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2006年11月08日(水) |
<米産牛肉>輸出許可ない「胸腺」混入←フランスでは胸腺は「特定危険部位」ですが。 |
◆記事:<米産牛肉>輸出許可ない「胸腺」混入 政府「単純ミス」
厚生労働省と農林水産省は8日、米食肉大手スイフト社のグリーリー工場(コロラド州)が日本に出荷した牛肉の中に、
同社が対日輸出を認められていない部位の「胸腺」が交じっていたと発表した。
両省は同工場からの輸入を当面停止することを決めた。
貨物の仕分け作業中の単純ミスが原因だとして、全面輸入停止などの厳しい措置は取らない。
問題の部位は10月27日に大阪港に着いた貨物760箱(11トン)のうちの1箱で、9キロ。
輸入業者から30日、動物検疫所大阪出張所へ届け出があった。
胸腺そのものは対日輸出が可能な部位だが、日米政府の取り決めでは、施設ごとに対日輸出する部位の承認を受けることになっている。
日本に輸出可能な米食肉処理施設は35あるが、現時点で胸腺の輸出を認められた施設はない。
米政府の説明によると、加工済みの肉が入った箱を出荷先ごとに仕分けする際、作業員のチェックが不十分で日本向け貨物に交じってしまったという。
厚労省は「1月に起きた背骨混入とは性格が違う」として、重大な違反ではないとの見解を示した。
両省は一緒に到着した760箱すべての輸入も止めた。米政府に原因の詳細な調査と再発防止策を求めており、
工場の現地調査などで問題がなくなったと確認するまで輸入を認めない方針だ。(毎日新聞) - 11月8日21時0分更新
◆コメント:またですか。
米国産牛肉は、昨年12月下旬、約2年ぶりに輸入を再開したところ、今年1月、輸入再開から一ヶ月も経たないのに、
わが国が「特定危険部位」に含めている脊髄が付いたままの肉がアメリカから送られてきて、ただちに再禁輸となったのです。
そして、如何なる政治的・外交的かけひきがあったのか、我々には知るよしもないけれども、
7月下旬には、輸入再開を政府が決定して、8月から実際に輸入が始まりました。
そして、それから、約3か月で「胸腺」という、「不許可部位」が含まれていた、というのが、今回の事態です。
胸腺とは、人間ならば免疫と関係のある器官ですが、牛はどうだか知りません。
牛の体内で、BSE(牛海綿状脳症)の病原体とされる、異常プリオンというタンパク質が蓄積しやすい場所を
「特定危険部位」といい、その範囲は、国によって異なるわけです。
日本では、「すべての舌、頬肉を除く頭部、扁桃、脊髄、脊柱、回腸遠位部」だそうですが、EUでは、腸は全部取り除くということです。
また、EUの中でも国によって差があります。
この資料(北海道BSE対策本部の講演会記録です)によると、フランスでは、胸腺も「特定危険部位」に含まれていて、
全て取り除くことになっているのです。
そういう国があるから、日本も胸腺を「不許可部位」にしたのではないかと推察されます
(完全に安全だと思っているなら「不許可部位」にしないのではないでしょうか?)。
政府も新聞もそんなことは、知っているはずなのに国民に説明しないのだから、ひどいものです。
私は、最早、米国産牛肉は永久禁輸にするべきではないか、と考えています。
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