が作ってくれたあの壁がなかったら今ごろマレはもうない」と語り、「助けてくれた日本人からこんな時に金を受け取るわけにはいかない」と決して料金を言ってくれなかった。
この逸話を読んで嬉しくない日本人がいるだろうか?
安倍首相は憲法を改正して、自衛隊を軍隊にして、いつでも海外で戦争に加われる国にすることを「国際貢献」だと考えているようだが、
人殺しが国際貢献になるとは思えない。
モルディブで日本が防波堤を作り、彼の国の人々の命を守った。これこそが日本国憲法前文でいうところの、
「国際社会において名誉ある地位を占めたいと思ふ」
の本来の姿である。
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2005年12月26日(月) 「ES細胞:黄教授疑惑「論文、全部ねつ造」ソウル大調査委」 耐震強度虚偽表示がまかり通っていた国も、相当恥ずかしいと思いますが。
2004年12月26日(日) 「クラシカルMIDIデータベース」という凄いサイトがある。
2003年12月26日(金) 「自衛隊を派遣するのはイラクにいる困った人を助けるため」? パレスチナやアフガン難民は何故助けなかったの?
2002年12月26日(木) はた迷惑な酒飲み