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JIROの独断的日記
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2006年09月19日(火) <終末期医療>指針原案まとめる 厚労省」←義務的支出の削減が目的なのですよ。

◆記事:<終末期医療>指針原案まとめる 厚労省

厚生労働省は15日、回復の見込みがない末期状態の患者に対する「終末期医療」の指針原案をまとめた。

延命治療の中止については、主治医の独断でなく、看護師らも含めた医療チームが患者と事前に十分話し合い、

合意内容を文書にまとめることを求めた。同省は有識者による検討会を近く設け、来春の指針完成を目指す。

原案は公開し、国民の意見を募って検討会の議論に反映させる。
原案では、「どのような場合であっても、『積極的安楽死』や自殺ほう助などは認められない」と明記した。

その上で、患者の意思を最大限尊重する形で最善の治療方針を決定するよう求めた。

患者の意思が確認できない場合は、家族の話から意思を推定するが、

推定ができない場合や家族の話がまとまらない場合は、医療チームが最善の治療方法を選択する。

患者や家族とチームの意見が異なったり、チーム内で意見が割れた場合は、専門家による委員会を設置して検討する。

今年3月に富山県の射水市民病院で末期患者の人工呼吸器取り外し問題が発覚したことを受け、川崎二郎厚労相が指針作成方針を示していた。

厚労省医政局総務課は「終末期医療については多様な意見がある。検討会と並行して、国民の率直な意見を聞いていきたい」と話している。

原案は厚労省のホームページ(http://www.mhlw.go.jp/public/bosyuu/iken/p0915-2.html)で読める。

意見募集は来年3月末まで。【永山悦子】(毎日新聞) - 9月15日22時47分更新


◆コメント:医療制度改革は10月から始まる。

終末期医療うんぬんは、後述する。それより、切迫した問題がある。

6月14日、国民がサッカーのワールドカップに気をとられている間に、「健康保険法等の一部を改正する法律案」が強行採決された。

これにより、10月から、


  1. 現役並の所得がある70歳以上の人の医療費窓口負担は、2割から3割に引き上げられる。「現役並」の基準は夫婦2人の世帯で年収520万円である。

  2. 入院患者については「療養病床」(慢性的な病気で長期間入院している人の病床)に入院している70歳以上の人の食費と居住費が、今年10月から全額自己負担になる。いきなり、月3万円の値上げで、9万円になる。2008年4月からは、全額負担の適用年齢が65歳から69歳の人に拡大され、この場合、月13万円の入院費になる。

  3. さらに来年4月からは、所得の多寡をとわず、70歳以上の全てのひとの窓口負担が1割から2割に引き上げられる。

  4. また、同じく来年4月からは、75歳以上の人は全て「高齢者医療制度」に加入させられ、平均年間6万円の医療費(病気じゃなくても)を年金から「天引き」される。

  5. 国民健康保険の加入者だと65歳から「年金天引き」が行われる。

  6. 入院や手術が必要となったときの「高額医療費」の患者負担が増額される。人工透析を受けている患者は一定以上の所得がある者の自己負担額が二倍になる。


◆終末期医療を見直すのも、国の歳出を減らすため。

これは、約一年前から厚労省が方針を打ち出している。

どういうことかというと、癌などのどうせ助からない末期患者の死亡前一ヶ月の「終末期医療費」は非常に高額で、一年で総額9000億円に達する。

そこで、役人は、

「どうせ助からない患者は、早く退院させて自宅で死なせればよいのだ」

と考えたのである。自宅で死ぬ患者が二倍になれば、将来的には、国が負担する終末期医療費を5000億円減らせるそうだ。

如何にも官僚的発想だ。

昨日書いたとおり、こうなったのは、「義務的支出」の削減により財政の健全化を実現しようとした結果である。


◆癌の末期を自宅でケアできるわけがない。

末期ガンの患者は疼痛に苦しむので、モルヒネなど麻薬系鎮痛剤を使う。

末期の患者の家族は、医療従事者ではないのに、この危険な薬物を扱うことになる。

病院でも厳重な管理下に置かれる薬物である。素人に打たせて良いのか?

経験のないひとには分からないだろうが、末期ガンの患者の苦しみ方は、正視に耐えぬ。

付き添っているこちらが気が狂いそうになるほどだ。そんな状態で、冷静に正確な量を素人が注射など出来るだろうか。

私には想像がつく。殆ど確実に、狼狽した家族が間違えて規定の十倍量を一気に投与し、患者が死に至る、という事態が生ずるであろう。



それに、これからの若い人は子どもも欲しくなければ結婚もしないそうだ。一生、独り暮らしの人が増えるだろう。

一人暮らしの患者は、常に付き添って面倒を見てくれる人がいない。

一日一回ぐらい、在宅看護チーム(要するに「往診」だろ?)に来られても、気休めである。

激痛に襲われたときに、上手いタイミングで、医者が来てくれる確率は低い。

しかし、痛みで七転八倒している患者が自家注射など出来るわけがない。

一人暮らしの人は、かなり高い確率で、自宅で苦痛にのたうち回り、汚物にまみれて、孤独な死を迎えることになろう。

これでは、絞首刑で一瞬で死なせて貰える死刑囚の方がむしろ恵まれているではないか。彼らは長い時間苦しまない。



昨日、私は、小泉政権は「弱者は勝手に死んでくれ」という政策をとった、と書いたが、

医療制度改革は正に文字通りの意味で、その路線である。

財政を健全化するためには、真面目に生きてきた人間にこのような最期を経験させるのもやむを得ないというのか。

私は、そういう世の中は間違っていると思う。

15日付毎日新聞によれば、同社の世論調査では、回答者の64%が小泉政権を「評価する」と答えたそうだ。

一体、何を評価するのか、皆目見当がつかない。多分、訊いても、答えられないのだろう。



2005年09月19日(月) 前原氏会見「改憲、自民と協議」 要領が悪いね。
2004年09月19日(日) 「米大統領『イラク開戦、国連のお墨付』事務総長に反論」 ブッシュ大統領。字が読めますか?
2003年09月19日(金) 「<環境危機時計>昨年より10分進む。」 人類存亡の危機なんですよ。

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