JIROの独断的日記 DiaryINDEX|past|will
◆「アメリカはイギリスから独立を勝ち取って生まれた国」それほど単純じゃないだろ? 新総理間違いなしと言われている安倍晋三氏の「美しい国へ」を読んでいると、 我らは以下の諸事実を自明なものと見なす.すべての人間は平等につくられている.創造主によって,生存,自由そして幸福の追求を含むある侵すべからざる権利を与えられている.これらの権利を確実なものとするために,人は政府という機関をもつ. 有難くて涙が出そうだ。だが、これはさほど立派な宣言ではない。 何故か。 ここでいう「人間」に「黒人」は含まれていないのである。独立宣言の後、100年間もアメリカは奴隷貿易を続けていたのだ。 アフリカの黒人を「モノ」と同様に扱い、勝手にアメリカに連れてきて、奴隷として働かせていた。 言うまでもなくアメリカの白人はヨーロッパ人だが、ヨーロッパの殆ど全ての国は400年もの長きに亘って奴隷貿易を行っていたのだ。 黒人をアフリカの祖国から無理矢理連れてきて奴隷として働かせるのだ。 北朝鮮による日本人拉致事件どころではない。 また、安倍氏はアメリカはイギリスから独立を勝ち取ったのだ、と書いているが、その時にアメリカにやっていた白人たちが何をしたか触れていない。 独立を勝ち取ったのはイギリスからだが、そのために、アメリカの原住民を虐殺している。 アメリカの歴史は人殺しで始まるのだ。 ◆ピルグリム・ファーザーズは何をしたか。 断っておくが、私は安倍晋三批判の為に急遽アメリカ史を調べたのではない。 ◆繰り返す。アメリカ独立宣言は人類の平等を謳っているが、その後100年も奴隷貿易を続けていた。 ネイティブ・アメリカンの惨殺は勿論これだけではない。 「すべての人間は平等につくられている.創造主によって,生存,自由そして幸福の追求を含むある侵すべからざる権利を与えられている.」 と、自分がしたことを忘れたかの如く、誇りをもって謳っている。 これがアングロサクソンの大きな特徴である。 前述のとおり、独立宣言の後、1860年にリンカーンが大統領となり奴隷制を廃止(彼はそのために、後に暗殺される)するまで、 100年も奴隷貿易は続いていた。この言行不一致を忘れてはならぬ。 ◆「リヴァイアサン」を持ち出すとは・・。 「美しい国へ」第四章はさらに、「アメリカ保守の自信はどこからきているのか」という一節を設け、 「人間は放っておけば闘争を続ける生き物だから、この混乱を治めるには強大な権力をもったもの(ホッブスは国王を意図している)に権力を委ねて統治させるのが合理的だ」 として、絶対君主制を正当化する本だ。 アメリカのネオコンは「アメリカこそ現在の国際社会に秩序をもたらす正義だ」と考えているわけで、 安倍晋三氏はそれを肯定したいらしい。だからそのような強大な力を持った国と仲良くするのが得策だ、というわけである。 現実にはそのようなアメリカの傲慢な思想が世界を却って混乱させている。 ベトナム然り、アラブ・イスラエル紛争しかり、イラク然り、である。見れば分かりそうなものだ。 私には、このような傲慢な思想を持った国を殆ど無条件で賛美する安倍氏の思考回路がどうしても理解不能である。
2005年08月29日(月) 記者クラブでの党首討論要旨
JIRO
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